昨年参加したTrans Jeju 56に、今年も行くことにした。
韓国済州島で開催されるトレイルランニングレース、Trans Jeju。基本的に同じレースに連続で出ることはあまりないのだが(※)、Trans Jejuは昨年からコースががらっと変更。言ってみれば別レースに生まれ変わったのだ。
(※)トレイルは場所ごとに違う景色を見ることが出来るので、なるべくなら様々な場所のトレイルレースに参加したい。人生、出られるレースの数は限りがある。
昨年56kだったハーフレースは、距離が若干減って50kに。それに伴ってか、制限時間も2時間短くなり、15時間から13時間に変更となっていた。累積高低は2400mとさほど変わりはなかった。
Jeju World Cup Studium前の広場がスタート&フィニッシュで、レースのスタートは土曜日の朝6時。珍しいのは112kと50kが同時にスタートする。参加者は韓国人が中心のようだが、今年は30か国から!全体的に若い層が目立つ。
スタートから山の取り付きまでは、ロードの登り。序盤ということもあり、ここはしっかりと走っていく。新コースの特徴は、なにしろ走れるコース。
最初の山というか、丘を一超えして、済州島最高峰のハルラ山へ向かう。このあたりまではコース後半に往路となるので、なんとなくあたまの中に入れておく。
山に入りU字講のあるトレイルをひたすら登る区間があり、これがなかなか堪えた。標高800mくらい上げるのだが、視界もなく、景色も変わらず。ここは我慢の時間帯。
我慢して登っていくと、一気に眺望が開ける。整備された木道なので幅も広いが、観光客も少なくないので、気を使いながら進んでいく。たまに観光客が声援を贈ってくれるのがうれしい。「Thank you!」と応える。
ハルラ山のピーク前に、50kと112kの分岐に到着した。距離にして25k、ちょうど中間地点だ。昨年は50kもハルラ山のピークを通ったが、新コースは通らないらしく、ここからは下りである。
木道で整備されたトレイルは走りやすく、山と海を眺めながら走るこのエリアは最高に気持ちよかった。まさに天国。
しかし、途中から済州島名物(?)のガレトレイルとなる。火山岩から成るトレイルは、ボコボコボコボコとエンドレス、、、ぼくレベルだと走り続けるのが難しい。気を抜くと足元がガクっと。何度足を捻ったことか、、、ガレ地獄。
天国と地獄が同居するTrans Jeju。高低図からはわからないトレイルランニングレースならではの難しさは昨年も味わったが、今年も同様だった。
ひたすら続くガレに苦戦しながらも、なんとかガレエリアを脱出。この先は行きに通った道を戻るので、なんとなく雰囲気はわかる。
いつもは「時間内に完走でOK、余力を残して終わりたい」という主義なのだが、この日は理由があって可能な限り飛ばした。
最後の丘、つまり最初に登った丘で脚が終わり、攣り始める。ただ残りは5kをきっているので、最後の力を振り絞る。昨年のコースも最後に丘があり、夜景が綺麗だったことを思い出す。今年は明るい時間帯に戻ってくることができた。眼下にJeju World Cup Studiumが見えてきた。
スタートから11時間と少し。今回も無事に制限時間内にフィニッシュ。Jeju World Cup Studiumでは、先にフィニッシュしたランナーやスタッフが声援を贈ってくれた。カムサハムニダ。
50kはコース変更で走りやすさと楽しさは増し、レースとしての完成度が高まったように思える。土管や謎の森がなくなったのは少し残念だけど、、、ただ112kは終盤にガレ地獄が待っているのでメンタルが問われそう。
エイドではカップラーメンはなくなってしまったが、必要十分な補給が揃っていたし、スタッフの方が笑顔で声をかけてくれていた。何人かロストしていてマーキング不足もいう話もあるようだが、ぼくは以前海外トレイルでロストしてから、分岐ではより一層注意するようにしている。そういう視点で見れば、マーキングはしっかりしていた印象だった。
まさかの二年連続参戦のTrans Jeju。昨年に続き、今年も楽しい時間を過ごすことができました。レーススタッフ、関係者のみなさま、ありがとうございました。
さて、同日、史上最強の台風が日本を襲っていた。ぼくの住まいは川沿いなので状況が気になり、早くフィニッシュしたかった次第。幸い、我が家は大きなトラブルはなかったのだが、日本全体では大きな被害を被ることになった。被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
地球温暖化によって自然災害が増えていることは素人のぼくでも感じることができる。こうして自然の中で遊ぶことができるのも、地球が健全であってこそ。日々、ひとりひとりができることをやっていこう。