きっかけは御嶽(みたけ)でのボルダリングとOMMでした。全然結びつかないですよね? 午前中に青梅や奥多摩のトレイルを走って、午後は岩を登る、という山の遊びをしています。冬が近くなると岩場での防寒も必要になるので、ワンウエイですべてを背負って長い距離を走るとなると、ちょっと走力差が出てしまう。そこで御嶽駅のコインロッカーを起点に、メンバーによっては、正午までに戻れる範囲のファストハイクを考えたのですが、これまでの山地図(旺文社)では、どれも行ったことがあるルートで新鮮味が感じられない。そこへOMMに参加する日が近づくにつれ、国土地理院の 1/25,000 の地図に慣れようと、ウオッちず(リンク)を利用する機会が増えてきたのですが、御嶽周辺を国土地理院の1/25K で見ると、沢山のルートがある。さらに航空写真で見ると、明らかに地図には掲載されていないルートもある。それらを冒険心、アドベンチャー感覚で行ってみたことがきっかけでした。下見はしてないから、危なそうだったらすぐ撤退だからごめんね、というぐらいの感覚です。
実際に行ってみると、そこには素晴らしいトレイルがいくつもありました。多分、御嶽、青梅周辺は歴史的、宗教的にも古く、軍事道、林業が栄えた時代の作業道(廃道含む)が無数に入り組んでおり、普通の山地図に載っているのはほんの一握りに過ぎないようです。もちろん、なんらかの大人の事情(地権者との兼ね合いなど)で記載されていないものもあるでしょう。そこは察して個々人のモラルが必要なところ。また、完全なオフトレイル(全く踏み跡のない独自ルート)を行くことは、アドベンチャーレースやそのトレーニングなどの限定的な範囲にとどめるべきで、普段からランナーが踏み入れることは、人が入ってなんぼの里山であっても、植生保護の観点から、個人的には避けています。そうでない限り、美しい里山のマイナールートをどんどん見直してみたいと思っています。以前にもハセツネコースは奥多摩のほんの一部にしか過ぎないということをFaceBookで何度も紹介はしていますが、それが加速しそうです。
注意点をいくつか挙げておきます。マイナールートは道標が整備されていませんので、コンパスを使い地図を整置して方角を確認できること、尾根、谷(沢)、コル、といった基本地形が地図を見てイメージできること。そして迷った時に、絶対の確信(林道が見えているとか)がない限り、沢道を下らない(登りで取り付いて、尾根道に出るのはありだと思う)などの基本行動を理解していること。そして単独行動は避けること。それでも自己責任は常に問われます。自分一人ではまだ地図読みに自信がなくても、それができる人に同行することで、現場で習得していくものです。自分もまだその段階だと思っています。
国土地理院の地図ですと、その破線がどの程度の難易度(荒れ具合、危険箇所)かという情報が言葉としてはありませんし、普段、旺文社の山地図に慣れていると情報が少なくて(情報の種類が違うと言ったほうがいいかな)わかりずらいと感じるかもしれません。そういう方には上の写真の吉備人出版の詳細地図がお勧めです。小仏の峠で販売しているのを見た事がある人も多いはず。その高尾−陣場の主稜線は、もう人が多くて、よほどの早朝でない限り、走るべきルートではなくなってきています。この地図には、そういったルートを避けて、南北とその周辺にまだまだ走れる、あるいはアドベンチャー的な楽しみがあるマイナールートが存在することがわかります。まあ、そこにも出ていない超マイナールートもあるわけですが、大人の事情でSNSで目にすることはないでしょう(苦笑)
Happy & safe trail !