今年で3回目を迎えたオーカス島100マイル(Orcas Island 100)。私も3年連続でボランティアとクルーとして参加してきました。
2月最初の週末は、雨季真っ只中のこの地域では珍しく好天に恵まれました。
レインシャドウ・ランニング(Rainshadow Running)が12年前にはじめてこの島で50キロと25キロのレースを開催して以来、レース・ディレクターのジェームスが温めていたこの100マイル・レース。
家族的な雰囲気を守るハードロック100(Hardrock 100)のベテラン・ランナーで、また数年前からハードロックのコース・マーキングの責任者を任されているという経歴もあってか、ジェームスが作るレースはコミュニティを大切にしていて、互いの顔が見えます。
私も繰り返し参加していくうちに顔なじみも増えて、ランナーとして参加してもボランティアやその他の形で参加しても、いつも楽しく温かい気持ちになります。
25マイル(約40キロ)のループを4周するこのレース。定員は125名程度と小規模。レースの評判も広まってきたのか今年は過去最高の100人程のランナーが集まりました。
朝8時のスタート後、ボランティアのシフトまで少し時間があったので、このレースにエントリーしながら怪我で残念ながら直前に出場を取りやめることになった岡畑さんと、おしゃべりしながらたっぷり水を含んで膨よかな緑の中を軽くランニング。
周回のスタート・ゴール地点であるキャンプ・モラン(Camp Moran)に戻ってみると、日本から初めてアメリカのレースに参加された櫻井さんと梅原さんが力強い走りで戻ってきました。
さて、午後過ぎから午前2時まではコンスティテューション山(Mt Constitution)のエイドステーションでボランティア。このエイドは、私もいろいろお世話になっているセブンヒルズ・ランニングショップのお客さんや関係者有志が毎年担当しています。
山の頂上には塔が立っています。ランナーはオプションでこの塔を登ることができ、すべての周回で塔を登ると「タワークラブ」に入会してナイスなTシャツをもらうことができます。
緯度が高いこの地域では日暮れも早く、速いランナーでもこのエイドステーションを3度めに訪れる頃には暗くなっています。例年だと曇天ですが、今年は満天の星空が広がります。
気温はおそらく氷点下。更に当日は海から吹く風が強く、体感温度はマイナス5度くらいかもしれません。
ボランティアの面々は、焚き火を囲み、冗談を言いあいながら、人によってはビールを飲みながら、ランナーを待ち、きつい上りを終えたあとのランナーがやってくるとみんなで賑やかに迎えます
ボランティアを終えて再びキャンプ・モランに戻ると、3年連続3回目の出場の西城さんがやってきました。「今年は寒い!」と、ダウン・ジャケットを着て最終周へと向かいます。
夜が明けると青空が次々にゴールするランナーを迎えます。
日本から出場の内山さん。夜に山の上のエイドステーションに入ってくるなり「暗くて怖い」と一人で走るのを躊躇っていましたが、その後はジャスティンという青年と一緒に走っていたとのこと。
夜が明けて途中のエイドステーションで彼女を見つけると力強く楽しそうに走っていて、結局ジャスティンよりずっと早くゴール。後からゴールしたジャスティンを「ありがとう」と迎えていました。
レースが終わるとランナーやクルー、そして仕事を終えたボランティアがあつまりパーティー・タイム。地ビールを飲み、音楽を聞きながら、終わらない話が続きます。
翌朝行われる映画館での表彰式は、ジェームスがいろいろなレースを見た中で最高だったというハードロックとハート100(HURT 100)のそれにに負けない表彰式です。
レース中に撮影しているグレンやマットの写真のほか、インスタグラムやフェイスブックに投稿された写真を集めて作ったスライドショーでレースを追体験すると、会場にいる人々にも自然と笑みが溢れます。
マットが撮ったレース前とレース中のポートレートは、みんな本当にいい顔をしています。
ボランティアやクルーに感謝の言葉が送られた後、タワー・クラブの入会者が全員集合。続いて完走したランナー一人ひとりにバックルが手渡されました。
いつも直前にある50キロのレースに出ているため実現できていませんが、毎回「自分も今度はランナーとして参加したいなぁ」という気にさせられるのでした。