書こうか迷ったのですが、
どうしても文章として残したくて。
トレラン仲間ならすでにご存じかと思いますが、稲葉 実さんが
9月14日、鹿島槍ケ岳の八峰キレットにおける滑落事故によりご逝去されました。
稲葉さんとは、僕がトレランをはじめたころに、ハセツネの安全走行会
(略して、安走会)の第4期生の同期として知り合いました。
今から3年前のことです。
いきなり会うなり、名刺を出してきて
『稲葉です。よろしく!』
と、とてもフランクな感じのおじさんでした。
その後、一緒にハセツネへ試走するようになり、
当時、初ハセツネの僕にとってはまさに良き師匠でした。
男兄弟のいなかった僕としては、
今思うと、稲葉さんに兄を重ねていたと思います。
山はたくさん与えてくれるし、奪ってもいく。
今回の出来事で、本当に心からそう思いました。
今はちょっと、、、山のリスク云々等は、正直自分の中で整理できていなくて
ただ、ただ、断片的だけど、稲葉さんと交わした言葉を思い出してみて、
それを記録しておこうと、ふと思いました。
※今回のブログは、他の方向けではなく、
どちらかというと自分自身へ宛てた手紙のようなものです。
あしからず。
– ハセツネ安全走行会 2011 帰りの電車にて –
『なべちゃん、なべちゃんくらいだったらハセツネは12時間はきらないとね。
ハセツネはさ、トレランの基本が全部はいってるよね。やっぱ、ハセツネでしょ。』
– ハセツネ2011 本番 ゴール後 –
『なべちゃん、なべちゃん来ないから
みんな心配してたよ。若ちゃんから話聞いたよ。
救護してたんだって?すげー心配したよ。俺なんてさ、ほら、水切れでリタイアだよ。
だからさ、完走したこと誇りに思えよ。ハセツネ初めてだろ?な?立派だよ。』
– UTMF2012 端足峠途中にて –
※稲葉さんはUTMF、ナミネムはSTYに出場
『おせーよ!なべ!
まったく、チンタラやってぇ。いつまで待たせんだよぉー。
あ、いてて。足の指が終わってるよ。
なべちゃーん、MFやべーわ。眠いし。寒いし。
じゃあな!頑張れよ!』
– 記念すべきSTS第1回目セッション終了後 –
『んでさ、こういう大瀬とかさ、こういうメンツでセッションしたら、みんな刺激うけるし
楽しいと思うんだよね。
だから、チームの垣根とか超えてさ、月に一度くらい集まれるといいよね。』
– STS vs Boomerung 箱根ガイリーン決戦 前 –
※ナミネムは怪我で不参加
『山梨のチームがあってさ、そうそう。壮太のとこ。小山田キャップ知ってる?ブーメランっていうんだわ。そことさ、今度セッションやるから、なべちゃん来なよ。ぜってー楽しいって!』
– 八ヶ岳3P2014終了後 –
『ヒロキに怒られた!でもこれが自分のスタイルだとコツンと言った!』
– Salomon西丹沢試走後 –
『なべちゃんはさ、最初俺より遅かったんだから。おんたけでも俺に途中で抜かれたりしてたんだから。でも、そのあとさ、めちゃめちゃ努力して、いまこんな速くなったんだわ。すげーよな。おれ、だから、そういうとこ尊敬してる。うん。マジで。
でも、、ちんちくりんだけどなw』
– 北アルプス縦走(2013)を振り返って –
※今年の春先、OnEdrop cafeにて
『アルプス去年一緒にいったとき、これはヤバイ!と思った。うわーって。
あれはさ、ちょーキツかったけど、また行きたくなるよね。景色ヤバイもん。
あとさ、ギアとか揃えるのも面白いよね。トレランとはまた違う感じでさ。』
– Tor des Geantsについて –
『小野ちゃんの凄い活躍でTDG に出たくなった!TDG だな!』
来年さ、一緒に行こうって言ってたTor des Geantsにいって、写真撮りましょうよ。
それまで、稲葉さんは上のほうでちと高地トレしててください。
『なべちゃーん、ぺーす早すぎ』
って今度は言わないようにお願いしますよw
それじゃ、また。
とりあえず、明日夕方ごろ伺います。