「それでもクラリスで君と走りたいのです。」-第二回
クリーツシューズ、いわゆるスパイクシューズ、突起パーツが付いた競技専用シューズ、とでも訳せばよいのでしょうか。野球、サッカー、陸上のトラック競技の経験がなく、そういったものには縁がないと思っていました。あ、1つありました。その昔、ゴルフスパイクピンは金属でした。コンクリートを歩くとガリガリ音がして、午後のグリーンはスパイクの穴だらけでした。それでも上級者は金属スパイクにこだわっていましたが、その後、タイガー・ウッズがソフト( プラスティック)スパイクでプレーし、一気に時代は変わり、金属スパイクは博物館行きとなりました。
閑話休題
ロードバイク購入時のポジションフィッティング(サドル位置を調整するんです。)をする際に、「スニーカーで乗りますか?クリーツ履きますか?」という質問には即答で、
「スニーカーです。」
(そんな歩くとカツカツ音がするやつ履くわけねーだろ、ない、絶対ない。ありえねー、と心の声)
まあ、人生、どう変わるか、わからないものです(笑)。距離を乗り、スピードを上げていくうちに、ペダリングを考え始めるわけですね。そうすると、やはりクリーツによる引き足の感覚が欲しいということになりました。
クリーツシューズを買うと、それを固定するペダルが必要になるわけです。普通のペダルというのはフラットペダルと呼ばれ、クリーツを固定するパーツが付いていません。当たり前の話ですが、初心者にとっては、これは革命的なことの1つなのです。
以下、今のところのペダル変遷、ペダル専用の工具を買って、自分で交換しています。
さて、次に本題のクリーツシューズ。
購入前に調べると、SPD-SL(通称エスエル)とSPD(通称エスピーディー)と2つのタイプあるのだと。わからない人はググってください。少しは歩くでしょ、そして何より立ちゴケが怖い初心者の自分は迷わずSPDを選びました。SPDは本来、マウンテンバイク、シクロクロスというオフロードの競技に使用するタイプです。それにしてもこいつら、
「随分といいお値段するじゃねーか!」
って、ついこの間まで、レースに向けて毎年2万円以上するトレランシューズを買っていたのは、どこの誰でしたっけ?あー、しかも、厚底になってからは、トレイルだけでなく、ロードのシューズも軽く2万オーバー、シューズの寿命の長さを考えたら、
「ロードバイクのクリーツ、コスパいいわ」
って、変わり身が速い。
いくつかの候補の中から Fi’zi:k (フィジークと読む、サイクルブランドが読めない問題はまた別の回に) の中から、利便性や、スノボードブーツでの経験から、BOAモデルを選びました。最後まで迷った他候補との違いは、「BOAもどき」ではなく、本物のBOAシステムを採用している点でした。
今のところ何ら不満はないが、いずれ固定力の強いSPD-SLに替えるのか否か、それは自分がどういうライドを中心にやりたいのかによるのでしょう。いや、ペダル交換工具も買ったので、2足かな.. (沼確定)
<後日談>
トゥ側のゴム製のクリーツを1つ紛失してしまいました。買った専門店にパーツがあるか聞くと、「あー、純正がないんですよね」と。これは他の競技で言うところのスパイクピンにあたるもの。ペダルとの固定に使用される部分の金属クリーツとは異なり、実際にトゥのクリーツを使う人は、シクロクロスやマウンテンバイク競技で、ぐちゃぐちゃな悪路を、バイクを担いで登ったりする人のためにあるもの。本当に必要な人、日本に何人いるの?というニッチ・オブ・ザ・ニッチ、そういう方々は、他競技用(ラグビーとか陸上とか)でビス径、ピッチの合うものを探して付けているらしい。実際に普通の路面を歩く程度なら、付けないほうが歩きやすいわけです。ということで、自分には必要のないパーツでした。知らずにそのままつけていたのがちょっと恥ずかしいかも(笑)クリーツは全部外して、ビスを残すのも床を傷つける原因になるので、テープで塞いで、少しだけ軽量化に成功。