11月23日、マラソンシーズンインの初戦、第31回大田原マラソンを走ってきた。
このマラソンは栃木県北の大田原市で行われる制限時間4時間の競技性の高いレース。ガチなランナーが集うガチなレース。仮装禁止のため仮装ランナーは一人もいない。ゼネラル給水は水とスポーツドリンクだけ、給食はないというストイックさ。
制限時間が4時間とキツイだけでなくコースもキツイ。前半は下り、後半は上りのすり鉢状のコース。加えて、この時期特有の季節風、那須おろしが吹く。当日正午には北西から風速7.7m/sの風が吹いた。前半は追い風だが後半は向い風となって、那須おろしが行く手を阻む。
今回、自分に課したチャレンジは、前週のレースから中5日で大田原マラソンを攻略すること。前週の17日にFunTrails50Kを走ったばかり。疲労を残したままで何処まで走れるのか?自分に課したチャレンジをクリアできるのか?
前週のレース以降は、レストと栄養価の高い食事に努めた。3日後には疲労が抜けた感があったが、脚の深部に残る筋肉の痛み。疲労は抜けていない。刺激入れのスピード練は中止。アクティブレストのためのJOGのみ。6日間掛けても疲労は完全には抜けなかった。年々、疲労が抜けにくくなってきた。忍び寄る加齢って奴。加齢は誰にも平等に訪れることとして受け入れるしかない。
当初の設定ペースはキロ5分。上出来ならサブ330。調子が悪ければサブ4での完走に下方修正するつもりだった。
午前10時、美原公園陸上競技場のBブロックの後方からスタート。スタートゲートまで33秒と昨年とほぼ変わらず。
やはり疲労が抜けていないため脚が重い。キロ5分5秒で押していくことにする。前半は下り基調にさらに追い風。自然とペースアップしてしまうところを抑えていく。行きは良い良い帰りは怖いのが大田原マラソン。前半突っ込んで後半撃沈した昨年の失敗の轍は二度と踏みたくない。
5km 通過タイム 26分13秒
10km 通過タイム 50分59秒
突然、尿意をもよおした。トイレに行きたい。一度意識してしまうと我慢できなくなってくる。スタート直前にトイレに行ったのに。12.7km地点で仮設トイレにピットイン。3基の仮設トイレに4名の並び。早くしてと心の叫び。約2分30秒の遅れでコースイン。フルマラソン歴9戦目にして初めてのレース中のトイレ経験。コースイン後、キロ4分45秒でトイレ休憩の遅れを挽回する。
15km 通過タイム1時間18分15秒
追い風を背に下り基調のコースで少しだけペースアップ。遅れを挽回できたようだ。
20km 通過タイム1時間42分17秒
中間 通過タイム1時間47分37秒
中間通過タイムからFINISHタイムを3時間40分台前半と読んだ。昨年同レースの記録更新が射程に入った。23.7km地点のJAなすの湯津上ライスセンターの交差点から上りに切り替わる。下りから上りに切り替わったことに走りのリズムが噛み合わない。下りと上りで使う筋肉の違いなのか、急に脚が辛くなる。さらに那須おろしが向い風となり吹き付ける。明らかにペースがガクッと落ちる。
25km 通過タイム 2時間7分15秒
30km 通過タイム 2時間33分30秒
昨年はズルズルと30km過ぎからペースダウンしてしまった。1kmが長く感じられて精神的にも肉体的にも苦しい。息が苦しい。歩き出すランナーも出始めた。ゾンビ化するランナー。昨年は私もそのゾンビの一人だった。一人ひとりランナーをパスすることに集中する。昨年ボロボロになった上りを今回はなんとか走れている。マラソンはメンタルのスポーツだ。ちょっとしたことだけど、昨年よりも自分は走れているというポジティブな思考は前に向かうエネルギーになる。キロ5分15秒程度で粘る。道の駅前で太鼓が打ち鳴らされ鼓舞される。沿道で応援している学生たちの手にタッチする。本当にありがとうございます。あたたかい応援が強い後押しになった。
35km 通過タイム2時間59分29秒
あと5kmの表示。カウントダウンが始まる。市街地に戻り、応援者が増えてくる。応援の声に元気が湧いてくる。あと4km。僅か4km。いつも練習している駒澤公園のランニングコースを2周するだけの距離だ。もう直ぐに終われる。あと3km。マジで辛い。辛過ぎる。泣きたい。
40km 通過タイム 3時間25分32秒
あと2km、1km。陸上競技場に戻ってきた。あとトラックを3/4周するだけで終わる。最後の力を振り絞った。
FINISHタイム 3時間36分39秒。
中5日で、トレイル52kmとフルマラソンをサブ4で完走できた。それも昨年の同レースの自己記録を5分15秒上回った。やり切った感はあった。代償はフィニッシュ後に足が攣って悶絶したこと。こうして、私のチャレンジは無事完遂できた。
大田原マラソンは私の出身校がある故郷の名物大会だ。制限時間とコースは厳しく、那須おろしも相変わらず手強いけど、だからこそチャレンジしがいがある。関係者の方々、今回も素晴らしい大会運営を誠にありがとうございました。沿道のあたたかい声援も励みになりました。ありがとうございました。また、故郷に帰ってきます。