2月初旬にアメリカの”アッパー・レフト”(=北西部)を襲った100年ぶりの大雪の威力はなかなかのもので、例年であれば春のトレイル・シーズンを告げる3月中旬のチャカナット50キロ(Chuckanut 50k)にまで余波が残りました。
レース前に何度か試走に行ったときには、山の上は残雪が多く、池の周りのトレイルは氷が張ってツルッツル。日の当たらない山の北側は足首まで埋もれるほど。コース変更もありうるかなと思っていました。
結局、レース直前の数日の間に降った雨と気温の上昇のお陰でコース変更こそ回避されたものの、それでもレース当日まで雪は残り、レース主催者もマイクロ・スパイクや、DIYのトラクションを勧めるほど。
伝統があり賞金も出るこのレース。例年エリート選手の出場も多く、今年もCCCやラバレドを制しているヘイデン・ホークスなどがスタートラインに立ちました。
レースはマラソンで2時間17分台の記録をもつアンディ・ウォッカー(Andy Wacker)とヘイデンが序盤に競っていたようですが、結局実力に勝るヘイデンが優勝。このコンディションの中で3時間37分台でゴールとは、ちょっとクレイジーです。
Haydenにあんだけ雪が残る中どうやって3時間37分台で走るのか教えてもらうの忘れた。 pic.twitter.com/oiGXCFwGBp
— 藤岡正純 (@masazooomi) March 16, 2019
私は切り返しの多いリッジ・トレイルという尾根伝いの区間と、雪が残るセクションに苦労しながらも、今年もマスター優勝。地元のアーティストが作成したビア・マグと、クリッシーのサインが入った小切手をゲットしました。
走れる場所ではまだまだ若い人にもそう遅れを取っていないと思うのですが、反射神経が要求されるセクションでは、年齢を重ねるごとに視力が衰えることもあって動きが遅れ、少し分が悪い。私が最近主なターゲットとしている100マイルで楽に走るためにも、こうした短めの距離を上手く速く走る力をなんとか維持していきたいと思った次第です。
50キロから50マイル(80キロ)のレースは世界的に見てもアメリカのレベルは高く、ITRAのミディアム・ディスタンスの男子上位6名のうち、ジム・ウォルムズレー、ティム・フレリクス、ザック・ミラー、ダコタ・ジョーンズの4名がアメリカ人です[2019年4月7日現在]。
ぜひ日本のスピード自慢の方々に、チャカナット50キロの他、カリフォルニアで行われるレイクソノマ50マイルや、ノースフェイス・エンデュランスチャレンジ・チャンピオンシップ50マイルなど、アメリカのハイレベルな高速レースを体感してもらいたい。そして願わくば同じレベルで戦っている姿を見てみたいというのが、このブログを書いている一人のおじさんの願いでございます。