6年前。
夢にまでみたUTMBの舞台を走った直後に書いたブログは、こう締められていた。
“またいつか、今よりもずっと成長して、この最高な舞台に帰ってきて、今度はレースを最後までやり遂げたいと思う。”
今年、抽選に当選して、いよいよそのUTMBを走る権利を得た。
今振り返ると、この6年間は全く順風満帆ではなく、まさにレンガを積んでは全て崩れるといったような感じだった。
思い通りの走りができて天狗になった2014年のUTMF。体は相当に仕上がったのに、天狗の鼻をへし折られ、DNFした2015年UTMF。仕事の忙しさもあり、また、UTMBというトレラン最大の目標を経験したというどこか満足感みたいなものから、それ以降はトレランに対する情熱も失われた時期もあった。もう、コンペティティブにトレランをすることはやめよう。ニコニコランナーで良いやと。
2014年から2年間お世話になったチーム100mileをやめたのもあり、その後は、どこかバーンアウトした黄昏の時を過ごしていた。
ところが、なかなか離れられないものである。2017年に偶然にも滋賀へ転勤になり、転勤先の野洲にはアパートから1kmの所に山があったのである(笑)
練習をサボっていて、太った体にはこたえたが、毎朝出社前に山に行くたびに、トレランはじめた頃を思い出して楽しかった。
気づいたら体重も減り、体も動くように。
それから、どんどん気持ちも前向きになり、久しぶりに100mile出てみようと、サンタバーバラや信越五岳にエントリーしてみた。
どちらも短縮になって残念だったけど、信越五岳は特にSTSとのトモヤと最高のセッションができて、本当に楽しかった。
その頃から、だんだんと100mileレースに対する想いも変わってきた。昔は、寝ても覚めてもUTMBみたいな感じだったけど、Tomoさんポッドキャストでアメリカのレースのお話を聞いたり、サンタバーバラでアメリカ特有の小さな、アットホームなレースの雰囲気も経験したことで、色々走ってみたいレースが世界の中にどんどん増えてきた。
まだまだ、色んな国にいって、その土地の雰囲気、土の香りや木の香りに触れながら、なによりも満足した!やりきった!と思える、最高のレースをしたい。その想いの中で美味しいビールを飲みたい(笑) 心からそう思った。
いつしか、UTMBはトレランにおける最大目標という位置づけから、One of themの大会という風に自分の中で変わっていた。
決して、UTMBを軽んじている訳ではなく、世界最高峰レベルの大会ではあると思うし、事実自分的にも今年の最大の目標ではあるのだが、この先も走るであろう100mileという旅の一つという感じに今はなってしまっている。100mileは本当に奥が深くて楽しい。こんなに楽しい事をUTMBだけでバーンアウトするのはもったいない!というのが今の正直な気持ちである。
さあ、HURT100も終わり、いよいよUTMBに向けて始動しようと段々と気分も上がってきた。UTMBという次の旅に向けて、これからまた積み上げていこう。ランナーとして成長した姿を彼の地で見せれたら良いな。
頑張ろう。
P.S. 今年の4月に野洲から横浜へ復帰することなりました。関西でお世話になった皆さん、特に滋賀のトレランチーム”シガウマラ”の皆さん大変お世話になりました。比叡山国際の50mileは出場するので、その時にまたよろしくお願いします!