ここ数日間、過去経験したことのない、仕事のプレゼンテーションとも、トレイルのレースとも違う、何とも言えないドキドキモヤモヤした緊張感につつまれていました。
いよいよ、あした。
そうです、もはや奇跡とも言える東京マラソンに6年越しで当選し、走れることになりました。
がしかし、もう一生当たらないかもしれないという機会に、これまた過去経験したことのないようなタイプの故障を直前になってやらかしました。原因は不明。主には足底筋膜炎のような症状ですが、それに加え拇指球のあたりと足の側面の骨がゴリゴリと音を立てています。歩いていてもつらいそのあまりの痛さに驚いて、駆け込みで鍼治療。あとは安静で2週間ほど過ごしました。
ちなみに、フルマラソンは人生2回目で、初めてのフルマラソンの時は2ヶ月前に足首の靭帯断裂で松葉杖とギブスになってしまい、1ヶ月半でなんとか間に合わせて参加しました。
「なんで、こうなるかなぁ~。」
「去年いっぱい山走っても故障なんてほとんどなかったのになぁ。」
「ロードやっぱ向いてないわ~。」
「ロードのレースに出るってなると、“いっつも” こうなんだからぁ。」
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突然関係ない話をするようですが、Murphy’s Lowってご存知ですか?
マーフィーの法則といえば、インターネット関係の方は特にご存じかもしれません。
- USB端子を差そうとするといつも逆に入れてしまってイラッ
- 大事な日に限って雨が降る(わたしはぜったい雨女だ)
- スーパーのレジで自分の並んだ列が他の列よりもなんかいつも遅い
- 電車で自分の前の席だけたいてい空かなくて座れない
いわゆる、「あるある」 ですね。世の中って不条理~!
マーフィーの法則(マーフィーのほうそく、英: Murphy’s law)とは、「失敗する余地(可能性)があるなら、失敗する」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」をはじめとする、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである。(wikipediaより)
「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる。」「うまく行かなくなり得るものは何でも、うまく行かなくなる。」「何事であれ失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する。」「洗車しはじめると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合を除いて。」
果たしてそうでしょうか。
否定したいわけではありません。その逆で、私はこの理論が意外と好きです。ユーモラスに皮肉っぽく説いているだけであって、実はその逆を暗に示しているようで、真正面から真面目に戦う理論じゃないんじゃないかと思うんです。確率論よりはプラシーボ効果的な心理学の反論の方が好きですが、いずれにしても世の中別に不条理じゃない、神様がいじわるなんじゃないと考えられる方法はいくらでもあります。
例えば、傘を忘れた日に限って雨が降るというのは良くある話ですが、その時の「因果関係はなく、思い込みでしかない」とする時に説明されるのが
1.雨が降っている、かつ傘を持っている。
2.雨が降っている、かつ傘を持っていない。
3.雨が降っていない、かつ傘を持っている。
4.雨が降っていない、かつ傘を持っていない。
これらをすべて均等に記憶しているわけではないということです。傘を忘れて雨に降られてビショビショになった記憶は特に印象に残るし、2回目にあった日にゃ、あ~もう!いっつも!となるわけです。
はい、これ以上難しいことは説明できません(笑)理数系が得意な方は条件や確率の計算をできるのかもしれません。だけど、私にわかることは、「そっか、雨が降ってる日にちゃんと傘を持ってることだって多いか!あはは。」という納得感です。わたしは雨女じゃありません。大事な日に限って?雨が降る?大事な日かどうかそもそも自分次第です。そんなこと言っていたら人類皆雨女・雨男になっちゃいますね。
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マイナスなこと、ショックなことの方が印象深いものです。前回のマラソンの時も怪我をしたままの出走でしたが、調子が悪いまま出たトレイルのレースだってあります。ロードが向いてないわけでもなく、ロードになるとすぐ故障するわけでもなく、怪我は注意散漫だっただけだし、今回はそれ相応の練習や対策をしなかったというだけですね(苦笑)さらに言えば、「失敗の可能性があれば」そう、失敗の可能性を自分で作っちゃったわけですよね。正論です。でも失敗(リタイアとか?)するなどと落ち込んではいません。今回の故障のことを知人に話していた時、「Emmaちゃんは底抜けにポジティブだね」と言われました。
「故障したんだけどね、ここがこういう風に痛くてね、いや~ロードの練習せずに山ばっか行ってるからだよね~バチ当たったわ~安静にしてるんだけどね、全然走らず治療してるから当日どうなるか・・・・4時間?5時間?6時間とかかかるかな?泣いてゴールかな?あはは」
笑って話して、楽しそうだと。この状況を面白がっているでしょ、どんだけポジティブなんだよ。と。せっかく当選したのに練習をあまりしなかったことを叱られもしましたが、だけど山に行って充実していたこの数か月を後悔などしていません。反省はしています(笑)が後悔とは別ものです。反省すべきはする。次に活かす。落ち込んでばかりいても、前には進みません。
こんな状況だから、割り切って超~のんびり走って、エイドや応援を超~楽しめばいいのだと思うんですが、それもまた、そうは行かないのがわたしの性格です。ドキドキモヤモヤ緊張感の原因はソレで、初めてのフルマラソンではないし、トレイルのレースも経験しているわけで、42.195kmなら6時間半くらいかければ完走できる自信はかなりある。でも、じゃあ、それで良いかと言われれば、今可能な限りの全力で走りたくなる。でも、そうすると途中でめちゃくちゃ足が痛くなって完全に歩いちゃうかも。走れなくなるかも。そうすると完走できない可能性がちょっとだけでてくる。さて、どうなるか・・・。不安のモヤモヤとは違う。これまで経験したことのない、妙なドキドキモヤモヤがなんだかおもしろいのです。そこそこ練習して故障がなかったら、きっとタイムのことばかり考えて別の意味で緊張して夜も眠れなかったでしょう。
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そういえばMurphy’s lawにはもう一説あります。
おなじ「マーフィー」という名前ですが、宗教家で牧師の自己啓発的な理論を唱えるジョセフ・マーフィーという人です。個人的には自己啓発本とか幸福論とかそういうのはとっても苦手で、うさんくさっ!と思ってしまいます。実際、彼の著書のタイトル、「眠りながら成功する」「人類史上最大の発見 潜在意識の偉大なる力」といった言葉を聞くとうさんくさ!というか、いやいやそれができたらみんなオリンピックだわとか思うわけですが、中にはいいこと言うなぁと思う言葉もあります。(上から目線ですいません。笑)
- いまのあなたの思考と行動が、未来のあなたをつくります。
- 起こったことをすべて受け入れてしまいなさい。それも、よいこととして受け入れなさい。それが成功への第一歩です。
- 良い想像は自らの気分を快活にし、積極的な態度をつくります
- よいとか悪いとかいうものはこの世にありません。すべては考え方次しだいでそうなるのです。
- 失敗がいくつも見つかったら成功は近いと思いなさい。
- 失敗への恐怖は成功の足を引っぱる最大のものです。それは根拠のない恐怖にすぎません。そして失敗への恐怖感を抱く人は、実をいえば失敗することを望んでいるのです。
失敗することを望んでいるかは別として、失敗への不安や恐怖感というネガティブシンキングが辛い気持ちや失敗を招いてしまっているというのは一理あるかもしれません。色々反省や心配はあるけれど、ものは考えようです。自分の見方次第で良い結果と記憶にできる。底抜けのポジティブシンキングで楽しむことで、きっと自分にとって最高な思い出のレースになると思っています。
出走されるみなさま、素敵な時間を!