恒例、夏の北アルプス。
今回はMMA TRAIL TEAM50(MMATT50)メンバーと、奥穂高岳へ。
人の記憶とは、なんと失いやすいものなのだろうか。
今回のルートは、2014年に蚊取り線香塾で行ったルートをなぞった。つまり、ぼくにとっては二回目。当初は蝶ヶ岳から大天井岳経由で燕岳に抜けようと思ったのだが、どうも一泊二日では難しい。そこで以前行ったことのあるルートにした。
上高地を出発し、岳沢、重太郎新道、紀美子平(前穂高岳)、吊尾根、奥穂高岳、穂高岳山荘で宿泊(テント泊)。翌日はザイテングラード、涸沢経由で上高地に下山。
北アルプスらしいダイナミックな景観と、危険度の少ないルート。北アルプスに初めて行くメンバーにも喜んでもらえると思ったのだが。。。
ようようと出発。ハイキングみたいな格好だけど、目指すは3000m級。
そういえば今回のメンバーは偶然にも2012年開催の第一回STYに出ていた、2012STY同窓生。今はレース中心というよりも、マイペースに山を楽しんでいる。
岳沢小屋。このルートの難しさは、岳沢から穂高岳山荘まで水場がないことだと思う。汗かき世界3位のぼくは、2.5Lを飲み干し、脱水寸前だった。
ガレ場をひたすら登っていく。
重太郎新道ではハシゴ、鎖場が何箇所か出現する。吊尾根を含めて手を使って登らなければならない場所が少なくない。
登山の難しさは荷物の重さ。テント、寝袋、食料、水分など含めて、10kを超える荷物を背負ったまま行動し続けなければならない。バランスを崩したら一大事、という場所もあるので、集中力と体力を必要とする。
紀美子平。ここから前穂高岳へ行くにはピストンだが、ぼくは前回来たし、疲れていたのでパス。のんびり休む。それにしても陽射しが強い。
吊尾根。岩場が続くのでルートを確認しながら進む必要がある。間違ったと思ったら、すぐに戻る。ぼくの山ルール。
奧穂高岳山頂(冒頭写真)を経て、穂高岳山荘に到着。それにしてもキツかった。。。
来る前は「台風が来るので、初日に涸沢まで降りちゃおうか」なんて話していたのだが、とんでもない。ヘロヘロで穂高岳山荘に着いたころには身動きできず。。。
こんなにキツいルートだったかな?そこそこ危ないところもあったし、完全に忘れている。。。しかも、4年前より体力が落ちてることを実感。。。
奥穂高岳は標高3190mで日本3位の高さ。ぼくが思うに、1位の富士山、2位の北岳よりも登るのは大変。しかし、独特で壮大な景観は登る価値が大きい。
深夜バスで東京から上高地に向かう間、なぜ山に行くのだろうと考えていた。
ぼくは「山いのち!」「山がないと生きられない」というタイプではなく、どちらかというとごくごく平凡に山を楽しんでいる。ジャンダルムや大キレットみたいな命の危険がある場所には興味がなく(運動神経がないので本当に危ない)、エクストリームな挑戦の勲章が欲しいわけではない。
そこでしか見ることの出来ない景色。
狭いテントの中で感じる自由な空気。
簡単な食事でも山々を見ながら食べる贅沢な気分。
物質に溢れた贅沢ではなく、苦労の先に得た自分だけの贅沢。そして、無事に戻った時に感じるちょっとした成長の自覚。日常とは異なる小さな喜びの積み重ねを感じられ、なにより「旅」としての喜びがある。向かい、着き、戻る。
翌日は朝から雨。大雨になる前にザイテングラードを下る。涸沢まで降りれば危ないところはない。
下りは速いトレイルランナーw 荷物があってもそこそこのペースで下山。上高地手前で北鎌倉の石かわ珈琲さんとバッタリ! 北穂高岳や涸沢など、休日を北アルプスで堪能されたそう。うらやましい!
MMATT50の北アルプス遠征は大きなトラブルもなく、無事に下山できてよかった。初北アルプスだったメンバーも満足してくれたようだし、次こそはのんびりと二泊三日くらいで当初プランのルートを歩きたい。
トレイルランナーの登山プランは、少々慌ただしい(自分でプラン←反省)。