トレイル・ランニングシーズンもいよいよ本格化。私のTwitterのタイムラインも各地のレースの話題で賑わっている。
その幕開けともいえるUTMF。途中から降り出した雪の影響でレースが短縮し、フルコースの完走者は100人弱だけとなったが、そのリザルトを見て気になることがあって、結果がすっと入ってこなかった。
上位選手のリザルトを掲載しました。https://t.co/IgcvyaUy8F
なお、全地点・全選手のリザルトは、精査したのち掲載します。… https://t.co/IgcvyaUy8F— ULTRA-TRAIL Mt. FUJI (@UTMtFUJI) April 28, 2019
男子総合にはトップ10の名前が並んでいるのに対し、女子は5名。フルコース完走者の人数のせいかと思って過去の結果も確認したが、やはりずっと男女で表彰する人数は異なっている。
UTMFがモデルにするUTMBでも、かつては男女で表彰対象となる人数が異なっていたが、多くの議論があって今では男女ともトップ10が表彰対象になっている。
The five first women finishers with the ten first men finishers of the #UTMB all together on the podium ! #UTMBTV pic.twitter.com/eMa49rPdrS
— UTMB® (@UTMBMontBlanc) August 30, 2015
すくなくとも私がいるアメリカ西海岸のトレイルランニング・コミュニティでは男女で表彰が同じなのは自然なことで、性差による取扱の違いを見ると直感的に違和感を感じる。
ただし、むかしから今のように自然だったわけではない。エミリー・フォースバーグが男女で賞金に差をつけているレースをソーシャルメディアで批判したり、Trail Sistersという女性のトレイルランニング・コミュニティがこうした問題に対して女性の視点で積極的にアプローチしたりといった一つ一つは小さな声だったとしても、その流れが積み重なって、今が出来ている。
ナイキのプロモーションでも、性差が意識されつつも、積極的に夢へ向かって進んで実現することで当たり前でないことが当たり前になる、と女性を後押ししている。
Having a dream won’t change the world. Sharing one will. #justdoit pic.twitter.com/vIw16Y4e3Q
— Nike (@Nike) May 12, 2019
日本でトレイルランニングについて女性に取材するときの難しさについて、取材する側からこのようなコメントがあった。
常に意識しているんですけど、女性は男性ほど表に出たがらないところもあって、泣く泣く断念することが多いです。編集後記ならぬ編集前記ですがw
— H.YAMADA@09078851747 (@h_yamda) May 8, 2019
これは雑誌RUN+TRAIL (ラントレイル) Vol.36 2019年5月号の「平成トレイルラン史俯瞰図」という記事を見た私のツイートに対する一連のコメントの一つ。
「平成トレイルラン史俯瞰図」の見開き最初の2ページの画面ショットをUPしてる方がいたので見たが、男系の歴史、男臭しかせん。このままでは女性も寄り付かんぞ。それとも次のページに女性解放の歴史が綴られているのかしらん。
— 藤岡正純 (@masazooomi) May 7, 2019
日本にも世界で名をはせた女性がいる。
女性は詳しくないけど日本のトレランの時代を代表するアスリートとなると櫻井教美さん(ハセツネ8時間台など)、間瀬ちがやさん(鏑木さんとともに2007UTMB初出場)、丹羽薫さん(女子UTMB初入賞)あたりだろうか。高村さんのスカイの業績も入ってくるだろな https://t.co/KBlidX5Rv2
— 八木 慶太(Keita Yagi) (@Keita_run) May 7, 2019
ところが、このツイートにも名前が出ている櫻井教美さんのエントリーは英語版のウィキペディアにはあるものの日本版にはない。当然意図的にかかれていないわけではないだろうが、なんとも象徴的だ。
根は深いかもしれないが、千本ノックさん(@kyomohashiru)が言うように、見える問題は比較的簡単に手をつけられるものばかり。まずはできることから始められたらいいですね。
UTMFの表彰人数が違うって藤岡さんが指摘したのを見てなんだこりゃと驚いたけど、この程度で公認になるならまずは形式だけなら彼我の差は少ないのかな。魂は後から付いてくるから日本もまずは形式だけでも追いつくといいすね。 https://t.co/mj5HHgqJWt
— 千本ノック (@kyomohashiru) May 12, 2019