あけましておめでとうございます!
2015年から2016年への年越しは冬の北アルプス、西穂山荘へ標高2,637mの贅沢宴会に行ってきました。去年、入笠山のマナスル山荘で過ごした年末年始がとても良く、すっかり山小屋年越しにハマってしまったのです。テントも好きだけど、特別な日の小屋も好き。今年は山仲間と共に、天気が荒れたら小屋で飲んだくれて過ごすのもいいか〜なんてのんびり計画で。
お昼頃に着いた西穂山荘はすでに山好きで満員、昼間から大宴会。なんだか荷物が大きい人が多いなぁと思っていたら、ベテラン山屋さん達は一升瓶などを担ぎ上げ、御節料理や酒のつまみをどデカイタッパーにいくつも詰め込んで、周りに振舞っています。さすが年越しが楽しいと有名な小屋、規模が違いました(笑)みんな楽しそうで微笑ましくって、こっちまで嬉しくなっちゃう。
大晦日はあいにくの天気で、小屋に入ったきりそのまま、お酒飲んだり、お昼寝したり、漫画を読んだりと、標高2000m以上で外はマイナス10度以下と思えないくらい、ぬくぬくのんびり。そんなの山の上じゃなくてもできるって?たしかに(笑)でも普段の仕事のがむしゃらな忙しさから解放されて、時計を気にせずすこず贅沢な時間。しかも、山の上という大好きな場所で。
漫画部屋も充実していて、呑みの合間に山の漫画を黙々と読んだりもして(笑)
食事も特別メニュー。日本酒、大雪渓の振る舞い酒や年越しそばもありました。積雪前にまとめて荷揚げするのかな?山小屋らしさのなかにもきっとこだわりがあって、豪華でなくてもとっても美味しかった〜。
特別営業のこの日は消灯が0時半。ご飯のあとも夜が更けるまで同じ部屋の方や周りの人達と山話に花が咲き、食べものやお酒を振る舞い合っては色んな話をして過ごしました。
みんな山好き。楽しくないわけがない。
カウントダウンは小屋の方々総出で大盛り上がり。なぜか支配人は白鳥姿(笑)、スタッフのみなさんも被り物や仮装?して、お客さんにも被り物を配り、もうカオスです。
ゆく年くる年が流れるテレビの前でゲームで盛り上がり、10秒前からカウントダウン!みんなはじめましてだけど、みんなでおめでとうを言い合ました。
西穂山荘はものすごくホスピタリティにあふれていて、スタッフの方がみんな優しくて笑顔で感じが良く、だからこそ楽しくてますます大好きになりました。心地が良い人達に囲まれている状態ってとってもHAPPY。
そして嬉しいことは小屋の楽しさだけにとどまらず・・・眠い目をこすって起きた元旦は、西穂山荘の支配人で気象予報士でもある粟澤さんが『こんな北アルプスの元旦は10年に1度』だと言うくらいの快晴に!朝まで降り続いた雪、真っ白だったガスが奇跡的に晴れ、西高東低の気圧配置と言われた中で北アルプス付近では等圧線の間隔が広いため、影響は少なく快晴になったのだそう。
西穂高岳独標へ向かう稜線は、青空と雪のコントラストがまぶしいほどで、景色が本当に美しくて美しくて涙がうるむほど感動しました。ふかふかの雪に足をくぐらせながら、ぐるっと景色を味わってはまた少し進む。
今年は例年に比べ雪が1m以上も少ないらしく、サラサラの雪の下には岩。ハイマツが出ているところもあり、うっかりアイゼンを引っ掛けそうなほど。ピッケルのきかない雪と岩肌の出た独標直下では渋滞して凍えそうだったけど、独標では真っ白な穂高連峰が顔を出し、雪に太陽の光が当たって見える光の柱(おじさんはダイアモンドピラーと呼んでいた)という幻想的な現象も見ることができました。わたしの経験と実力では今回は独標まで。また次の機会には西穂高山頂まで行こう。楽しみはすこしずつ。
小さく槍ヶ岳も見えた
憧れの雪の北アルプス。遠いようで意外と近い。エイヤッと思いきって行ってよかった。1年のはじまりに青空の山で過ごせるなんて、なんて幸せなんだろう。
人との出会いも仕事も、山を通じて恵まれた2015年。楽あれば苦ありの充実した年でした。2年前に会社員を辞めて独立して以来、振り返れば仕事もプライベートもトレイルランニングも『やっと自分らしくいられるようになってきた』そんな感触をなんとなく得た1年でした。自由気ままなようで、まだまだ未熟で精一杯で、すべてを独りでやらなければならないことの自分への重責に苛まれる毎日だけど、しあわせのバランスの取り方を覚えてきたのかもしれない。
“為せば成る”がわたしの合言葉。1歩を踏み出さなきゃはじまらない。1歩を踏み出せば、何かが変わる。失敗も成功への布石。そう信じて、つらい時期にとにかく一生懸命になって培ってきたものが、次のチャンスへと導いてくれるという出来事がたくさんありました。そうだ、とにかく経験だ。積み重ねだ。だけど運や偶然も味方につけて。そんなふうに、なんでも自分次第なんだと再確認することができました。
あとは、なんでも、楽しまなきゃね。2016年も初心忘れず、仕事も遊びもたくさんチャレンジするぞっ。唯一のチャームポイント?といえば(笑)、フットワークの軽さ。全国に飛んでゆくので、みなさん今年もたくさん遊んでください!
“幸先いい”ってこういう時に使うんだなぁ。なんか、呼ばれた気がした。
The mountains are calling and I “want” to go.
―そして、こんな自由なわたしを許して受け入れてくれる、すべての人に感謝して。恩返しする1年にしよう。
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photo by:naoさん