今年2回目の富士登山競走の試走に行ってきました。1回目は6月。ひとりで乗り込んで五合目まで。
梅雨入りしてからずーーーーーっと雨だったけど、やっとの晴天。ちゃんと土日に晴れてくれておてんとさまに感謝です。深夜都内出発、早朝にスタート地点となる富士吉田市役所へ。メンバーは心折れ部×IBUKIの編成。わたし置いていかれること間違いなし!でも参加してやるんだい!そんな感じの意気込みで。
当日レースに出るわたしは富士吉田市役所スタート。登山口から10kmも手前、もはやスタートからしばらく登山ではありません。なんで市役所スタートなんだろうな~・・・練習に来るたび毎回思います(笑)
スタートして早々に置いていかれるわたし。(その間3分ほど!)うん、もっと速く走らなきゃいけないんだけどね、ここ飛ばすと今日頂上まで行けないよ・・・。市役所から浅間神社の横を通り、富士登山競走の“デスゾーン”、富士スカイラインというロード区間へ。
緑がきれーい!
なんて、これっぽっちも思えません!!(笑)何故ならこれと全く同じ景色が錯覚起こすレベルでずーっと続くのです。前を見ているとその遠さに心が折れるので、足元を見て、ただ黙々と走る。このレースでは、絶対に歩いてはいけない。歩いたら、その瞬間それはもう、レース放棄に等しい。そのくらい制限時間が厳しいのです。
だけどこの日は3~4km進んだあたりでなんだか異常に心拍が高い。もともとあんまり上がらないタイプなのにお酒を飲んだ翌日レベルに高くて下がらない。次第に頬が引き攣って、身体にも力が入らない。サポートで一緒に走ってくれていたはずの仲間もどんどん2m、3m、10mと離れてしまって、視界から消えたところで『あ、今日はもうだめかも』と。
馬返しに着いた頃には目標タイムから15分くらい遅れていて、それを巻き返すごとくトレイルを突っ込んだのがまた失敗でした。みるみる脚が動かなくなり、しまいにはお腹も痛くなり、三合目を過ぎたあたりでほぼ徒歩に。四合目で馬返しから追いかけてきたメンバーに追いつかれ、トボトボ歩きながら五合目へ。補給もしてるし水分もとってる。ハンガーノックとも思えないし、脱水でもない。ただ、とりあえずこの謎の症状に身体の休めサインを感じて、今日はもう無理はしない、迷わずたっぷり休んでそれでもダメなら潔く下山!と決め込んで、ゆるハイクに変更。
五合目、佐藤小屋。
ここが第一関門。富士吉田市役所からの15㎞、そのうち約10kmはロード、すべて登りで標高差1,480m。すでに標高2,230m。山頂コースの五合目関門は2時間20分。大会実行委員会曰く、「67 回大会での山頂コース選手のリザルトを分析すると、2 時間 15分から 2 時間 20 分の間に五合目を通過した選手の中で、完走できた人数は 16 人、未完走者が 300 人以上となっております。 」今年は第68回。第70回から、五合目関門は5分短縮、2時間15分と更に厳しいレースとなります。ちなみに私の昨年の五合目コースでの完走時間は2時間17分。2時間~2時間15分台に通過できるとは思えず、ということはたった十数人の可能性と同じくらいということらしい。
佐藤小屋のトイレにしばらく籠り、その後小屋で買ったジュースと食べ物で補給。15分くらい休んで、歩く分には問題なさそうだったので、とりあえず次の六合目に向かって歩く。五合目から六合目へは樹林帯。シングルトラックで狭く、大会の当日はゾロゾロ渋滞するのかなぁ、逆に流れで結構走らされるのかなぁなんて思いながら歩く。
スバルライン方面と合流する六合目。
ここで入山料(協力金:任意)を払います。トイレやトレイルの整備・清掃に充てられます。世界に誇れる山であってほしい。
さてさて、この柵のような段差で作られた砂利?ガレ?の九十九折。五合目から山頂までの区間でもっとも苦手な場所がこの六合目から七合目。とにかく長い。足が埋れて登りにくい。天気に恵まれまくったこの日はとにかく日差しが強くて暑さも厳しく、熱中症にならないように塩分水分をとりながら、のそのそと登る。
あぁ、だいぶ来た気がするけどあとどのくらいかなぁと、ふと顔を上げると岩場が。岩場ー!
疲れ切った脚を脱力して、ワッシワッシと上半身で登りはじめたら、うん、登りやすい。大好きな岩になんだかちょっとテンションが上がり、動物のように四足で登る。しばらく続く岩場を無我夢中で登っていたら、いつのまにか前を登っていたメンバーに追いついた!四足走法?で休まった脚が少し復活。あれ、もしかしたら山頂まで行けるかもしれない!
相変わらず灼熱の中、一歩一歩脚を持ち上げる。高山病ぎみなのか体力の限界なのか、トレイル脇で休む登山者さんの間を抜け、いよいよ山頂が見えてきた!
『着きました!』
メッセージで報告したら、先に着いていた2人が迎えてくれました。
やった!目標タイム?てんで間に合っていない。制限時間などずいぶん前に過ぎてしまっていたけれど、「一度潰れてから、落ち着いてじっくり戻して、復活する」というおそらくロングレースの完走に大事なメンタル面を乗り越えられたことがなによりも嬉しかった。富士登山競走のゴールには程遠いけれど、諦めない気持ちはきっとTDSの練習にはなってる!そう思うと、練習とはいえなんだかすごく嬉しかったのです。
富士山の火口
この景色が見れてよかった。
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と、ここで終わるかと思いきや、
懲りないわたしは、気付いたらまた富士山に向かっていました。(笑)
少しの休息日を挟んで。
さすがにまたあのデスロードから始める勇気はなく、馬返しから。
とはいえ、いわゆる「ゼロ合目」スタート。
この日のメンバーもわたしよりもずいぶん速く、みるみる置いて行かれる。呼吸は楽だけれど、さすがに脚の疲労もある、あ~今日こそ山頂はむりだなと思って、「どんどん先に行っちゃってくださ~い。自分の調子をみて山頂まで行けなかったら下山します」とメッセージ。そんなわけでマイペースに進んで五合目に着くと、ニヤリと笑う2人が待っていました。
「行くでしょ?」
そ、そうですね~。そんなわけでまた五合目からぼちぼちのスタート。
六合目からの景色。めちゃめちゃ空気が澄んでいて富士山麓が見渡せる!
・・・けど、振り返ったらこれ・・・。
アハハ~・・・。
岩場の後半。うーん、山頂の方が見える気がする。
と、思ったのに、岩場が終わってからも結構長い。近いような遠いような近いような。いや、遠いな。
なんだか結局上の方まで上がってきた。あまりに綺麗で立ち止まって写真を撮る。
八合目、八合目、八合目、八合目、八合目・・・・さっきの八合目ちゃうんか〜い!そう、八合目の区間はとにかく「八合目」という看板が何度も何度も出てくるのです。山小屋の数も多い。八合目、本八合目?、元祖八合目?、八合五勺?・・・やっと八合目が終わっても意外と八合目から九合目も長い。
だけど、これが見えたらゴールはもうすぐそこ。
階段を(気持ちだけは)軽快に駆け上がり・・・
ついた~!
もう無理だむりむりむりむりと思っているとしんどくて足が進まないけれど、諦めるとなぜか足が進む。結局はやっぱりメンタルの問題なのかもしれない。なんとか気持ちと体調の波をゆるやかに乗り越えて、2回の富士山登頂を果たしました。補給、ペース配分、登り方、コースを覚えて気持ちを切り替える、いろんな収穫がありました。1人だったらぜったい諦めてた!一緒に登ってくれた仲間に感謝です。制限時間に間に合う可能性は低いけれど、なぜかすごく当日が楽しみという前向きな気持ちになりました。
TEAM JET×心折れ部×トレイル鳥羽ちゎん
富士登山競走、完走するには何年かかかりそうだけれど(笑)でも挑戦することに意味がある。何年かけてでも、ぜったいにいつか完走してやる。だから、その記念すべき1年目の今年、今の自分にできる全力で大事な経験のひとつにしたいと思います。チャレンジあってこそ。経験あってこそ。
当日、楽しみまくります!
1 コメント
おはようございます。いつもブログ拝見しております。お初コメントさせていただきます。先日のキタタン会場内いやしの湯でお会いした者です☆
その節はお話中突然お邪魔して説明不足で失礼いたしました…
私も諦めず全力で前へ進んで、そしてお互いの良い経験となりますように。
無事完走目指して共に頑張りましょう☆
どこかでお会いできましたらよろしくお願いいたします‼