今、このブログをシアトル行きの飛行機の中で書いている。「はあ?200マイル?」「なんでトルデジアンとか欧州の有名な山岳レースではなく北米のマイナーな200マイルに?」率直に聞かれたこともあったし、自分も変わり者だよなとも思う。自分がこのレースを選んだ理由をとりとめもなく書いてみた。
Bigfoot200のオフィシャル Face ブックへのリンクはこちら。
昨年、ある論文を読んだ。UTMB(100マイル)に出場したランナーとTDG(200マイル)に出場したランナーにおいて、レース前と後で血液サンプルを採取し、身体のダメージを調べたもの。準エリートから、完走レベルのランナーまで複数のサンプルを調べたところ、TDGのランナーの方がダメージが小さいということ。研究者はペースがゆっくりであることと、ある程度の仮眠と休憩によって回復させながらゴールへ向かうことがその理由と推論している。(本当かよ! ?? )
過去にダメージが小さく、身体のむくみも最小限で、数日後にはジョグができたレースを振り返ると、八ヶ岳スーパートレイル100マイル(現在はKOUMI100に姿を変えている)がある。決して楽ではなかった。ただ、自分の経験の中で、UTMFとの明らかな違いは、一晩越えでゴールできる、それと引き換えに、走れるサーフェースでは走らなければならない、制限時間は短めだ。二晩寝ない100マイルレースは、どうしても日常のランニングライフや、山の遊びとは違う世界の競技だと思っている。それはそれでやりがいもあり、その強烈な達成感は決して否定されるものではないのだけれども、自分にはどうしても二晩寝ないで動く100マイルレースは、身体への負担、特に筋肉よりも極度に糖質に偏った補給による内臓への負担が大きいように思えてならない。
ならば、仮眠が前提であり、エイドで温かい食事が取れ、多少制限時間が短くとも走れるサーフェースがある北米の200マイルは一番自分に合っているのではないか?という強引な2段論法だ(笑)楽がしたいわけではない。楽なはずはない。ただ、自分はレースを目標に練習をすることはしなくなった。(今回はゴールデンウイークに大きな対策練習を1つやったが)レースは日々のランニングライフ、山のアクティビティの中の1つのスパイスであり、延長であるべきだと思っている。あえて言うならば、レースのために走っているのではなく、レース後のために走っていると言っていい。だから、心身ともに疲弊しきって、その後燃え尽きてしまうことは避けたいと考えるようになった。
「練習じゃないんだよね。ルーティンなんだよね。」by R.D. Tomo
自分の内側にある理由だけでなく、周囲との関わりに視点を移してみる。普段、一緒に練習をしている仲間を見ると、常に周りに影響を与え、トレイルランニングコミュニティーに貢献している人が多い。速いだけではなく、make a difference = 影響を与える、貢献する、ということを実践している。定期的な練習会を主催したり、トップクラスのランナーであればその活動をブログやインスタ、Podcastで発信することで、我々も影響を受け、日々走るモチベーションとなる。こんな自分でも何かできないだろうか?と考えるようになった。いい歳だもんな、そいうことを考えたい。北米のカスケード山脈、シエラネバダ山脈の山々をレースだけでなく、時にはロングハイクで、その体験をシェアしていけたらと思う。それに加えて、長時間のナビゲーション競技の面白さも発信していきたい。海外(北米、欧州問わず)の24時間ロゲイニングやロングオリエンにいつかは出場したいとも思う。
さてさて、どうなることでしょう。このBigfoot200は発信GPSが義務付けられているのでTJARのようにLive Trackingが見られるようだ。どこかでくたばっていたら笑ってやってください。Bib#は36です。
こちらは通常のUltraLive
追記 : このLive Trackingでは現在Joe Grantが単独で挑戦しているColorado 14ersも見られます。Colorado !4ersに関してはMMAブログでどなたかが紹介してくれることでしょう。