みなさんご存じトレイルランニング/ランニングショップ Run boys! Run girls!のブログに投稿された、RBRGカナダ支局のケロちゃんの新しい記事が興味深かったのでそれについて。ケロちゃんのブログはいつもすごく面白いので読んだことなければぜひ遡ってみてください。
さて、今回はこんな内容。
山やぎはゆで卵を走って温める Tip of the iceberg News Paper #11
http://rb-rg.jp/?p=3456
要約して紹介すると彼女の言葉や考え方から逸れてしまいそう&読んだ人も結構いると思うのでリンクそのまま紹介。周りの仲間が次々にシェアしていて、記事の「Like!」もたくさんついていて、「共感した!」「最高!」「考えさせられた」「そのとおり!」と反響が大きいみたい。
わたしは、 ひとことに共感という言葉で表せない=こういうマインドでいたいと思いつつわりと逆行しているから耳がいたい というのが率直な感想。そして、それを経験と共に本当に実行していることとか、こうやって文字にして伝える勇気、そしてそれを載せるお店もまた素敵だと思ったのでシェアしてみました。わたしも、正直ぜんぶはむずかしいけど、少しでもそういう部分を持っていたいという思いに偽りはない。
また、ケロちゃんのこの話と、最近ATやPCTなんかのことを調べたり、例の映画から情報も増えて目にしていたアメリカのロングトレイル経験者の話にもまた、なんだか共通することがあるように感じている。
TRAILSのこの記事、
Pacific Crest Trail #03/14人のPCTハイカー
それと、友人の友人で、もうすぐ友人になりそうな、つい最近PCTを踏破したこの方のブログなど。
いわしっく トレイル 〜 Pacific Crest Trail
読んでいるとロングトレイルに挑戦するきっかけは様々で、ハイカーでもトレイルランナーでも山屋でもない人も多く、そもそもアメリカではそういう分類がほとんど関係なさそうで、みんないい意味で自由で(格好も、パッキングも、寝方も、良く言えば型にハマっていない、えらく拍子抜けする写真もよく見る。そういえばシャモニーの山でもそうだった)、自分に責任を持っているけれど、まわりとゆるく繋がっていて助け合っていて、そういった環境をもとになりたっているのが面白いし、いまの日本のいろいろに重ねあわせて考えると、何が一体違っているのだろうなんてことも思う。決してどちらが良くてどちらが悪いという意味ではなく。
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さて、ケロちゃんのブログにも出てくる「フリーボックス」と「消費」の話。
ロングトレイルの話の中でも日本との違いとして印象的なのが、トレイルエンジェル、トレイルマジック、ハイカーボックス。うーん、説明は超敏腕ライターの根津さんが書いている超読みやすいTRAILSの記事に任せよう(笑)(Pacific Crest Trail #01/PCTを歩くということ) 要は、ボランティアでトレイル周辺の人が、もしくはハイカー同志が、ハイカーを支える環境があるらしい。
そういえば、昨日から家の片付けをしながら思ったのだけど、日本にもハイカーやトレイルランナーが集まる各所に、ハイカーボックス的なフリーボックスが欲しい。上でBlogを紹介した友人の友人がPCTから帰ってきてそのまま信越トレイルを歩きたいんだけどシューズがない、だけどアウトドアショップに行く時間がないと言っていて、一方で友人がトレランギアを手放そうかなとfacebookに投稿していた。手放そうと投稿していたものはきっとまだ使えると「一般的に感じる」キレイなものだけだと思うんだけど、ハイカーの彼にとってはそんな新品のようでなくてボロくても多少の穴が開いてるものでも問題なく履けるものならきっとタダで引き取りたい!と思ったに違いないない。(私の勝手な想像)
片付け中、もう今のわたしには不要だと思うものを前にして、どうしようかと考えたけれど、それをヤフオクで売るのもなんか違う。ネットのオークションじゃよっぽど“世間一般的な価値”があるものでないと、そもそも手間ばかりかかってたいして値がつかないこともしばしば。でもだからと言ってただただ焼却してダイオキシンや二酸化炭素を発生させる“燃やすゴミ”としてゴミ袋に入れるのもまたなんだか複雑な気持ち。
たまに大量に古着屋さんやリサイクルショップに持ち込むけれど、少なからず何か思い入れのある洋服達が重量単位や激安の値付けをされることになんとなく悲しい気持ちになる。いや、きっと、誰か同じようにこれが素敵だと思ってくれる人の手に渡ってまた活躍してくれるだろうと思うしかない。
わたしは海外でフリーボックスを実体験していないから実情はわからないものの、もし日本にあれば、迷わず入れにいきたいものがあれこれある。試しに『日本 ハイカーボックス』でgoogle検索してみたら、それらしきものは出てこなかった。唯一、信越トレイルで関田峠にハイカー用に無料の水が置いてあるというブログを見つけた。あとはたまに大型家電やソファなんかが粗大ゴミシールなししマンション前に置いてあることがある。最近、近所で『ご自由にお持ちください』と張り紙のしてあるベッドの“一部”らしき巨大な木板が2枚置いてあったことがある。いやこれは誰もいらんでしょうと笑ったけど、翌朝にはなくなっていた。価値ってわからないもんだ。
だからこそ、コミュニティや信念、スタイルをもって顧客との関係を大事にしていると感じる、わたしの大好きなトレラン・アウトドアショップやスペース、何か関連したイベントでもいいかもしれない。そんな場所にハイカーボックスあったらなぁ、なんて思ったり。もしかして全国でそんな動きがあったなら、そのうちあっちにあったものが、誰かが使ってそのまま旅先で次のところに入れるなんていう循環があるかもしれない。そういうところに来る人の手に届くなら、ヤフオクで1000円で売るよりもタダでもそこに入れる方がずっと価値がある。ものを買う場所として人が集うだけでなく、「経験」や「知識」やその他お金で変えることのできない何かがたくさん集まるコミュニティスペースだったら素敵だな。
いやいやとはいえ商売、ショップとなると途端にそう簡単なことではないのも重々承知。自分がやると考えただけでも、じゃあ洗濯していないものはどうなんだとか、安全性はどうなんだとか、几帳面な日本人の「ルール」や「注意書き」を想像しただけでちょっと気が遠くなる。言うのはタダ、自分でやってみろと言われそうだ(笑)すみません!う~ん、簡単なはずなのだけど、むずかしいなぁ。なにかいい方法はないものか。
関係ないけど、結構アインシュタインが好きなわたしは、ケロちゃんのブログからこの言葉を思い出した。当たり前に消費していく毎日。昨日は何回財布を口を開けたかな。何回ゴミ箱にものを入れたかな。よし、とりあえず、その前にちょっと手を止めて考えることから始めてみよう。
Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.
- Albert Einstein (アインシュタイン) -
過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。
photo:水切れに苦しんだ高島の単独スルーハイク。ハイカーボックス的なものを夢見つつ、ボックスどころかほぼ人に会うこともなく、オタマジャクシの泳ぐ水たまりの水をてぬぐいで濾してから浄水して飲んだ。(そしてこの時絶賛道迷い中)