奥多摩に「日原(にっぱら)」という場所があるのをご存知でしょうか。稲村岩尾根経由で鷹ノ巣山へ登るルートの登山口がこの日原にあり、JR奥多摩駅からバスも出ていますので、鷹ノ巣山登山や渓流釣りに行かれる方はご存知かもしれません。そして、山と高原地図を広げてみると一際目立つのが『日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)』です。
「東京に鍾乳洞?」という方もいらっしゃるかと思います。私もはじめはそう思いました。鍾乳洞と言えば、トレイルランニングレースも開催されている北九州・平尾台や、修学旅行で訪れたことがある山口県・秋吉台を思い浮かべますが、東京にもあるのです。
鍾乳洞は、雨水の中に含まれている炭酸ガスによって石灰岩が溶解されてできた洞穴で、洞内に入ると鍾乳洞のイメージ通りの蟻の巣状のルートが存在していました。年中摂氏11度前後に温度が保たれているという洞内はひんやり涼しく、携帯電話の電波も完全にシャットダウンされ、下界とは隔離された神秘的な空間が山肌の下に広がっていました。
・・で、タイトルにあります “一石山の御岩屋” ですが、「鍾乳洞」という言葉は明治以降の呼び方で、それ以前は「一石山の御岩屋」と呼ばれていたようです。江戸時代の初期から山岳宗教の修行者を中心に参詣者がこの地を訪れていたようで、松明(たいまつ)を燃やして灯りにしていたため、本来乳白色であるはずの鍾乳石がいまでは黒曜化してしまっている、という表示もありました。
現在、公開されている範囲(以前はキャニオリングのルートとしても使われていたさらに奥地へ続くルートもあるようですが、現在では立ち入りが禁止されているようです)を巡ると所用時間は40分〜1時間程度でしょうか。GWもあと数日ありますので、行き先をお考えの方は、候補の1つに入れてみてはいかがでしょうか。※ルート内にも注意書きがありますが、急勾配の階段もありますので、乳幼児や高齢者の単独での通行が困難な場所もありますのでご注意下さい。
せっかくこの場所に来たからには、その「一石山」にも行ってみたいということで、一石山そしてその先にある「ミズナラの巨木」を目指しましたが、その様子は次の記事にて。(つづく)
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