UTMF2019が終わりました。レースに出られた選手、サポーター、関係者のみなさま、おつかれさまでした。
ご存知のように、季節外れの降雪によりコース短縮になりました。ぼくはレース中でもっとも標高の高いエイドであるA8二十曲峠の運営責任者だったのですが、27日の午後に雨が雪に変わり、みるみるうちに積もっていく様に、コース上の選手たちの安全が心配でした。
すぐにA7きららを出た選手の数を確認し、二十曲峠までの13kのコース上に選手が何名いるか把握して、いざという時の対応に備えました。
結局レースは27日15時にコース短縮(=レース中断)となったのですが、選手たちのご理解もあり、二十曲峠では大きなトラブルもなく、27日夕刻にすべての選手に下山していただきました。ご不便をおかけしたにも関わらず、ご協力いただきました選手のみなさま方には感謝の気持ちしかありません。おつかれだったところ、本当にありがとうございました。
冒頭の写真はレースが中断になった後に顔を出した富士山。2012年8月のシャモニーを思い出しました。ぼくはCCCに出ていたのですが、季節外れの降雪によりコース短縮。UTMBに至っては全コース変更となりましたが、翌日の閉会式はまぶしいほどの晴天でした。
翌日、二十曲峠の撤収の際に市役所の方に聞いたところ、この季節に今回のような積雪があることはほとんどないそうです。数年に一度の悪天候にたまたまレース開催日が当たってしまった。それも自然をフィールドとするトレイルランニングの宿命のようにも感じます。
※ぼくはエイド運営を担当させていただいていますが、事務局内メンバーではないので、以下はすべて個人的な意見となります。
個人的には、トレイルランニングの大会で100点満点というのは難しいのではないか、と思っています。もちろん運営サイドは100点以上を目指すべきですが、上記のように自然が相手なので、必ずしも100点という結果につながるとは限らない。
それはどういう事態が起ころうと同様で、今回のUTMFに関していえば(ぼくの知る範囲では)、雨天、降雪という状況の中で、100点を超えるように最善の努力をし続けたことは間違いありません。その結果が100点だったかどうかは自分では判断できないのですが。。。
そして、それは(自分がトレイルランナーだからこそ)選手視点で見た時に、自分だったらどうしただろうと考えました。
UTMFの必携品リストのページに以下の記載があります。
*コース上で疲労、ケガなどで動けなくなった場合、主催者は連絡を受けてから3時間以内に現場に到着できるように活動しますが、要請が多数重なったときや、現場がコースを外れているとき、悪天候のときはその限りではありません。救助隊が到着するまでに6時間以上もかかることもあります。寒風や氷雨の中で6時間コース上で待機しなければならないことも想定して、装備を選んでください。
ぼくは遅くて低体温気味で汗かきなので、今回のように雨天で気温が下がるという天気予報に基づいて、多めの着替えや防寒着を持っていったと思います。結果的にはそれ以上の悪天候となったわけなのですが。。。
言うまでもなく「必携品=自分の身を守るもの」ではなく、(ぼくは出ていませんが)ぼくらランナー側も、事前に天気やコースなどの情報収集や装備に関して、100点以上を目指さないとならない。最終的に自分を守るのは自分自身なのです。
主催者、ランナー、各々だけでは100点を超えられない状況でも、共に100点を超える意思を持っていれば、成せるかもしれない。各々が進化していく先に(例え自然が相手であっても)100点に近い、100点を超える大会に育つ可能性を持つのではないでしょうか。
今回のイレギュラーな天候によって、二十曲峠エイド運営責任者としていくつか課題を感じました。もう対策は見えているので(お声がかかれば)来年以降に絶対活かします。今回のUTMFは、運営サイド、ランナー自身が自然をフィールドとするトレイルランニングという競技について、あらためて考え直す貴重な機会になったと、個人的には思います。
でもやっぱり晴れのレースがいいですね。今年くやしい思いをされたみなさま、本コースを完走したいと思うみなさまは、来年もぜひチャレンジしてください。
(しつこいようですが声がかかれば)来年も二十曲峠でお待ちしています。
翌日のクリンナッパーの様子。このコースを冷えた身体の選手たちに走らせるわけにはいかなかった。
(続く)