このタイトルをシリーズ化しようとしたものの、パタリと止まってしまった。というのは、今年夏の異常高温では、水場の整備もない、そしてどこまで植生がモリモリだかわからない破線ルートを紹介するものどうしたものかと。そういう時は素直にアルプスの一般登山道を涼しげに歩くのがよいのではないかと。そして、気温が落ち着き始めたら、次は台風だ。一つ前の記事にも書いたが、山は台風の爪痕がひどい。観光資源として認識されている一般登山道ならば、主体的に整備を行う団体、ボランティアもいるだろうが、破線ルートはおそらくそのままだろう。ましてや沢道が崩落した場合、尾根に新しく迂回路が設定されることもなく、そのまま廃道となるルートが数多くあるはずだ。自然は長い時間をかけて再生に向かうが、トレイルは誰かが整備しなければ荒廃していくもの。機会あれば皆さまもトレイル整備に是非参加してみてください。ちょっと(かなり)楽しいから。
今回紹介するルートも台風後の状況は確認されていない。あくまでも自己責任ということをご理解いただきたい。通過できない状況であれば素直に戻りましょう。
そんな状況にも関わらず、「山と渓谷」の11号(リンク)に、奥多摩湖〜河口湖の縦走ルート(一部破線)が紹介されており、自分のグループの写真が掲載されてしまった(笑)奥多摩湖から河口湖に至る(またはその逆)長い縦走路であり、一部小金沢山、湯ノ沢峠を通る眺望の素晴らしい稜線は、甲州アルプスオートルートチャレンジのコースにもなっている。今回はその縦走路の河口湖側破線部分です。
トレイルランナーの間では、UTMFでなじみが深い三ツ峠山周辺ではあるが、その北側には清八山、八丁山といった河口湖からもアプローチのよい静かな山域がある。この八丁山から笹子峠に至る道が破線表記になっている。これを、国土地理院の地形図で見ると….
あらま、登山道の表記はございません(笑)、ですが県境に沿ってトレイルはあり、踏み跡は薄いものの、新しい道標もある。ただ、分岐によってはなにも道標、リボンがなく、地形図、GPSとの併用が必要です。アップダウンが強烈で一般のハイカーにはちょっとタフ過ぎる。加えて水場もなく、持つ水の量とペースマネージメントが要求されます。そんなタフなルートのご褒美は、美しい新緑とイワカガミの群生でした。秋の紅葉もきっとすばらしいだろうと想像しています。
「山と渓谷」11月号(リンク)に紹介されたルートを全部行くことは、トレイルランナーであっても、相応の走力と時間、経験値が必要ですが、河口湖から北上する場合、笹子峠、その先の大鹿峠から下山すれば、日帰りも可能なルートではあります。それなりにきついけどね。
「えんじょい。はせん」