とりあえず、このシリーズ2本目を書きますがおそらく最終回です(笑)
上のポスターを見て、「ん?」と思われる方も多いと思います。第一回大会は2012年ですから。2011年3月11日に日本に何が起きたかはみなさまご周知の通りです。この2011年5月に開催予定であった大会のエントリーは2010年の秋から幾度となく延期されていました。当時の自分のブログを読み返すと、ランネットでのエントリーは2月上旬でした。その時点で、コースの発表はされていなかったと記憶しています。当時の鏑木氏のセミナーで走ることも多かったのですが、コースに関しては聞くこともできず、ご苦労されていることが、様子からうかがえたことを覚えています。つまり、それぐらい富士山の麓を1周するということは、様々な土地所有者との交渉、地元住民、あるいはそこで活動する方々との調整が必要となり、一筋縄ではいかないのです。今年の第6回大会が、ぐるり1周を諦めて、継続性を重視した(と思われる)コース設定に切り替えたことは素晴らしい判断かと思います。鏑木氏をはじめ、黎明期を支えてきた主催者の方々のぐるり1周に対する思いの強さはあるでしょうが、レースは主催者のものだけではないはずです。ランナーのためのものでもない。ボランティア、応援、スポンサー、そこに関わる全ての人が作り上げるものだと思います。1周のロマンは、ロード比率を高くしてコンビニ補給で組み立てれば、レースではなくファンランで100マイルを走ることは十分可能です。実際に楽しんでいる仲間が自分の周りにたくさんいます。
ぐるり1周という形をとらなくなったことで、STYが再評価されている雰囲気があります。100マイルにこだわらず、自らの特性を考えて、もう少しスピード感のあるロングレースで力を発揮したいというトレイルランナーの声が聞こえてくるようになったのは、トレイルランニングの多様性とランナー層が厚くなってきた証なのかもしれません。
2011年の東日本大震災の数日後、静岡県東部を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、実際のUTMF/STYコース近隣で被害も発生しています。こうした災害をも乗り越えて、回を重ねてきたUTMF/STYが再スタートを切るわけです。変則ループだろうが、ロードや林道が多かろうが、これから素晴らしい大会につくりあげていくのは、参加するランナー自身、つまり貴方自身でもあるのです。
みなさまにとって素晴らしい大会となりますように。