ブログを再開して1年たちました。
お読みになってくださっているみなさま、ありがとうございます。
書きたいことはたくさんあり、もっとファストパッキングのことを色々な面から知ってほしいと思いつつ、
限られた時間の中で文章をまとめる余裕をなんとか作りたいなと思いながら、
1日1日、仕事とトレーニングを両立させようと心がけてます。
こういう表現の場をいただけていることにも、感謝しながら。
引き続きよろしくお願いします。
久々にトレーニングのことについて書いてみようと思います。
厳冬期終了後の1か月半、無雪期TOR装備で登ったり下ったりする練習を続けています。
今年のTor des Glacierが450kmでD+34,000m(実際はもう少し多そうです)。
トルデジアンも330kmでD+24000m(実際は30,000mというデータも)。
距離の8%前後の累積標高になります。
UTMFやUTMBは距離の5~6%。
100マイルレースで8%前後あるのはメジャーなところだとAndorraか、TORの後半を進むTOTぐらいです。
この違いはものすごく大きいです。
仮にフラットなところが無いとすると、傾斜は単純に倍になるので、
10%前後の走れるレースと、20%前後の走り続けるのは難しいレース、全く違うコースになります。
当然、必要なトレーニングも変わってきて、特にTORのためには、
急傾斜の長い登り下りと、登りのストックワークの練習が必要になります。
登りの峠走は心肺の強化以外ではあまり実用的ではありませんが、
下りの峠走は、硬いヨーロッパのトレイルに対応するための脚づくりに有効だと思います。
となると、理想は登りが急傾斜のトレイルで標高差がとれ、
下りは急傾斜のトレイルと峠走(硬い路面、アスファルト)の両方ができるところ。
ということで、山梨の櫛形山や奥多摩の林道が通っている山でトレーニングをしています。
そして、急傾斜なので、意外と距離は積み上がりません。
先週はようやく土日連続のB2Bで50km、D+4000m×2日をレースペースで9~10時間かけて。
一般的なトレランコースなら同じ時間で70kmぐらいは稼げると思いますが、
ことTORに関しては、距離よりも、実際のレースに近いようなトレイル・傾斜での練習が有効・必要だと考えています。
先々週ハセツネ30kに参加したのですが、上位の方は本当にロードが速い。下りだとキロ4は当たり前。
だけど、トレイル、特に急傾斜のところではみなさん苦しんでいたように見えました。
心肺や脚力よりも、急傾斜の登下降という「動作」に、「慣れていない」のかなと。
トレイルランニングや登山に限らずスポーツ全般同じで、
普段やらないような、スポーツ・動作をすれば、熟練した人よりパフォーマンスは劣るにもかかわらず、疲労やダメージは大きい。
普段ロードのランニングが中心で、なかなか急傾斜の山に入れない方ほど、トレイル区間で苦しんでいたように思います。
最近、いろいろなサービスでパフォーマンスを数値化したり、
トレーニングを数字で管理するケースが多いように思います。
自分を色々な面から客観視できる便利な世の中になりましたが、
特に、一般的なトレイルランニングよりも厳しいテレインの山岳レースに関しては、
数字と同じくらい、実際に山に入ってのトレーニングが必要・重要だと思っています。
そういう意味でも、TORというのは本当に魅力的な、
トレイルランニング、というよりも「山岳耐久レース」なのだと思っています。
2 コメント
今年初めてTORに参加します。レベルは全く違いますが、朽見さんの発信してくださる情報も取り入れて、なんとか完走できるように練習したいと思います。
初参加なんですね! ぜひ6日半目一杯楽しめるといいですね。
絶景、山小屋の美味しい食事、ライフベースのみなさんのホスピタリティ、きっと素晴らしい山旅になりますよ。