畜生!
初挑戦の2017 ONTAKE100マイルはDNFだった。
103km地点の第3関門を突破できず。15時間の関門時間を約1時間超過。
完敗だった。
24時間制限の100マイルの部は午後8時スタート。ゴールまでの関門は4つ。第1関門は52km地点、8時間後。第2関門は72km地点、11時間後。第3関門は103km地点、15時間後。最後の第4関門は118km地点、18時間後。第1関門の時間設定が辛いコース設定となっている。
第1、第2関門ともに関門時間に対して15〜30分程度の余裕しかなかった。夜間走の時間が長く、調子が掴めなかった。第2関門から先は酷い足底筋膜炎に見舞われ、30km近くをひたすら歩き通した。このままでは第3関門に間に合わないと分かっている。走らなければいけない。でも痛みで走れない。日差しは辛く、干からびてしまいそうだった。いつか来るであろう回収車が先か、第3関門に自力で辿り着くのが先か。回収車を待っていても仕方なく前へ向かう。唐突に回収車が前方から向かって来た。あっけないレースの終了だった。ガレた林道を軽トラの荷台に乗せられて、残り5kmの距離を第3関門に向かった。その時は関門を突破できなかった悔しさよりもレースを続けなくていいという安堵感の方が優っていた。
ONTAKE100マイル:エントリー者159名、完走者は僅かに59名、完走率37.1%。
完走を夢見ていた。2年越しの夢を叶えたいと願って臨んだレース。しかし後悔残る結果だった。100マイルもの超長距離は心技体の全てが揃わないと完走は困難なんだと痛感させられた。そんなことは分かっていたつもりだった。油断や慢心もあった。心技体の一つでも欠けると完走は程遠いものになる。自分自身に対する憤りしかない。畜生め!
言い伝えによると、御嶽は古くは「おのたけ」と呼ばれ、「王の御嶽」(オウノミタケ)と尊称されていたそうだ。それが、いつの頃からか、「オンタケ」と呼ばれるようになった。「御嶽」と称する山はみな、修験道に関係の深い山である。ガレた林道を黙々と修行僧のように昼夜走り続けるONTAKEは、古来から御嶽が修験道の山であったことにも本質的には合致している。このレースへの向き合い方は人それぞれであって、自分の主張を押し付けるつもりはない。御嶽山が古来から修験道の山なら、ONTAKEへのチャレンジも修行と捉えて、何度でも自分が納得のいくまでチャレンジし続けることが正しい姿だと私は思う。
100マイルレースは、参加人数が少なく、前後に誰もいない時間が長い。孤独と向き合う時間が長いということだ。なんのために走っているのか自問しながら走っていた。自分なりに出した答え。それは弱い自分を認めながら、もっと強い人間になりたくて走っているんだということ。強さを求め、また来年ONTAKEにチャレンジする。そう、誓いを新たにした。山は富士山、嶽は御嶽。ならばウルトラはONTAKE。ONTAKEを必ず乗り越えてみせる。