UTMF2015は、残念ながらDNFという結果に。
今シーズンのトレイルランニングの締めくくりとして、
24時間を目指した戦いはリタイアという大変悔しい結果に終った。
トレランをはじめて5年、DNFがないというのが唯一の?誇りだったが、
今は初めてDNFをした大会がUTMFで良かったという気持ち。
では、大会を振り返ってみたいと思う。
1)STARTまで
前日まで仕事のため、当日ツアーバス入り。
前日は興奮のためあまり寝れず。
受付と、デポをすぐ済ませて
後泊のお宿、うえなさんで、スタート時間ぎりぎりまでくつろぐ。
スタート40分前くらいに並ぶ。
総裁、唐揚げ王、尾崎プロと「良い旅を!」とエールを交わす。
2)START~A1
いつも通りだが、スタート後しばらくは興奮で心拍が高い。
今回は150を基準心拍にして進む。
足和田山までは、国内レースで会ういつものメンバーで進む。
でも少し心拍が高め。
石田さんと流れにのまれているのか?と言いながら進む。
途中、同郷の清水さんと一緒にA1まで。
順位は、90位。悪くない。
A1 IN 90位(予想 split 2:10 / lap 2:10)、(実際 split 02:04:41 / lap 2:04:33)
3)A1~A2
本栖湖トレイル。
山の入り口で、松井さん、ゴミールさんに合って元気をもらう。
いよいよ山という感じ。
ここも心拍を気にしながら進む。
途中、タッキーさんに追いつかれるが
ペースは全く悪くない。
想定通りに本栖湖に到着。
A2 IN 80位(予想 split 3:56 / lap 1:46)、(実際 split 03:51:46 / lap 1:46:45)
4)A2~W1
本栖湖から麓までは、コース変更になり、平坦なコースに。
やはりというか、予想通り走らされるコースとなった。
途中、ソゲンさんや松村さんをパス。
でもなんかちょこちょこロストしてしまった。
ララムリや丹羽さんと一緒に走りながら、変化のない景色に少し眠気が。。。
W1につくと、バンビはいなくてキャットさんと西君がいた。
すぐに準備をして出発。
W1 IN 65位(予想 split 5:57 / lap 1:41)、(実際 split 05:59:09 / lap 2:04:03)
5)W1~A3
いよいよ天子山塊。
山に飢えていたので、望むところといった感じ
雪見の登りが楽しくて、どんどんいく。
唐揚げ王と前田さんを発見。
トレイルはドロドロでツルツルw
熊森山からの下りはほんと滑るので、スキーをしている感じで行く。
心配していた気温は寒くなく、寧ろ暑いくらい。
途中、丹羽さんと前後しながら楽しみながら行った。
でも、油断して滑落しかけたので、とっさに逆に飛んで膝から流血。。
天子はテクニカルでやばかったけど、今思うと一番楽しいセクションだった。
下りは慎重に慎重を重ねたので足には全然来ず、天子セクション終了。
ただ、そこからが予想外だった。
天子降りてから、A3までが行けども行けどもつかない。
途中のトイレで水を補給したが、それでも水がどんどんなくなっていく。
水をセーブするために、ジェルをそのまま補給。
今考えるとこれがトリガーになったのかもしれない。
西富士中を過ぎ、変なトレイルを越え、ようやくA3に着いた時には全く水がなくなっていた。
天子を降りてからが思ったより苦戦したセクションだった。
A3 IN 45位(予想 split 9:40 / lap 4:03)、(実際 split 10:39:47 / lap 4:33:16)
6)A3~A4
A3を過ぎ、いよいよこどもの国に向かう。
鉄塔エリアは本当に辛い。というか飽きるw
でも林道よりはマシかなという感じで淡々とすすむ。
振り返ると、すぐ後ろにヘッドランプが見える。
割といいペースなのに。。。
WS2についてしばらくすると、ゲーリーが軽やかに抜いて行った。
そりゃ速いわけだw
分かっていたけど、こどもの国までの林道は辛かった。
暫く進んでいくと、だんだん胃がムカムカしてきた。
あれ?と不思議に。
今まで経験したことがない気持ち悪さ。
気のせいだと思うが、どんどんムカムカしてくる。
途中、歩いてみるが治らない。ジェルが取りづらいが、無理して押し込む。
ペースも上がらない。次第に歩きが入る。これは胃薬を飲まなきゃと思いながら、
なんとかこどもの国に到着。
A4 IN 40位(予想 split 12:13 / lap 1:32)、(実際 split 13:45:42 / lap 1:56:28)
7)A4~A5
こどもの国では、STSのトモヤ、ルイ、千大ちゃんがいた! ランボーの桑原プロ、ちえぞーさん、藤川さん、風間さんも。
皆本当に嬉しそうに応援&サポートしてくれる。
自分は、レース前はどんなに厳しくても、笑顔でこどもの国へ入ろう!
寧ろ皆を元気しにしてやろう!と思っていたけど、
いざこどもの国に入ってみると、胃がキツく、かなり弱気なことを吐いていた。
皆僕に気を使って、
「みんな本当にきつそうだよ。ボロボロだし、ナミネムは全然綺麗な方。」
「記録は置いておいて、ここからリスタート。ゴールを目標にするくらいで、楽しみながら!」
と暖かい言葉をかけてくれる。
本当にありがたかった。
パンを無理して押し込んだけど、気持ち悪くて残してしまった。
豚汁を頂き出発。
A5までは新しい道で、行ったことがないトレイル。
途中、フランス人と一緒に進んでいたらなんとロスト。
マーカーを途中で見落としたらしい。
彼と二人で戻ると、ちょうどソゲンさん達の後方に着くことが出来た。
少々凹む。。
相変わらず、胃が不調でジェルが取れない。
どんどん速度が遅くなっていくのが分かるが、なんとかエイドに行けばという思いで進む。
A5 IN 44位(予想 split 13:23 / lap 1:10)、(実際 split 15:17:53 / lap 1:14:39)
7)A5~リタイヤ
A5を出てしばらく行くと、宮本さんにお会いする。
ここからトレイルだと。
鏑木さんが手強いと言っていたトレイル。
結局A5では胃は解決することはなく、相変わらず補給できない。
登りもかなり遅く、どんどん抜かれ始める。
ここで、先を考えてしまった。この体で、果たしてキララ以降の山岳パートを超えれるのだろうか。
暫く歩きながら回復させよう。
と思い、歩いて進む。途中どうしても気持ち悪くなり、横になる。
数分横になるとだいぶ良い気がしてきて、無理やりジェルを入れてみる。
途端に嘔吐してしまった。
自分は胃が強いことが最大の武器だと思っていたし、実際に今までレースでこんな状況になったことがない。
レース展開もそれほど飛ばしているわけではないし、寧ろ足が十分残っている。
なのに、胃が気持ち悪くて、ゆっくりでしか前に進めない。
これからギアを上げなければいけないのに。。。
気持ちは焦るが、体がついてこない。
すっかり頭か混乱して、進む。
松村さんにも会うが、胃がやられているとのこと。
途中松村さんにもついていけなくなる。
何度嘔吐しただろうか。
エネルギーがなくなり、すっかり抜け殻になって、
山をさまよっている自分を俯瞰したときに
トレイルランナーとしてはここでリタイヤという判断を下すべきだなと思った。
A6太郎坊エイドまでおよそ800m。
距離にして110kmの地点。
僕はリタイヤをスタッフに申告した。
その瞬間不思議と悔しさはなかった。寧ろ、迷惑をかけなくてよかった。という安堵感が強かった。
A6太郎坊についてみると、ソータさんのサポートで回っているしている彩ちゃんと、女王に会った。
指で×を書いて、リタイヤを告げる。
「えー、少し休めば治るかもしれないのに。。」
そういわれて少し冷静さを取り戻した。
そうか。。。そんなこと考えもしなかったな。。
チップにハサミを入れられる。
その瞬間、涙があふれた。なにか、、、なにかもう少しできなかったのかな、、
救護テントに行くと、ソータさんが休んでいる。ジローさんも心配そうに声をかけてくれる。
ソータさんは2時間休んで、これから出るという。
「ナミネムの想いも一緒にゴールするよ」
といって、自分も満身創痍なのに、出ていった。
救護室に一人になって、また涙が出た。
以上が、僕のUTMF2015である。
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リタイヤから1週間、自分なりに整理してみると、
100mileを知ったような気になっていたけど、全く知らなかったんだなというのが今の率直の気持ち。
特に胃を悪くしてからの間、経験したことがない辛さに必要以上に恐れ、慄き
対処する引き出しがないことで少しパニックになってしまった。
目を閉じ、深く息をして、ゆっくりと目を開き、
自分を受け入れることが出来さえすれば、困難をすんなり受け入れることが出来たかもしれない。
ただ、こうも思う。
UTMFのために偽りのない努力をしてきた事には変わりがないので
それはなんら失われることはない。
努力はその時(瞬間)には報われることはないかもしれないけど、
大きなスパンで見れば、そんなことはないと思う。
少なくとも、また立ち上がる人には。
今回、残念な結果にはなってしまったけど、また前を向いて頑張って行こうと思うし、
本当に良い経験になったと思う。
なにより、怪我もしていないし、また自由に山を走って、酒を飲んで
また目標に向けてストイックに頑張りたい。
ランもそうだけど、それ以上に仕事、家庭を大切に
これからもスタンスを変えずに頑張って行こう。
「『負けたことがある』というのが、いつか大きな財産になる」
こんなに楽しいスポーツやめれないよね。
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[…] リタイヤした2015年のUTMFが浮かんでは消えていた。 […]