先週末は蚊取り線香塾第三講、ボッカ縦走@奥多摩。
もちろん言い出しっぺは蚊取り線香塾長(以下塾長)。
【歩荷(ボッカ)とは?】
山のように起伏があるような場所での行動は体力的にも肉体的にも平常よりも負担が大きくなる。歩荷とは「人間が背中に荷物を背負って徒歩で運搬すること」を起源として、重い荷物をザック(通常山岳会のボッカでは30kg前後)に詰めて、重量・心肺機能を鍛え、重い荷物を背負っても体のバランスが取れるようにするための山岳トレーニング。登山部や山岳会では、山での体力や技術の取得・確認する方法として、夏山登山のハイシーズンを迎える6月に伝統的に行われている。
ということで、6月はボッカなのだそうだ。
ではボッカの何がトレイルランに役立つの?といえば、重さがあるので足の置き方や体幹の使い方でなるべく疲労度を減らす。それがロングトレイルでは活きてくるとのこと。なるほど。
ルートは奥多摩駅から鋸山→大岳山→馬頭刈尾根→瀬音の湯という縦走路。天候もよく、ハイカーさん達も多い。
推奨される重さが10〜15kだったので、前日に家でザックにいろいろ詰めて調整した。通常トレイルランでは「いかに荷物を減らすか」を考えるが、今回は「いかに重くするか」。結局ペットボトルの水10Lにジェットボイルや食料などで15k+αくらい。汗っかきのぼくは飲み水で悩まなくて済むので安心w
今回は日程的にレースが重なったり、内容的に少々マニアックだからかw リピーターを中心に少数精鋭だった。逆にいえば、参加者のみなさんはきちんと目的を持って参加されていた印象。中にはUTMFを完走された方も。
なにしろ重い。たしかに足の置き方や歩幅など注意しないとバランスを崩してしまう。特に手を使わないと登れないような岩場では苦労した。
大岳山頂上で食事休憩。各自用意をお願いしていたが、塾長がレトルトのカレーを自家製乾燥米(本人曰く失敗作w)を持ってきてくれた。言ってみれば温めるだけなのだが、なんとも美味しい。
途中、丹沢を望む。塾長がどれが何の山か教えてくれる(しかし、すぐに忘れるぼく)。
今回はMMAトレッキングスタイル。上はCOOL MAXのPanel Teeで、下はいつものDenim Run Pants。本当は7pocket Run Pantsがよかったのだが、工場に貸し出していて手元になかった。。。
無事に瀬音の湯に到着。距離約17k、累積標高1500mD+程度だったが、ハンパなく疲れた。。。最後の馬頭刈尾根の下りでは膝は痛いわ、意識は朦朧としてくるわ、脚の疲労度もかなり高かった。重い荷物を背負って行動することで、軽さの大切さを実感。
ご参加いただいたHさんはもともとランナーからトレイルランを始め、今年UTMFを完走し、次は北アルプスを縦走したいので、山での歩き方を学びに来たとおっしゃっていた。
奇しくも当日は某人気レースのエントリー日だったが、クリック戦争に勝ち残れないと出られないレースに喜びを見いだすのではなく(否定はしませんよ)、自らの価値観で山の楽しみ方を広げている。素晴らしいと思った。
考えてみれば、足を止めて景色を楽しむ、みんなで山頂で食事をする、本来山が与えてくれる喜びをトレイルランというフィルターをかけることで忘れてしまう時があるのではないだろうか。競技として取り組む、人気レースを完走する、それも楽しみ方のひとつではあるけれど、せっかくトレイルランで山と出会ったのだから、もっともっと山の持つ奥深い魅力を味わいたい。
元アルピニストの塾長はそんなぼくらに山の楽しみ方を教えてくれる。まだまだ引き出しは多そうだ。
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!楽しかったです!