いわゆる、日本三大急登といわれる尾根のひとつ、甲斐駒ケ岳を目指す黒戸尾根1dayピストンにチャレンジしてきました。
メンバーはエディさん、さいこさん、心折れ部のトモさん、と、わたし。
トモさんの運転で尾白川渓谷のキャンプ場駐車場へ。
3人にとってはきっとゆるっとジョグですが、スタートから速いです(笑)
登山口の標高は約770m。山頂は標高2967m。
ほぼ登りで標高2200mを登ることになります。序盤からガシガシ走る3人に必死でついていく。土が柔らかくて気持ちいいけれど正直それどころではない(笑)なんとかついて行くべく、根っこの這うトレイルを走っていたらうっかり根っこに足を引っかけてしまい大転倒。まだ標高1000mも登っていないところで太ももに大きな痣をつくってしまう失態。
そこからは落ち着いて行こうと、とにかくひたすらの樹林帯を焦らずに落ち着いてついていく。もっと激しい登りかと思いきや、前半はそんなに急ではないけれどとにかく長い、という感じ。
視界が開けたとおもったら急に岩!
天気が怪しかったけれど、すっかり青空。
写真よりもさほど高度感はないけれど、こういう景色を見ると高山に来た~という気分になれます。ただ、アブ、ブヨ、ハチが大量にいて、しっかりやられてしまいました。(頻繁にハッカ系の虫よけをしていたけどダメ)
頂上までの唯一の下りを経て、ここからはいよいよ梯子・鎖・岩場が徐々に増えていきます。
どんどん急になる梯子。でも比較的しっかりした作りで登りやすい。
小屋を越えて、すこし樹林帯を抜けると森林限界へ。
黒戸尾根、とにかく序盤が長いのだけれど、いやいやそんな甘くはない。『小屋まで来たらあともう少しって思うでしょ?小屋からが長いんだよ~』と聞かされていたので覚悟はできていたけれど、知らなかったら相当心折れるでしょう(笑)
森林限界になってからが長い。
まだ登りやすい鎖場。
(photo by.エディさん)
だんだんこうなる。
岩場鎖場大好きなわたしは、それまでの登りでヘロヘロ走ったのも忘れてワクワクしながら登ります。
たまに、あれ~?これどこ通るんだろ~?なんて言いつつ。
遠くに見える甲斐駒ケ岳山頂。
ずいぶん登った気がするんだけど、おかしいな、遠いぞ。
曇っていた空もすっかり青空。鳳凰三山が美しく見えるところでひとやすみ。鳳凰三山に登った時に甲斐駒ケ岳が見えて「あれに登りたいなぁ」と思っていたら、今度は甲斐駒ケ岳から鳳凰三山を見る。嬉しいな。
よしっ!あれが頂上だ!と思っていたのは岩だった。
その岩と鳳凰三山と奥には富士山。オベリスクもちゃんと見える。
登ってきた道。振り返ると見えるその景色が好き。
私は雨女だと何年も思っていたけれど晴れ女でした。
よっしゃきた~!と思って顔を上げたら、なんかまだまだだった。進んだ?進んでる?大げさに目をこする。まじか~あれか~。ひとりごとも増えます。
(photo by.さいこさん)
頂上手前で最後によじ登るわたし。やっとついたぁ~!もうそのひとこと。長かった。めちゃめちゃ長かった。でも、岩場が長いのは楽しくって、晴れていれば美しい景色とともに楽しめる、最高の登りでした。
山頂。
そして、ご褒美は絶景。
雲があったけれど、鳳凰三山、白峰三山、仙丈ケ岳、八ヶ岳、富士山まで見えました。
仙丈ケ岳。美しい。
風もさほど強くなく、気温も高くて山頂でもぽかぽか陽気。
みんなでのんびりしゃべりながらお昼ごはん。1時間くらいまったり滞在しました。
そして、この道を戻るわけです。
お昼12時。どのくらいで下れるかな?
下りではほとんど写真を撮る暇なく。最初は快調に下っていたけれど、半分くらいのところでエネルギー不足。やはり登りがきついだけあって想像以上の消費でした。自分のペースよりも速い3人について走ったというのもあるかも。ふらふらしながら補給をして、たまに歩いては回復を待ちながらの下り。今度来る時は食べ物は多すぎると感じるくらいでいいかも。
垂直梯子。
30分~1時間ほどで回復して、走りやすい下りになったら、ふかふかトレイルをどんどん駆け下りて・・・駆け下りて・・・まだまだ駆け下りて・・・駆け下りて・・・まだまだ駆け下りて・・・下りて下りて・・・
最後は川にドボン!
登りも長いけど下りも長い!いや~黒戸尾根、キツかった。
時折の休憩と、頂上で約1時間の休憩をしたので、登り+下りのみでは約7時間~7時間半というタイムでした。登山のコースタイムで15~16時間なので、半分くらい。自分だけでは絶対無理なタイム。3人に引っ張ってもらって走りきれました。最高に楽しかった!
はじめてご一緒したさいこさん。笑顔が素敵!転んだり、エネルギー不足になったりした私に声をかけていただいたり、とっても優しかった~!お世話になりました!
どう考えても豪速、豪足の御三方に怖いもの知らずで仲間に入れてもらった今回。自分の限界をすこ~しずつ越えて成長するには、自分のレベルを理解した上で、速い人にがんばってついていくことだと思っています。そして、その道中に、いろんな知識や技やノウハウをいっぱい吸収すること。それから、できるだけ色んな人と色んなところを走ること。そうやって経験を積んでいくことが今すごく楽しいのです。だから、足を引っ張ってしまうかもしれないけれど、誘ってもらえたのなら、あまり気負いせずに勇気をもって行くことにしています。
今回の甲斐駒ケ岳の経験でまたすこし、可能性の広がりを感じました。
レースでの今年のメインは上州武尊120k(山田昇杯)。2000m級の登りが2つ、そのあとも500~1000mの登りが5つ。累積標高差 約8300m以上、岩場ありというコースなので、もやはトレイルランニングだけでなく登山経験は必須。当日楽しめるように、たくさん経験を積んでいきたいと思います!
1 コメント
[…] 甲斐駒ケ岳は、夏に日帰りで黒戸尾根に登ったけれどアレはたしかにトレイルランニングのトレーニング向きだと今回つくづく思いました。樹林帯が多く、とにかくひたすら登らされ、しかも少しの岩場以外は走ろうと思えば走れるから厄介。(わたしはほぼ走れない) 逆に、北沢峠からのルートは、同じく登らされるし急登も多いけれど、とにかく驚くほどに表情が豊か。モミの樹林帯に始まり、樺の苔むした森、ハイマツの稜線、岩尾根、砂礫、溶岩地帯、沢道。お腹いっぱいになるほどの満足感たっぷりで、あまりに夢中で補給を忘れるほどでした(笑) […]