一週間のうちの最大一時間を使って、気になったことを気の向くままに書く「トレイルランニング一時間一本勝負」、四回目になりました。
この週末、日本ではFUJIとKAIが開催されました。日本で最も盛り上がる100マイルレースで、今年は何といってもコートニーの走りが印象に残る大会だったと思います。
Xでもつぶやきましたが、この大会に関しては毎年何らかの問題が起きている印象があります。今年も、エントリーが終わった後に、荷物を預けるためにエントリー費用とは別に費用を徴収したり、終盤に例年以上の渋滞が起きて、ゴール前ではフィニッシュのフォトをとるために行列ができたり。
Mt Fujiに関わっている方々がそれぞれ一生懸命だということは前提として、それでも毎年何かしらの新しい問題が起きているのは、主催者は根本原因分析を怠っている、あるいは不十分なのではないかと感じる。
一生懸命でなくてもある程度問題なく回る仕組みが重要で、それが事故のリスクも減らす。
— 藤岡正純 / Masazumi Fujioka (@masazooomi) April 25, 2024
とりわけ渋滞については、天気が天気なら大きな事故につながっていた可能性も考えられます。毎年新しい問題が続く状況を見ていると、はたから見ると根本原因分析が十分に行われていないのではないかと感じられます。
ボランティアも主催者の皆さんも頑張っているのだろうと思いますが、俗人的な頑張りだけではどうしようもない問題は存在します。頑張らなくてもある程度うまく回る仕組みを作ることは、継続して安定した大会運営を進めるとともに、生産性を上げるうえでも重要なのではないかと思います。
ちなみに端から見た感覚だと、毎年コースを変更しなければならない状況が、毎年新たな問題を生み出す根本的な原因の一つではないかと思います。
スタートやゴールが決まらないあるいは新しい場所になったから予定していなかった新しいコストが発生する、コースが変わってランナーのボリュームゾーンが変わった結果、渋滞が起きる場所の読みが正しくできない、などなど。
コースが安定するだけで、毎年の運営が安定し、無駄な作業が減る。同様のことを感じている人も多いと思います。
さてFUJIの裏で、アメリカではCanyons by UTMBが行われていました。上位に入るとWestern Statesの出場権が得られる100kには2022年のUTMF女子優勝の宮崎喜美乃さんが、OCCへの出場権が得られる50kには同じく2022年KAI優勝の甲斐大貴さんがそれぞれ出場していましたが、それぞれ日本とは異なるアメリカのスピード・レースを体感されたのではないかと思います。レース結果はこちらに出ています。
このCanyonsの100kで出色の走りをしたのがKatie Schide。UTMBでの優勝経験もあり、Western Statesではコートニーとも競ったランナーです。Canyonsは下り基調のスピードレースでしたが、女子ではぶっちぎり、総合でも6位でかつ男子の優勝とのタイム差はわずか4.96%。Western Statesのエントリー資格を得ることができる本レースは、男子のレベルも極めて高いのですが、UTMBで三位に入ったTim TollefsonやWestern Statesを優勝したこともあるAdam Petermanにも先着し、すごい走りを見せました。
コートニー、ケイティと女性の素晴らしい走りが目立った週末でしたが、by UTMBの結果速報はとても見やすく、ケイティが総合でどこに位置しているのかがすぐわかるのに対して、FUJIの速報は男子と女子が分かれているだけでなく、ウェイブスタートごとにも結果が分かれているので見にくいという声も多かったですね。
UTMF での Courtney Dauwalter さん総合3位。いま開催中の HOKA Canyons ER での Katie Schide さん総合6位とか。
【女性が男性と対等に争える】というのは、魅力的なコンテキストじゃないですかね。
人間に秘められた未解明の能力という点でも。 pic.twitter.com/SiCMAdD84n— methylone (@methylone) April 27, 2024
なにはともあれ、私がコーチングさせてもらっている方々がFUJIとKAIで合計四名走っていたこともあってレースを追いかけていましたが、無事、全員完走したので良い週末になりました。