4月28日にオレゴン州ティラムックで行われたティラムック・バーン50キロ(Tillamook Burn 50k)に参加してきました。
レースの名前はかつてこの地域で起きた山火事に由来します。
1933年から1951年の間に起きた計4度の火事は、東京23区の面積の二倍以上となる1400平方メートルの原生林を焼き尽くしました。当初は回復不可能と思われた森ですが、市民や州政府の努力により継続的に植林が行われた結果、現在は美しい森が戻り、よく整備されたトレイルが巡ります。
ティラムックの森はまだ若く、木々の幹はやや細く、苔も深くはありませんが、鮮やかな緑が映えます。まるでオーカス島などの原生林に至る過程を見ているようで、とても趣があります。
日本と比較してアメリカは大規模な山火事が多く、夏にはレースの中止やキャンセルのニュースを度々耳にします。昨年は火災が頻発し、ワシントンとオレゴンの州境のコロンビア川渓谷沿いで起きた火災ではウェスタン・ステイツの出場権を争うレースの開催地が消失してしまいました。被害は甚大で回復に時間がかかることは避けられませんが、自然の回復力と継続的な努力によって、きっと何十年後には、ティラムックの森のように緑の木々が蘇ってくれるでしょう。
さて私のレースのほうですが、結果は惜しくも2位。スタートからかっ飛ばして終盤までレースを引っ張り、最終的にはずっと私の後ろをぴったりとついてくるRobとの一騎打ちになりました。なんとか振り切ろうと上りでペースを上げてみたり、下りでスパートしてみたりと頑張りましたが、結局躱せず最後の登りで抜かれてしまいました。
コース歴代3位のタイムで、走り自体は満足です。ウェスタン・ステイツへ向けてひとまず順調といっていいでしょう。
レース後のビールはポートランドの老舗デシューツ・ブルーイング(Deschutes Brewery)のトワイライト・サマー・エール。軽やかな喉ごしと爽快な味は、走ったあとの喉を潤すにはピッタリでした。