3月以来久しぶりの更新。
この間に、単身赴任が4月で終わりを告げ、
滋賀県野洲市から横浜の家に戻ることになった。
単身赴任前は、一時はトレランをやめようかとさえ思ったけど、裏山の存在や素敵な出会い(シガウマラ)のお陰で、今や前以上のモチベーションが。
そんな野洲生活の終わりに、シガウマラのみんなから気持ち良く送り出していただきました。お別れではなく、関東支部長の派遣という形で(笑)
と、上記のような書き方をしましたが、実は、野洲生活は4月で終わったわけではなく、昨年の10月に実質的に終了していた。というのも、品川にてあるメーカーと弊社が進めるオープンイノベーションプログラムに半年間参加していたためである。これは、そのメーカーの力を借りながら、社内起業していくという、研修でなく本当の業である。そこでは、リーンスタートアップというシリコンバレーのベンチャーなどが良く採用している起業メソッドを利用していた。
その中で、実際に自分達が顧客だと思う人にインタビューを実施して、自分達の起業する内容(仮説)が本当に正しいのか、合っているところはどこで、間違えているところはどこなのか。そもそも考えていた顧客像は正しいのか。
そういう検証を進めていって、時には方向転換し、ビジネスの可能性を高めていくのであるのだが… まあ、知識と実際やるのではだいぶ違う。元々、1年前に半年くらいの研修をしたという経験はあって、自信はある程度あったのだが…
難しいことはさておき、端的にここで一番学んだことは、
“自分がこうあってほしい、こうだろう”
というバイアスを如何に排除して、相手の”ファクト(事実)”を掴むか。
ということ。
そこでは、こちら側の思いを間違っても入れては(誘導しては)いけない。
ここで真実を掴まないとビジネス化にあたり、思わぬ勘違いをして、結局売れないものを作ってしまうからである。
まさに心理学のような側面も含めながら、人の思考や興味というものが如何に示唆に富んでいるのかということを、50人以上に渡るインタビューを通して、まざまざと経験させられた。ただ、対面の時間を重ねていくうちに、あるコツみたいなものがあると分かってきた。
それは、自分の中の判断基準を一回外す、所謂こうあるべきみたいな自分の中のものを一旦はずして、人と接すること。
僕は、”べき論”を捨てるという表現を使っていているが、それは、客観的・メタ認知的に物事を見るのにすごい役に立つ。
あー、これは事実で、これは思いなんだろうなと。
この思考は、仕事以外にも、特にトレランにも十分役に立つと思った。
そして、一度、自分の中の”こうあるべき”みたいなとこをはずして、トレランを見てみたら、なんと自由で楽しいスポーツかと思った。
本当に楽しみ方は人それぞれ。速い人が別に偉いわけでもなく、なんなら、途中で走るのをやめて釣りをやっても良いはずだ。
勝ち負けのないところに価値を置きだすと、本当にこのスポーツは人生において長く続けられる豊かな趣味になると思った。そして、なんといっても人に優しくなれる。変な自分の正義感を押し付ける前に一旦咀嚼できる。そんな風に感じた。
今は、以前と同様に”100mileレースで強烈な達成感を味わいたい、やりきりたい”という軸もあったりするけど、以前とは違うのは、そこではない所にも帰ることができる。そんな風に考えだすと僕は全くの自由だし、やりたいことが本当に沢山あると感じる。
ちなみに、僕の夢は、トレランの走力を生かして、古城や軍道を巡って、途中で釣りをして、野営することだ。
全くの自由だ(笑)