他のブロガーの方の真似をしてトレランとの出会いをお話ししたいと思います。
ロードで3時間30分位のランナーだった私は、更に速くなるべく小出監督や金哲彦さんの本を読んでいました。そこに「クロスカントリー」が良いとあったのでネットで調べてみるとほぼ同義語で「トレイルラン」というものがあり、鎌倉でOSJというクラブがセミナーをやっていることを知りポチりました。フル4時間位の走力でOKということで中級コースです。
集団で走ること自体初めてなので緊張MAXで現地に向かいまずは自己紹介。「おととい100km走りました」とか「UTなんとか目指してます」とか「信越が….」とかよくわからないベテランぽい発言&単語多くて萎縮。プロレスラーようなガタイの金髪の坊主頭の参加者までいる。ビビって帰りたくなるが、講師の鏑木さんが「今日はクラブハウスの社長も突如参加です」と紹介した方が「ついていけるよう頑張ります!」なんておどけてるので「お、運動不足の社長がファンランか。ビリじゃないな。」と安心してスタート。
10分後この決断を後悔することになる。トレイル以前のロードでとんでもな上り坂と遭遇する。目を疑う…が前日に読んだ鏑木さんの本に「上りはモモを手で押しながら歩く」とあったのを思い出し実践開始。で、断トツに遅れる。誰もが禁断のつま先走りで駆け上がっている。金髪の坊主頭の人めちゃくちゃ速い!静岡から来たと言ってた母親ぐらいの女性も速い!そして社長速い!!!
絶対にビリだ。ビリどころか完全に迷惑野郎になること間違いない。用事を思い出して帰ろうと思いつくが言い出せない。
ここから決死の闘いが始まった。ロードと違い油断するとこけるどころか滑落しそうになる。とにかく集中!生きて帰るんだ!
鏑木さんは周りの人と仲良くなどと言ってたがそんな余裕はない。何だか前の方で元気な関西弁が聞こえるが気にしてる場合ではない。鏑木さんが時々アドバイスをしてくれるがもはやトレランに興味などないので聞こえない。
「トイレ大丈夫ですよね。このコンビニは飛ばしま〜す」
に絶望し、
「ここからは下りです」
の直後の上りに怒りを覚え、
「16時の予定でしたが17時頃にゴールです」
に挙手をして抗議しそうになる。
コンビニ休憩で仲良くなった鎌倉の珈琲屋さんも辛そうで一緒に頑張っていたのですがちょっと目を離した隙にリタイヤ。社長とともに帰還。練習に来た彼に「練習不足ですね」と言い放つ鏑木さんに怯えつつ、完全に最後尾になった私は半泣きでついていく。結局リタイヤを言い出せないまま完走した。
あまりの辛さに充実感より放心状態。運悪くクラブハウスは停電でシャワーもなし。足を引きずりつつ「こんな恐ろしいスポーツがなんの規制もなく参加者を募集してるなんておかしい」と文部科学省を恨みつつ一人ひっそりと帰路につきました。
こんな悲惨で衝撃的な初トレランでしたが、鏑木さんの「今日は強くなってもらえる面白味がない辛いコースだった。」という締めのお言葉に騙されて、翌月も参加してしまう。
で、翌月も「ブラジリアン柔術やってます」という傭兵にしか見えない人&足袋みたいな靴履いている人のコンビやスポーツマンらしからぬゆるふわヘアーの男性など爽やかな皇居周辺には全く見られない快速ランナーに囲まれて全く同じコースで死ぬ思いをする。
鏑木さんのセミナーは毎回同じ辛さで、同じセリフで締めくくっていることに気づくのはもう少し後でした….
なぜセミナーに参加し続けたのか記憶が定かではない。しかも人見知りな僕は、この後1年近く鏑木さんと実はスーパーランナーだった社長の滝川さん、クラブハウス店長の瀧池さんとしか会話をしないボッチランナーだった。
山が好きかと言われると?気持ちいいかと言われると??でも何となく山に行っちゃう。今ではレースもポチっといっちゃう。
分析出来ない「衝撃」 そして僕を引きつけてやまない「衝撃」あまり考えてもしょうがないんで考えませんが、明日も50マイル走りにいきます。なぜ走るのか?や走る楽しみは何か?については、UTMBの優勝インタビューまでにまとめておこうと思います。
では。明日から本気出します。
1人ぼっちで参加した初レース。富士登山競走5合目コースゴールの眺め。