さて。
そろそろ。UPしないとね(笑)
今年歩いたもうひとつのロングトレイル
ピレネーピレネー言うてますが、今年はピレネー山脈縦走の裏で、別のロングトレイルもひとつ踏破しました。今年開通したばかりの「ぐんま県境稜線トレイル」です。マニアックな人なら開通を心待ちにしていたことでしょう。(え?整備されずに薮漕ぎの方がよかったって?)
まだほとんど歩かれていないトレイル、まだ情報が少なくて歩く前の準備が大変すぎるトレイル、大好物です。わたしが行っちゃおうじゃないですか。わたしの好きなWEBコンテンツにデイリーポータルZの「ちょっと見てきて」と言うのがあるのですが(惜しまれながらも終了)、そんな感じでマトモに歩けるのかちょっと行ってみてよ!なんて言うのも面白いな〜なんて。岩や沢は登れないですけどね・・・。
◆ぐんま県境稜線トレイルの様子はAkimamaで連載(序章〜第三章まであります)
【連載】日本のロングトレイルを歩く vol.12 ぐんま県境稜線トレイル踏破録:序章「ハシからハシまで行ってみよう!
どうやら結構周りの人たちはロングトレイルに興味があるらしい
そんなの、今に始まったことではなく数年も前からじわじわと“キテる”のかもしれませんが、わたしに限った話で言うと、これまでの色んな情報発信のなかでも、以前はトレイルランの100km前後のレポートに喜んでもらえることが多かったのですが、最近は「ロングトレイル」についてのネタにとても反応が良いんです。ファストパッキングではありません、ロングトレイルです。わたしに軽さや速さは求められていないんでしょうね(笑)トレイルランナーからは「縦走やってみたい」と言われ、ハイカーからは「日帰りばかりだけど長い距離も歩いてみたい」と言われ、どちらにも需要があるんだなぁと感じています。トレッキング・トレイルランニングを取り巻く業界のなかでは、小さなコミュニティだけの話かもしれないけれど、ライターとしてのわたしの仕事や個人的な挑戦に興味を持って、話を聞いてくれたり、記事を読んでくれる人の多くがそんな傾向にあります。
じゃあ、今わたしにできる次の面白い挑戦ってなんだろう。
ピレネーやトルデジアンの話は“ヒキ”が強いことは確かなんですが、「自分には無理」と思われていたらそれはわたしが伝えたいこととはちょっと違うんです。わたしは冒険家タイプではないし偉業を成し遂げたい訳でもない。すごいことを語りたい訳でもないし、わたしの挑戦を通して勇気を与えるようなそんな立派な話でもありません。
「あの人にできるなら、ぼく・わたしにもできるかも」
と言われるのが案外嬉しいんです。いろんな人達が、美しい景色をみて感動したり、胸が熱くなるような経験をしたりする、そのひとつのきっかけになるような情報発信になったらいいなぁというのがわたしの目的です。あくまで同じような目線で得た情報を発信したいんです。できるだけ近い存在に感じてもらえるように、装備も全部公開するし、レース中の超ブスな写真もUPするし(笑)、メーカーさんのサポートをお願いしに行くこともあるけれど、いいと思うものしか使わないようにしています。
でも、ひとつ欠けていることに気付いたんです。
「そんな風に長い休みが取れたらなぁ」
「そんな風にトレランで身につけた持久力があればなぁ」
なるほどなるほど。わたしは、フリーランスという特権で、ドカンと1週間とか1ヶ月とかかけてトレイルを歩いています。ぐんま県境も平日を使って歩きました。でも、それって自分もやってみたいと思ったところで会社員にとっては容易ではなかったんです。あれ?「きっかけ」になってほしいと思っていたのに、それじゃあ全然ダメだ。
みんなと同じ条件で900kmのロングトレイルを歩くという新たな挑戦
その舞台を国内最長距離となるロングトレイル『みちのく潮風トレイル』に決めました。総距離は900kmです。当初700kmだったんですが、伸びたみたいです。200kmプラスって、ちょっと伸びちゃった!距離じゃないですよね(笑)。みちのく潮風トレイルは、ここ数年歩いてみたいと思いながらも、歩くなら一気にスルーハイクしちゃうんだっ!と思って全く足を踏み入れずにいました。山岳というよりも麓の町と山を繋いで行くルートなので、夏の間はどうしても標高の高いところに行きがちだったという理由もあります。町や村の歴史・文化に詳しい人たちとの差別化が必要(わたしのフィールドじゃないかも?)なんて思っていた部分もあります。
でも、ピレネー 山脈縦走をしている時に出会ったハイカー達は、同じく900kmほどあるトレイルを何年も何年もかけて歩いていると言っていたんです。今年は3年目、去年は歩いたところからスタートして、今年はここまで。なんていう風に。独身時代に歩き始めて、今年は妻と一緒という人もいたし、いつか子供と一緒に歩きたいと言っている人もいた。自分の環境が変わって行くなかでも、人生のひとつの長い挑戦としてトレイルを繋いで行くという山歩きの楽しみ方にすごく感銘を受けました。
そしてそれを日本に重ね合わせた時にすぐに思いついたのが『みちのく潮風トレイル』です。900kmというとてつもない距離を、例えば土日や連休だけを使って歩こうとするとどのくらいかかるんだろうか?ピレネー に比べればずっと交通の便が良いので、多くの人がチャレンジしやすいんじゃないだろうか。
だから、こんな風に条件を決めることにしました。
・基本的には土日祝、あるいはそれにくっつけて1日だけ有休を取るイメージで
・公共交通機関やレンタカーなど現実的なアクセスを使う
・宿泊は、ストイックなシェルター泊などはせず、旅館・ホテル・ゲストハウス・コテージで快適に。
・泊まる場所まで電車やタクシーを使ってもOK、また翌日同じところから歩けばいい
・温泉や銭湯やサウナなどで汗を流したり休足をする
・美味しいものがあれば立ち寄って食事処で食べ、買い食いもしながら歩く
・夜は街で飲んだりもしたい
・せっかくならば観光地にも行けるスケジュールを組む
・歩くスピードはコースタイムくらいで、休憩や写真撮影もたっぷりと
・普通の人が歩けないような時期は除く
この条件で、みちのく潮風トレイルを歩いてみることにしました。
900km。何年もかかるかな?それでもいい。そのくらいかかるっていう参考にもなっていい。
みちのく潮風トレイルは、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸海岸をつなぐ道。急いで歩く(走る)のではなく、じっくりと、時の流れと自分の環境や心境の変化を重ね合わせながら、歩いてみようかなと。町を知り、暮らしを知り、山も文化も知り、自分なりの手段と言葉で伝えていくことが自分にとっての何かに繋がるといいな。今度は「距離」というよりも「期間」が長い挑戦になりそうです。ぜひ、今後の発信をウォッチしてもらえると嬉しいです。
最後に、とっても素敵だと思った公式サイトの文言を紹介します。
東北の新しい道がひらけました。名前は、「みちのく潮風トレイル」と言います。
とてもとても長い道で、森と海のどちらの恵みも感じることができる豊かな道です。森、里、川、海のつながりから生まれた自然とそこで紡がれた物語は、このトレイルだけが持つ美しい魅力。
そしてこの道から人々の暮らしが伝わり、やがて未来へと続いて行くことを願っています。みんながいっしょになって歩くことで、道になる。どうぞ、東北を、この道を歩いてください。
2 コメント
素敵なチャレンジですね。
自分の生まれ故郷は岩手県の釜石市です。
リアス式海岸線沿いは海と山が急接近しているので両方を楽しめるでしょう。
海の幸最高です。
で、今は仙台に住んでいます。
泉ヶ岳、栗駒山、熊野岳〜ついでに登っちゃってください。
牛タン、せり鍋、笹かま、豆打餅、萩の月〜お腹いっぱい食べてってください。
ありがとうございます!東北の方ですか!ついでに登れる山情報、嬉しいです^^ 行ってみみます!仙台は昔出張で良く行きました。大好きな町です!