こんにちは、藤岡です。今週末アメリカは正月以来の祝日となるメモリアル・デー。暦の上ではこの日を境に夏が始まりますが、すでに初夏の陽気です。
さて、前回のブログでお伝えしたとおりレインシャドウ・ランニング(Rainshadow Running)主催のサン・マウンテン50マイル(Sum Mountain 50m)を走ってきたので、今回の投稿ではレースレポートを書いてみようと思いますが、その前に先ずはレース当日の雰囲気を感じてもらうために、ぜひこちらのグレン・タチヤマ(Glenn Tachiyama)さん撮影の写真を見ていただければと思います。
グレンさんはトレイルランニング界では大変有名な写真家で、私がサポートを受けるセブンヒルズランニングショップの店員でもあります。
陽の光をあびながら、中にはキツそうな顔をしている人もいますが、多くの人は笑顔で本当に楽しそうに走っています。
でもって私の結果はというと、iRunFar.comの記事の「Other Races」の欄にちょこっと出ていますが、優勝(!)しました。
ということで、以下レースレポートです。
今回のレースが行われたサン・マウンテンは、シアトルからは車で北東に4時間のウィンスロップ(Winthrop)という西部の町を再現した小さな町の近くにあります。
シアトルから見るとノースカスケード山脈の向こう側の内陸にあり、シアトルと比べると冬は寒く夏は暑い気候です。レース当日は晴天で最高気温は25℃くらいまで上がりました。
比較的高低差が少なくテクニカルな場所も無く走りやすいコースで、昨年ウェスタンステイツ(Western States Endurance Run)で2位に入ったセス・スワンソン(Seth Swanson)が2012年に出した6時間08分32秒がコースレコードです。
レース前にエントリーリストを確認したところ、当初エントリーしていたゲイリー・ロビンスが直前で取りやめたため、上位を狙う可能性があるランナーはパタゴニア・ランニングチームのロッド・ビエン(Rod Bien)と、セブンヒルズのチームメイト、ケビン・ダグラス(Kevin Douglas)あたり。自分の走りをすれば十分チャンスはあると考えてレースに望みました。
ちなみに、ゲイリー・ロビンスは会場には来ていましたが、身重で25キロの部を走る奥さんをサポートするためにキャンセルしたようです。奥さんは無事に完走。お腹の子(0歳)も完走者に入ってました。
朝7時にレースはスタート。案の定、最初からロッドとケビンと私の3人が後続をあっという間に引き離して、比較的フラットな最初のセクションを進みます。
最初の15キロほどはロッドとケビンが前、すぐ後ろを私がぴったりと追う展開(グレンさんの写真[※万が一著作権の問題があるといけないのでリンク先の画像を御覧ください。])。前の二人が最近出たレースの話や今後のレース予定などを話すのを聞きながら走りました。途中私有地の牧場に入り、行く手にいる牛をロッドが威嚇して追っ払いながら走ったり、レースディレクターのジェームスにマウンテンバイクで先導されたりと、なかなかイベント感のある序盤でした。
中盤くらいまでこのままついていって後半勝負しようかなぁと漠然と考えていたところ、20キロ前後にある最初の山でケビンが「このペースのままいくのはちょっとキツイので先に行ってくれ」とスローダウン。続いてロッドにも「先に行きたかったらいってくれ」と言われ、流れで私が先頭を走る展開に。
私としては気持ちの良いペースで走っていたので、そのままペースを変えずに先頭で山を登り下ると、はじめは私についてきていたロッドの息遣いがやや荒くなり、やがて差がジリジリと広がってきました。後ろを振り返らずに自分のペースで走り続けると、やがて追いかける足音も聞こえなくなりました。
25キロ地点あたりからは単独走。朝早いうちは木陰が涼しくそよ風が心地よかったのですが、時間が経つに連れて気温が上がってきました。脱水症状やハンガーノックにならないように、いつもより頻繁に水分とエネルギーを補給しました。
ペースを大きく落とさなければ後続に追いつかれることはないだろうと思ってはいましたが、あまり先頭を走ることに慣れていないので、見えない影にすこし怯えながら、足の回転を落とさないことを意識してひとり進みました。木陰がないところはちょっと暑いけれど、花であふれて美しかった。
途中すこし苦しい時間帯もありましたが概ね順調に中盤をこなし、大きくペースを落とすことなく70キロ地点にある最後の山へと進みました。ここは山の頂上を折り返し地点とする上り下りのセクションで、後続との距離がわかります。それなりに傾斜があるためスピードは出ませんでしたが、小さなピッチで走って折り返し地点まで登った(グレンさんの写真)あと、来た道を誰ともすれ違わずに下り切りました(グレンさんの写真)。かなりの差が付いていることがわかり、ここで勝利をほぼ確信しました。リスクを侵さず無理せずクルージングでゴールへと向かいます(グレンさんの写真)。
最後はレインシャドウ恒例、ジェイムスとのハイファイブでゴール。タイムは6時間30分09秒。終始うまくペースをマネージできた会心のレースでした。
また、チームメイトのケビン・ダグラスが4位、50キロの部では同じくチーム・セブンヒルズのアダム・ヒューイ(Adam Hewey)が3位、セブンヒルズのオーナー、フィルが4位と、チームとしても素晴らしい結果でした。
ゴール後はビールとピザをたらふくいただきながら、ゴールしたランナーに拍手を送ったり、ランナーとおしゃべりしたりしてしばらく余韻を楽しんでいました。セブンヒルズのロゴが入ったシャツを着たランナーもたくさんいました。
Way to go Team 7 Hills!(チームセブンヒルズ、その調子!)
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