今回は完走のためヒントのまとめをしてみます。主に練習について書きます。
過去に書いてきたことと表現が若干違うだけで内容は同じですが、まとめということでご理解ください。
今までにも何度か書いてきましたが、練習とは月間走行距離をのばしたり、マラソンの記録をあげることだけではありません。本番のレースで起こりうるすべてについてそのことに対応ができるようにしておくことが練習だと思います。この辺を大半の参加者は理解していないような気がしています。
たとえて言えば、大学入試で英語、数学、国語の三科目あって、配点が英語が150点 数学と国語がそれぞれ100点の場合に、英語が重要だからと言って英語だけを勉強しほかの2科目を勉強しないで試験に臨むようなものだと思います。UTMBでのマラソンの記録や月間走行距離は、たぶん上に書いた大学入試の英語よりも重点は低いと思います。
そのようなことを前提にまとめをしてみます。
1.山を歩く練習を行う
UTMBでは大半の人はほとんど走れません。完走のためにはいかに早歩きを続けるかが大切です。 そのためには疲れを最小限にして歩く技術を学ぶ必要があります。
練習方法はいろいろありますが、一つの練習として自分の体重の30-40%の荷物をもって 一日山を歩くことは非常にいい練習だと思います。、その時に足を置いた場所がUTMBでの足場です。あまりに歩幅が狭くまた稼ぐ高低差が少なくて驚くと思いますがこれがアマチュアランナーの長距離の歩き方です。
体重の30%の荷物を持って歩く場合、無理な足場に立つことはまず不可能です。自然に足の置きやすく、体力、技術的にやさしい場所に足を置くことになります。このことで体力(脚力)の疲れや転倒やスリップによる怪我を回避します。他にも山を歩くことで気が付くことはたくさんあると思います。
2.寝ないで歩く練習を行う
UTMBでは大半のランナーが2晩寝ないで歩き続けます。眠気に襲われると歩くスピードが落ちるだけでなく、意志や判断力が落ち結果的にパフォーマンスが悪くなります。
寝ない練習をすることで眠気に強くなるとは思いませんが、眠気に打ち勝って歩くことには強くなると思います。
3.食べないで歩く練習をする
UTMBではかなりの確率で胃をやられてしまうと思います。この時に食べないで練習した経験のあるなしが大きく響いてくると思います。
一度でも経験したことがあれば、たとえば50㎞なら(人によって距離はちがうと思いますが)食べなくても大丈夫と思い歩き続ける決断ができるでしょうが、経験のない人はかなり心配だと思います。
またジェルですが個人的には使いません。私は胃腸を動かしていなければ体を動かすことはできないとの考えで、そのため運動中は必ず固形物を取ることにしています。
よくジェルをいくつ持っていくかとか、どこで摂取するとかを真剣に考えている人がいますが、私はそんな時間や体力があるならその分走ったほうが効果があるのではないかと思ってしまいます。
このあたりもトレイルランナーはメーカーのコマーシャリズムにおかされているなと感じます。
4.装備が完全でなくても完走できるのだとの考えを持つ
装備は壊れたりなくしたりすることもあります。その時に精神的にダメージを受けたら完走は難しいと思います。装備がない時にその不足をどう補って歩き続けるかも重要です。
私はヘッドライトなしで夜間歩く練習をしていますし、左足は右足より4cm短いため靴は右足に合わせていて左足はぶかぶかですが、何ら支障はありません。
手袋を風で飛ばされてしまったら予備の靴下を手袋代わりにすればいいと思います。
登山の装備の話になってしまいますが、私たちの世代は凍った雪の上でもアイゼンなどめったにはかないものでした。基本的には正しく足を置くことでバランスを崩さないように歩き、非常に滑りやすいところはピッケルで雪を削ってそこに足を置きました。ですから登山中に装備が壊れてもあまり不安は感じません。
山の中で何か装備が壊れたりなくしたりしたので歩けませんでは生きて帰ってくることはできません。 今の若い登山者を見ているとかなりの実力があってもアイゼンなしでは歩けない人が多いように感じます。
すぐれた装備が比較的リーゾナブルな価格で購入できるようになったことで装備に対する安心感や依頼心が根本にあると思います。トレイルランナーは特にこの傾向が強いと思います。
装備は壊れる、故障するとの前提での準備も時には必要です。
5.しっかり走る練習を行う
なんだかんだ言ってもマラソンが速い人はトレランも速い人が多いですし、上りはほぼ走力と比例すると思います。ですからあまりテクニックに頼るのは得策ではないと思います。
まだ3か月近以上本番まであるのですから、しっかり走りましょう。めったに走らない私が言うのもおかしな話ですが絶対にこの練習が一番効果的なはずです。
6.5の結果として10㎞の記録を向上させる。
私は走力とUTMBの関係を次のように考えています。
10㎞の5倍 = フルマラソンのタイム
フルマラソンのタイムの3.2倍-3.5倍 = ハセツネのタイム
ハセツネのタイムの2.5倍 = UTMBのタイム
たとえば10㎞が1時間だとするとフルマラソンが5時間、ハセツネが17時間半で、UTMBは43時間45分です。
ですから、もし8月末までに10㎞のタイムを1分短縮するとUTMBは43分45秒短縮できることになります。完走できるかできないかぎりぎりの鈍足ランナーにはこの43分は非常に大きいです。
そして鈍足ランナーにとってありがたいのは10㎞で1分の短縮はその気になればとても簡単なことです。
今までぎりぎりUTMBを完走したことがあるだけで偉そうかつもっともそうにいろいろ書いてきましたが、実は私自身今年のPTLに向けまったく準備ができていません。
この前5㎞を真剣に走ってタイムを計測したところ2月中旬よりも2分半おそい29分54秒でした。腰の骨の骨折で1か月半練習を休んでいたことや仕事が忙しいことで疲労の蓄積もあったと思いますがそれにしても遅すぎます。
次回からはPTLのための準備で悪戦苦闘する内容を書いてみるつもりです。UTMBの参加者にも当てはまり少しは参考になるかなと思っていますので、それを参考にしていただきながら一緒にこの夏の大きな目標に向かって頑張っていきましょう。
1 コメント
はじめまして
トレイル中に吐き気を起こし何も食べられなくなってしまいエネルギー不足により足が止まってしまいます
お薬を服用したりゼリー状の吸収しやすい物なども試していますが一向に吐き気が治まるのが改善されません
固形物(おにぎり)などを食べ続けるためのアドバイスございましたらお願い致します