3回に分けて書いてきたThe Western States 100-Mile Endurance Run クルー参戦記もこれで最終回です。
当日の6/23(土)は3時半に起床し、4:30に会場に到着。僕は最初の登りで選手の写真を撮りたかったので、スタートは見送らずに山を登る。
ジローが通過してから、すぐに、下山してさいちゃんと合流。
先ずは我々担当のRobinson Flat(30mile)に車で移動。
しかし、なかなか来ない。
到着予定時刻から1hくらい?過ぎて到着!
少し熱中症気味とのことでタイムが落ちてるみたい。とにかく、氷をアイスバンダナにいれてエイドを押し出す!
そして、我々は直ぐにペーサーをつけれるForesthill(62mile)のテント設営に。
その後Michigan Bluff(55mile)に移動し、磯さんたちと合流。
Dusty Corners(38mile)では相当落ち込んだとの情報もあり、クルーは固唾を飲んで待ち構える。
クルーは全員でForesthill(62mile)に移動し、ジローを待ち受ける。ジローは完全に調子を戻してやってきた。
ここからは、ペーサーをつけられる。
磯さんがRucky Chucky(78mile)までジローを引っ張ってくれる。
我々はTeam donkey最後のクルーポイントであるRucky Chuckyに移動。
Rucky Chuckyについてから、眠気で少々仮眠。
仮眠から起きてペーシングについて考える。
恐らく更に24h切りからは貯金が出来てるだろう。
でも、どうせなら当初通り22h切り、それに近いタイムを目指せないか?
ジローが来た!
Foresthillから30minの貯金できた。
流石、磯さん!
いよいよ僕のペーシングが始まる。
僕の担当区間はおよそ22mile。
夢にまでみたRucky Chuckyで渡渉を終え、感慨にふけりながらもジローの様子を観察。
思ったよりも登りで走れている。しかし、下りは大腿四頭筋が終わってるらしく、厳しそう。
総合的に勘案して、22h切りは無理にしてもあと30分巻いて、22h台でゴールできるのでは?と考えた。
Green Gate(79mile)は順調に通過。
ただその後の単調なトレイルは固く、下りではジローが遅れ始める。
周りのランナーはペーサーがピッタリ寄り添い、ケアしている。僕はどうしようか?思案しながらも、可能な限りプッシュしてもらおう。そう思った。
なので、場合によっては10メートルくらいは離れてしまったかもしれない。
でも、ジローの性格的にこの方がプッシュしてくると思っていた。
残り10mileを切った。
いよいよ登りも厳しそう。貯金も思ったほど貯まらない。
ナミネム「ジロー、良い感じだね!6年間、今日で全部出そうぜ!!」
ジロー「もう、足が痛いとかどうでもいいよ!絶対やり切る!」
そう言いながら、再度力強くプッシュし続ける彼に、人間の凄さ、彼の長年の想いを感じ、ジーンときた。
No Hands Bridge(96.8mile)にいよいよ着いた。
ここは、アンブレイカブルでトニーがペーサーのジェンを置いていったとこだw
思ったほど、広くないし、電飾もなんか大したことないねw とか冗談を言いながら進む。
もうジローは登りも下りも売り切れていて、気持ちで進んでいる感じ。
23hを切るのは難しくなったけど、24h切りはまず問題ない。
案外大きな登りに苦しみながらも、
Robie Point(98.9mile)に到達!
さいちゃんが待っていてくれた!ゴールから歩いてきてくれた。
街に下りていくと、電飾で飾られた家が美しく、クルーのマサさん、磯さんも出迎えてくれた。
クルー、選手全員で待ちに待ったPlacer High School のグラウンドへ。
最後の様子(を含む纏め)は以下の動画に。
ナミネムの動画:
マサさんの動画:
今回、クルー&ペーサーをして本当に良かったと心から思った。
普段選手をしている時に、自分だったらこうしてほしいとか思っている事を積極的に実践してみたり、また、他のクルーやペーサーからも色々学ぶ事ができた。
やはり、WSは、オーガナイズ・ホスピタリティ・雰囲気など、世界で一番古い100mileに相応しい大会だった。
そんな大会に選手を支える側で参加できたとういうことは、トレイルランナーとして、そして、人間として大きく成長することができたと思うし、なによりも、長年の想いを友が叶えた場所にいれて本当に良かった。
印象に残っていることを一つ。
Devil’s Thumbでシャトルバスに乗る時に、みんな疲れているのに、高齢の方にはみな進んで席を譲っていた。それに、他のクルー同士で足りないものを融通しあったり、なんだか一体感が全員にあった。
僕らもテントを他のグループに提供したり、その逆もあった。
そんなの、日本では当たり前だろ?と思う人もいるかもだけど、本当にそうだろうか?
アメリカの人って個人主義だみたいなこと言われてるけど、少なくとも、僕が出会った人達は本当に素晴らしかった。
こうして、国を超えて、実際に・直接体験することは、SNSだとか簡単に情報が入る現在社会において、アンチテーゼというか、一番忘れてはいけないことだとあらためて思った。
ジロー本当におめでとう!グランドスラムも引き続き頑張れ!
ペーサーとして呼んでくれてありがとう!
さいちゃん、磯さん、マサさん、ローザさん、みほったん、桑原さん、至らないとこもあったかもですが、本当にありがとうございました。
僕が走るときは、是非よろしくお願いしますw