こんにちは、JUNです。
テン場に戻ってきました。さぁこれからが楽しいテント泊の始まりです!
今回の行程。台風が迫っており天候は下り坂。この中でわざわざテント泊しなくても、という考えを持つ方も多いと思います。
はい、私もその考えには同感です。リスクは減らした方が良いし、天候が良い方が私も好きですし楽しさも大幅アップです。
ただ、今後も山や自然を相手に楽しみながら活動していく中で、急激な天候変化や予報に反した大崩れ、トラブルによる悪条件でのビバークなど、色々な事を想定するのもリスク管理です。
そうした状況ではベストな選択は難しいですが、なるべくベターな選択をしてリスクを最小限に留めるには、どうしても机上の空論ではなく絶対的な経験が必要になります。
今回もできれば予想に反して好天のまま、明日も予定通りの行程ができればそれは良い事なのですが、たとえ予報通り雨に降られ悪条件の中でのテント泊となっても、実体験を通じた大きな経験を得ることができると考えたのです。
なかなか悪条件を選んでテント泊などをする気にはなれませんよね。色々と大変だしどうしても避けたいものです。
でも今回のような行程ならどうしても1泊は避けられませんし急遽日帰りで帰る訳にはいきません(実際は帰れるのですが)。
こうした中で経験を得ることで、今後の活動の対応力がまるで変わってきます。知識だけではなく実践を通じた経験値獲得です。
こうした事も気心の知れた渋井さんと2人という事や、少人数のメリットですよね。
さて、テン場に戻り支度をする。今回は豊富な水場も近くにあるので、濡らしたナノタオルを用意しテントの中で全身を拭くことができた。凄いサッパリして気持ち良かった!テントの中で一人全裸で体を拭いている様は異様だなと自分で思いながら(笑)
外に出てのんびりしていると少し雨がパラついてきました。ありゃ、もう降ってきちゃうの?と思いましたが、本降りまではいかない弱い雨が降ったり止んだりする天候。雲の流れも速く台風が迫っているのかな?という雰囲気が少し出てきました。
そんな中では青空が広がる時間帯もあり、明日は大丈夫なんじゃないか?なんて期待ができるほどでした。
できれば明日上りたい甲斐駒ヶ岳が西日に照らされ輝いています。こう見ると直線距離は近く見える。
ところで、ここのテン場で1つ残念なのは携帯の電波が通じないこと。ドコモもauもダメでした。なので特にすることも無く時間の経過が遅い。これはとても贅沢なんですけどね。ゆったり座れるイスでもあれば気持ちが良かったんでしょうけど。
本を持ってくる人も多いと思いますが、私は眠くなってしまうので向かないかなぁ。小さな字で長文を読む気にはなれない。
やることも無いので早めのご飯にした。山の楽しみの一つとして山ご飯がある。なので少しは気の利いた事でもしたいのですが、今回は特に縦走の練習という事もあり、小型軽量のため味気ないインスタント系になってしまう。味は間違いないですけどね。この辺りは特に数をこなして自分なりのスタイルを確立したいものです。
カレーメシ(キーマ)と、どん兵(天ぷら)
カレーメシのキーマ味は大好きでおいしい。今回はカップからパック小袋に移し体積を大幅に減らした。ただ香辛料の香りが強力で、常にスパイスの匂いがしているのが難点。特にテントの中は。途中から更にジップロックに入れたら軽減できた。
食べた後も暇は続く。相変わらず弱く降ったり止んだり。電波が無いので台風情報とかを自前で仕入れることができません。なので山小屋に聞きに行くしかありません。台風は確実に来るとのことです。
その予報から、明日は道路の封鎖とバスの運休がアナウンスされていた。もう午前中しかバスは運行しないようだ。ありゃ。
こりゃあもう諦めるしかなさそうだ。明日は朝イチのバスで下山する。2人でそう打合せ、早めの就寝となった。
今回のテントは初投入のモノ。ヘリテイジのクロスオーバードームで重量は700g。厳密にはテントではなく自立型のツェルトになります。今までは1400gのダブルウォールテントを使っていたのですが、軽量化と省スペース化のため新調しました。特に省スペース化の恩恵の方が大きく、体積としては今までの物より1/2以下といった印象です。
プチUL系としてはこれは大きい。
大きさとしてはまぁ狭いは狭いですが、必要十分ではあります。今回、雨も降りましたが水の侵入はありません。ただ今回失敗がありまして、今までのテントと同様の扱いをしてしまい、換気をせずに寝てしまいました。
眠りについて数時間後、喉が痛くて起きました。なんだか息苦しい。水を飲み整える。どうやら頭の位置が低かったらしい。川側に頭を向けてしまい、更に枕も使わなかった。
体の向きを変え少し落ち着く。
それでもだんだん息苦しくなるのは治らない。
どんどん呼吸が荒くなる。
一生懸命の呼吸してるのに楽にならない。
「あれ?これはおかしいぞ」
と思いハッと気づいた。これは換気をしないとダメなヤツじゃん!
急いで換気口を開け、入口を開いて直接外気を吸った。ハァー生き返る(汗)
ダブルウォールテントは内装と外装の間は十分な隙間が空いているので、見た目上のファスナーや環境口を塞いでも十分な換気は出来ている。
しかし、ツェルトやシェルターなどのシングルウォールはそういった強制換気はないので、設けられた換気口は開けておかないといけない。これは結露対策にも必要。
基本ですけどね(汗)
外は雨が降ってなかった。耳栓越しに聞こえていたのは川の音だったようだ。
とんだひと騒ぎあってすっかり目が覚めたと思ったが、疲れていたのか横になっていたらいつの間にか眠っていた。
翌日も雨は降ってなく、時折晴れ間が見える程だった。
ほどなくして山小屋に情報収集に行くと、コースは日本列島横断コース。ここ南アルプスは正に直撃のコースだそうな。
こんなに青空なのに。。
諦めて予定通り、朝イチのバスで帰りました。帰る前のテン場はガラガラ。
帰りのバスでは終始雨に降られ、駐車場に着くころには激しい雨に降られました。なので、無理しないで帰ってきてよかったです。
という事で今回の1泊旅は終わりました。
悪条件の中で狙い通り色々な経験をすることができました。旅に完璧なんてありません。
今回のように良かった事や悪かったこと、明らかな失敗を経験しなければ成長はできません。そういった意味では今回の旅は大成功でした。
また新たな体験をしたいです。
次はどこに行こうかな?