いよいよUTMFまで残すところ2日と少し。
もうこうなったらネガティブなことは考えても仕方がないし、なるようになると割り切るしかない。
幸い怪我の状況もかなり良いようだ。
僕にとって、2013年のUTMBに続く2回目の100mileレース。
いったいどんな旅になるのだろうか?
今回のレースも以下のことを胸にしまって走りたいと思う。
1)感謝
2)思いやり
3)己に勝つ
まず「感謝」。
当初鏑木さんが考えられていたコースとは大きく異なり、時計周りとなった2014年のコース。
ここまでの道のりを思うと、鏑木さんはじめ、関係者の方々は本当に大変だったと思う。そういった関係者各位に感謝。そして毎回そうだが、トレイルを使わせて頂くことへの感謝。丈夫な体で生んでくれた両親への感謝。いつも理解してくれる妻への感謝。そういった感謝の念を胸にしまいながら、無事に帰ってくることを目指したい。
つぎに「思いやり」。
今回鏑木さんのお話を聞くと、すばしり付近での自然保護の兼ね合いなど、日本ではまだまだトレイルランニングそのものについて誤解があったり、偏見の目が少なからずあるのでは?と感じた。しかしながら、大会の規模等も含めて、これからも様々な試行錯誤が必要になってくるとも思った。UTMBですら試行錯誤があったわけだろうし、重要なのはそういった試行錯誤を重ねて継続することだと思った。Ultra-Trail® World Tourの第5戦にも組み込まれ、ますますこの大会の日本・世界のトレラン界に与える意義はさらに大きなものになっていくはず。
そうであれば、今後ともUTMFを継続的な大会にするには、ランナーのマナーの部分が非常に大切になってくると思う。そういった意味で、当たり前だが、他のランナーへの思いやりやトレイル上のゴミへの配慮などが非常に重要となってくると思う。「とにかく自然、山が大好きなんだよ!」そういったポジティブなメッセージを発信しつつ、他者およびトレイルへの思いやりを維持できるように、心に余裕を持ちながら、レースを楽しみたいと思っている。
最後に「己に勝つ」。
自分にとってUTMFは旅でもあるしレースでもある。僕としては、レースとなるとやはり出し切ったという感覚は非常に大事にしたい部分。UTMBで嫌という程思い知ったが、100mileはメンタルと自己管理が本当に重要。途中で己を忘れると必ずそれ相応の対価をきっちり払わなければならない。そして、距離が長ければ長い程何度も弱い自分が出てくる。そういった弱さは否定するのではなく、あえて受け入れ、上手く心を調整すれば必ず乗り越えられるものであると信じている。
“Accept my low point”
まさにこんな表現がぴったりくると思う。
それでは、参加される全選手(もちろんサポートの方も含む)の完走を祈念しつつ、以下の言葉で締めることとする。
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僕には心に刻んでいる一つの言葉がある。それは、鏑木さんの言葉。
「ゴールまでに全ての力を出し切る」
これ以外に何があるだろうか?
順位やタイムは、相対的なものであり、自分と他の選手の関係性の中で決まるものだ。
しかし、「全力を尽くすことは唯一、確かなものとして自分の中に残る」
※2011年ハセツネ優勝の相馬選手のレースレポートから抜粋。