OCCは木曜日開催。メインレースのUTMBやCCCは金曜日から日曜日にかけてなので、OCC参加者はレースが終われば観光や応援を充分に楽しめる。そんなChamonix滞在もオススメ。
レース翌日は蚊取り線香塾のイベント「アヌシー湖 Annecy ツアー」へ。ヨーロッパ一の透明度を誇る湖で、Chamonixから車で小一時間移動する。車の中から見る景色も新鮮。
豪華ランチ付きの観覧船に乗ったり、マルシェで買い物をしたり、フランスのヴェニスとも呼ばれる古い街並みを満喫。
夜にUTMBのスタートがあるので、夕方までにChamonixに戻る。宿でひとやすみしてから、UTMBスタートの応援へ。スタートを待つ街中の盛り上がりは本当に鳥肌が立つほど。
スタート地点近くは場所がなさそうだったので、街外れのトレイルの取り付きまで移動。ここは29日にグループランで来たところだ。道の脇にはずっと応援する人たちが続いている。
19時30分、UTMBスタート。ぼくが応援する場所はスタート地点から3-4kあるので、少し経ってからトップグループが通過。今年のUTMBはキリアンが6年ぶりに復活するのが話題になっていた。その間に優勝したフランソワ・デンヌやグザビエ・テベナールも出場。さらにアメリカからはジム・ウォルムズレーやザック・ミラーなど、最強決定戦の名に相応しいランナーが揃った。
デンヌを先頭にトップ集団が通過。ハンパない速さ!その後も続々とランナーが走っていく。寒いコンディションの中で、これから夜になっていく。170kの旅に挑む勇気ある挑戦に、心から声援を送る。トップランナーも市民ランナーもいい表情をしている。
街に戻り、夜はナオキックスとさつきでこじんまりと祝勝会。かんぱーい!(お酒飲まないけど)
9月2日は宿でのんびり休みつつ、WEBでUTMBの状況を追う。UTMBのすごいところは、参加するランナーだけではなく、応援する側へのサポートも充実していること。WEBからは参加ランナーがどこにいるかすぐにわかり、実況中継も流れている。各エイドからはライブ映像も。サポートする方のために、各エイドを周回するオフィシャルバスもある。なんというインフラの充実ぶり!
こんなトレイルレース、他に知らない。距離やコースだけではなく、こうしたインフラやエンターテイメント性も含めて、UTMBが世界最高峰と呼ばれる所以だと思っている。
夕方にトップがChamonixに戻ってくるので、再びフィニッシュゲート近くへ。中盤からトップはデンヌ、キリアンが追う展開が続いていた。
大声援を受けて、デンヌがChamonixに帰ってきた。その15分後にキリアン。デンヌに劣らない大声援。キリアンはChamonixに集まった人たちに愛されていることを実感する。キリアンはこのカテゴリーを盛り上げてきたリビングレジェンド。特別な存在であり、そのキリアンと真っ向勝負をしたデンヌもこれから多くの伝説を作っていくに違いない。
170kの距離を走って、15分差。デンヌとキリアンは期待を上回る名勝負を見せてくれた。山を走る。そんなシンプルなアクティビティがこんなにも心を震わせるなんて。この熱、この感動。トレイルランニングに関わる限り、ここから発信される情報や熱意をキャッチし続けないといけないとあらためて思った。
翌日、Chamonixからジュネーブ空港へ。次はロンドンへ移動。
来る前は不安だらけ。でも終わってみれば楽しいChamnix滞在だった。先に書いたように、今回で最後にするつもりだったけど、多分また来るんだろうな。
こんな喜びや楽しさに出会えさせてくれたトレイルランニングに、あらためて感謝。
(終わり)