UTMFの4枚目のビブス(ゼッケン)は番号ではなく、sweeperと書かれたものをいただきました。レースとのこういう関わり方もあるのだと再認識した次第です。他にも雨の中の夜間誘導、リタイア者が混沌とひしめくテントでの業務、全ての関係スタッフに、お疲れ様と感謝の意を表したいと思います。
去年から少しづつ始めたレースボランティアや選手へのサポートですが、自分がレースを走る時の見方が大きく変わります。あまり難しく考えず是非一度ご経験される事をお勧めします。
北米の多くレースでは、エントリー資格にボランティア経験が義務付けられています。レースボランティアだけでなく、普段のトレイル整備なども含まれており、レースだけでなくカルチャーとしてとしてのトレイルランニングの奥深さを物語るものだと思います。日本でもハセツネや他のレースが優先エントリーの条件にしたりと、その兆しはあるのですが、自らが主催するものや、その当該レースだけに限定されたものであり、エントリー権のためだけのボランティアにならないか心配ではあります。きっかけとしては素晴らしいとは思うのですけれど、ここは広い視野を持って、他のレースや山域でのボランティア活動も認めていく方向になればいいなと思っています。
トレイルランニングレース、とりわけウルトラトレイルは、レース開催のコストがかかります。スポーツメーカーに勤務している視点から見ますと、そのコストの割には、競技人口と物販マーケットは、他のスポーツ競技と比較するとかなり小さく、観客動員やテレビ放映があるわけでもないため、スポーツメーカーはもとより、食品や清涼飲料水メーカーも協賛金として拠出できる額は限られているはずです。また今後は環境面への配慮から、参加定員は削減されていく傾向になる可能性もあります。ですからレース開催を継続していくには、ボランティアを中心としたランニングコミュニティが、お金とは切り離された観点から、主役になっていく必要があると思います。
知人のランナーで、息子さんと一緒にエイドボランティアをされている方もいらっしゃいました。ご家族との時間を大切にするなら、そういう時間も素晴らしいのではと思います。