<能登半島地震に際し被災された皆様にお見舞い申し上げます。>
キリアンが何か言ったの?X(旧ツイッター)でいくつか散見しました。
「さらに強くなって戻ってくるクロストレーニング6つの理由」
これまで、私自身は、スキーや自転車といったクロストレーニングは、リカバリー期における有酸素運動能力の維持という理解だったのですが、キリアンの言うところのクロストレーニングはそれを超えて、冬のシーズンはランニングで疲弊した筋肉や関節を休ませながら、有酸素運動能力はランニングで得られるそれよりも高いものを狙っています。彼は文中で「SkimoならばZone2でランニングより簡単に筋肉や関節に負担をかけずに長時間行動できる。ランニングでそれを毎日やるのは難しい」と言っています。理論的には理解していても、ランニング量を落とすことへの不安感、特に年齢が高い人ほどその傾向が強いと思います。「筋肉痛にならなければ練習した感じがしない」みたいな。キリアンの実際の言葉の引用、視覚的なグラフやStravaのログ、特に横軸にクロストレーニング期、ピーク時、リカバリー期を分けた時間軸、縦軸に週単位のトレーニング負荷を設定したグラフはクロストレーニングが単なる補助的なツールではなく、もっと積極的なトレーニング手段であることを感覚的に理解させてくれます。
実は私自身SKIMOやクロスカントリースキーは未経験者ですが、小川壮太さん(リンク)やALP SKI TEAM(リンク)がその活動拠点としている木島平には、スノーボードのシーズンインによく行きます。話が大きくそれますが、今年、スキー場の名称 https://kijimadaira-ski.com/が変わってどうなったの?心配している人もいるかもしれませんが、木島平は木島平です。標高が急に高くなったりしませんから。とりあえず、シミ抜き10個セット23,000円のリフト広告には思わず予約を調べそうになりました。(笑)
他には、
- 人工降雪機の機動力や、スキー場スタッフの整備努力で、標高の低い一番下まで滑走可能でした(1/3現在)
- 昨年50歳からのシニア割が、今年から60歳以上となった
- 各リフトにオサレな名前がついた
- リフト券は軒並み値上げだが、木島平に限ったことではない。世界的にはまだ安い方です。リフト券はデポジットありのICチップ、窓口では現金のみ。カード、電子決済はすべて自販機で対応
- レストランの素朴な野沢菜がなくなった。あれは残してほしかった。イメージと合わないのか..
- とはいえ、さすが木島平です。レストランの各メニューのお米がおいしい。個人的には信州牛カルビ丼推し
一企業が直接本業(美容整形外科)の売上げにはつながらないであろうリゾート経営を、マーケティング手法の1つとして取り入れたものです。古い年代の方には痛い記憶ですが、加山雄三の「加山キャプテンコーストスキー場」にならないことを願っています。
現場からは以上です。
閑話休題、
さて、SKIMOやクロカンをやったことがない人にとって、それを始めるのは心理的な壁があるかと思います。まして上記のような積極的なクロストレーニングのレベルまで引き上げるのは、地理的、時間的なハードルもあるかと思います。私もです。ならば、有酸素運動効果は望めませんが、登山ならば雪山装備をがっつり揃えて、熟練者からトレーニングを受けなければ行くことのできない頂きの少し手前まで、ゴンドラで行けてしまう、ちょっと、いやかなりずるい(笑)、普通のスキーはいかがですか?関節への繰り返される着地衝撃を避けて、一定レベルの負荷を筋肉に与えられます。そしてそのくだり下りる加速感を体感すれば、トレイルランニングの下りは怖くなくなるはずです。そしてこれは私の自論ですが、トレラン時のポール使いが上手になるはずです。スキーで滑るときと、トレラン時のポールの動きは異なりますが、スキーでのスケーティング時には同じ要素もあります。間違いなくトレランポールの使いまわしが向上するはずです。多くのランナーが既に経験したことのある、普通のスキーを引っ張り出して、ゲレンデへと向かってもよいのではないでしょうか。トレーニング論はキリアンくんにお任せしますので、彼のブログのグラフをご覧ください。
<これより以下は個人的な備忘録をここ数年の時系列に綴って備忘録としてまとめてあります。スキーをやらない方、やる方でもギアに興味のない方にはチンプンカンプンで申し訳ありません。ここで離脱が無難です。>
ただ「オールドボーイスキーヤーあるある」に共感してくれる人がちょっとでもいてくれたら嬉しいです。ここ数年、スキーを再開してから、エキスパートレンタルというサービスを活用して、各ブランドの上位モデルをレンタルで楽しんできました。さて、これからもレンタルを続けるか、購入するのかを含めて、模索するための道標となると思っています。
2022年2月
OGASAKA Unity OS-2 160cm センター75.5mm R14.8m
https://www.ogasaka-ski.co.jp/alpine-ski/unity-u-os2-19/
- クラッシックスキー以外で、初めて乗ったいわゆるカービングスキー
- あまりの楽チンさに驚愕する。
- レンタルブーツのせいか(?)スピードを上げた時、ターン後半がバタバタして落ち着かない。スキー長の短さのせい?自分としてはターン中間部分でしっかり乗れている感覚があるので、板の剛性不足かと思う
- レンタルのチューンナップコンディションはあまり良くありませんでした。
- 雪質は適度に柔らかく、後半のバタつきとチューンナップ状態は関係ないと思われる。
2023年2月
ATOMIC Redster X9i 168cm センター65.5mm R14.6 m
- SALOMON STATION( https://nozawaski.com/report/3629/ ) でSALOMON S-Max12を借りようとしましたが、長さの在庫がなく、ATOMICのトップデモモデルを選択
- 振動吸収システムのせい(おかげ)か、乗り味は無機質。これを逆に良いと捉える人もいるはず。あくまでも個人の好みです。
- ターン後半、きょときょとして落ち着かない。バタバタではなく左右方向のきょときょと。後半だけでなく、中間部分から力が逃げて横ずれ、スキーが走らない。自分の技量では板を前半からたわませて、カービングさせることができていないのだと思われます。板に対して自分の技量、筋力、両方不足
- レンタルブーツとのレベルの差異も原因の1つかもしれません
このブログを目にする方々はランナーの皆様が多いと思うのですが、スキーメーカーが想定する身長(スキー長)に対する体重よりも、ランナーの体重はかなり軽いはずですので、脚力はあってもフレックス柔らかめ、体重からの逆算でスキー長を決めるとよいと思います。
2024年1月(1日目硬めの圧雪、アイスバーン)
OGASAKA Keo’s KS-PS 165cm センター67.5mm R13.8m
https://www.ogasaka-ski.co.jp/alpine-ski/keos-ks-ps-24/
- 本当に気持ち良い。前半から楽だが、しっかり踏んでコントロールできるため、まわり過ぎることもなく、後半はカリカリのアイスバーンでも不安なく噛んで走る。
- この板から、自分で購入したブーツ SALOMON S/PRO 120 Alphaを履いている分を加味しても、圧雪バーンでの気持ちよさはすばらしいと感じる。
- 但し、非圧雪のコブ斜面ではしっかり踏めず、身体が常に遅れ気味で、リカバリー的にぶん回そうとしても重くて回せず。板がどうこう言う以前の自分の技術の問題
- 新雪を滑る機会はなし
- ウッドコアの良さからか、しっとりと落ち着いたコンタクト感があり、雪面の状態をありのまま足裏で拾っていける。ただ、あくまでもしっとり系、上記ATOMICとは対照的
2日目、新雪後の圧雪、荒れた非圧雪、重い新雪を少しだけ
ELAN Rip stick 96 Black Edition 180cm センター96mm R18.0m
https://www.elanjapan.net/ripstick-black-edition-1/ripstick-96-black-edition
- 初めて経験したフリーライド系の板「オンピステでもしっかり切れる」というレビューのあるものを選択
- スキーのインサイドはキャンバー、アウトサイドだけロッカー構造という変則技。初めてのロッカー構造でしたが、キョロキョロするような不安定さはない。(長さでカバーしている?)
- センターの幅96mmは良し悪し、慣れれば問題ないのかもしれないという直感はあります。
- そのセンター幅からか、荒れた急斜面も、そのまま気にせず踏んでいけば、安定したまま走ってくれる。ちょうどトレランで言えば、厚底シューズで下りで神経を使わず、ガンガン走れる意識感覚と似ています。
- ただし、前日に履いた Keo’sの好印象が強く、圧雪バーンでは、中盤から後半の走り、切れ、雪面からのコンタクト感みたいなものが物足りない印象となりました。前述のATOMICもそうでしたが、コンタクト感が無機質(プラスチック的というか) なのです。
- それでもコース脇の新雪に入った際に感じた浮力には魅力を感じます。緩斜面の湿った新雪での数ターンでしたが、この板でパウダーに入ってみたいという気持ちがフツフツとわいてきます。スキーをこういう板から始めて、そういう楽しみ方をしていくならば、圧雪バーンでの物足りなさを感じることもないでしょう。良い悪いではなくて、スキーのどういう魅力にひかれるかという、楽しみ方の違いのお話です。
<レンタルか 購入か、それが問題だ>
野沢温泉のレンタルショップ Snow Sports THANX(https://sportsthanx.com/)に関して言えば、チューンナップコンディションは素晴らしかったです。表面には相応の傷がありましたが、滑走面、ワックス、エッジ状態とも、私が手入れするより良いのではと感じました。これらの板は、最初のUnity旧モデルを除けば、ビンディングとセットで15万円オーバーです。これほどのレベルの板を1日4,000円ほどで借りられるならば、年間の総滑走日が10日程度では、レンタルの方が圧倒的に合理的です。圧雪、アイスバーンの日はOGASAKA Keo’s、非圧雪を滑る日は ELAN Ripstick というようにエキスパートレンタルから選ぶのも楽しみの一つだと思います。それでも滑走日数20日超えが2年続けば購入と変わらない金額になりますし、このレベル(チューンナップ状態含めて)のレンタルショップは日本全国各スキー場には存在しません。悩ましいところです。
2024年1月追記
OGASAKA Unity FS-1 165cm センター76.5mm R16.3m
Keo’s KS-PSに近いとされる、購入候補のOGASAKA Unity FS-1をレンタルできたのでこれも備忘録として記録しておきます。
https://www.ogasaka-ski.co.jp/alpine-ski/unity-u-fs1-23/
- ショートターンで初めてカービング要素を感じてリズムを刻めた。この点はKeo’s KS-PSよりも自分に向いている
- 荒れた新雪でも扱いやすい
- ただし、やはりアイスバーンでスピードを上げるとバタつく。自分が内足を上手く使って荷重分散をできればそれも収まるように思えるが、技術が追い付いていない。
- それでも結論としてはKeo’s KS-PSの方が自分は好きだ。理屈じゃない。感覚で。今シーズン、Head、Fischerなど、上記ATOMIC以外の輸入デモモデルもレンタルしてみたいと思う。
2024年2月追記
SALOMON S-MAX12 170㎝ センター幅71mm Radius 15m
https://salomon.jp/products/smax-10-and-m12-l473556
- 全てにおいて優等生
- 切ろうと思えば切れるし、ずらそうと思えば前半からずらしてコントロールしやすい。
- スピードを出した時の安定感が少し物足りない。これ以上求めるなら S-RACEにしろってことだな。
今年購入したSALOMONブーツもそうだが、なにか特徴的なものがあるわけではなく、すべてにおいて合格点というのが、現代の大手ブランドが作る板なのだな、と思う。昔より縮小したとは言え、スキーも産業である。マスマーケットに対してのモノづくりに手を抜いて経営はなりたたないのだろう。そんな安心感をこのブランドには感じます。
下のリール動画はSALOMONで志賀高原寺小屋を滑った後、一気にガスが晴れ、相方のスノボと林道を下るところ、数秒間のリール、今シーズンは雪が少なく、これでシーズンアウトでしょうかね。
2024/3/17追記:
SALOMON ADDIKT -Pro https://salomon.jp/products/addikt-pro-and-z12-l473553という板が気になり出した。試乗なしでいきなり購入するかも。前言撤回!サロモン攻めた面白い板つくるじゃないか!