Olympic Valley 0:00
いよいよスタート。着ていたダウンをサポートに渡して、ゆっくりゲートをくぐる。ほぼ最終位置からのスタート。気温は肌寒かったが、最初から登りなので、全く気にならない。
開始30秒で、眠気解消のためトメルミン(カフェイン)を接種する。
カフェイン抜きをしていたので抜群に効いて、さっきまでの眠気が嘘のよう。
スタート前に色々考えたが、ワサッチの時のように最初からテンションが低いままレースをするのは、精神的に厳しい。レース序盤に接種して、また後半にカフェインを取れば良いかなと考えた次第。
結果としてこの選択は正解で、これ以降、レース中に眠くなることはなかった。
Escarpmentへの登りは、心拍数140くらいでゆっくり登る。54分で頂上に到着。途中で太陽が出てきて、タホ湖も見えて本当に美しかった。
あとで順位を確認すると157位(383人中)で、全体の約半分ほどの順位で通過したようだ。
ここからLyon Ridgeに向けて下る。そして、タクジさんのブログにあったように渋滞に捕まる。抜こうか迷ったが、それなりに進んでいるので暫く様子見。
途中、我慢できず、何グループかパス。
そうこうしてる間にエイドが見えてきた。
Lyon Ridge 10.3mile 134位
(予定 1:54/実際 2:23)
Lyon Ridgeで、予定では氷をアイスバンダナに入れる予定だった。それは、ジローも14回も完走しているチャーリーからも言われていたこと。けれども、全く身体が暑さを感じていない。寧ろ寒くなりそうだったので、氷は使わずに出発。それにしても、この時点で21時間のペースからは30分近く、24時間ペースからも13分遅れている。
なるほど、この出力だとダメなんだな。
そう思って、少しペースを上げることにした。
Red Star Ridgeへ向かう途中、有名なクーガーロックを通った。テヴィス・カップで馬に乗りながらポーズをとる有名な場所。
テレビでその様子をみたことがあって、是非見てみたかった。テンションも否が応でもあがる!
それにしても、景色が最高。
アルプス感があるご機嫌なトレイルで、本当に楽しい。結局、次のエイドまで暑さは感じず。
Red Star Ridge 15.8mile 99位
(予定 2:54/実際 3:31)
Red Star Ridgeへは21時間ペースから35分遅れ、24時間ペースから12分遅れで到着。
まだまだ元気だが、気温も上がってきて暑さを感じ始めたので、エイドでアイスバンダナを装着。帽子にも氷を入れる。次はいよいよクルーと合流なので、それを楽しみに進む。
この辺から人もまばらになってきて、自分のペースで進められることに。
自分のペースだとやはりテンポ良く進めらる。Duncan Canyonには24時間ペースだとオンタイムで到着。
Duncan Canyon 24.4mile 103位
(予定 4:11/実際 5:00)
Duncan Canyonには藤岡さんご夫妻、シンヤさん達が待っていてくれた。素早くジェルを補充し、アーム、アイスバンダナ、帽子に氷を補充。
それにしてもサロモンのスピードボブは良かった。氷を結構入れても安定して走れ、頭頂部に氷がずっと当たってるので、本当に気持ちが良い。ICED CAPだと氷が左右に分かれてしまうとのことなので、僕はこちらの方が良いと感じた。ここまで相当抑えてるので、全く疲れがない。
次はクニさんが待っているRobinson Flat。
そこへ向かう登りの前にこんな池があり、ここぞとばかりに脚を冷却させる。
その後は、ダラダラと登るセクション。気温もグングン上がってきたが、氷のお陰でそれほど暑く感じない。あっさりエイド到着。
Robinson Flat 30.3mile 87位
(予定 5:27/実際 6:24)
エイドでは、クニさんが待っていてくれた。
僕は椅子に座っているだけで、靴を脱がせてくれて、ワセリンを塗り直し、靴下を交換していただけた。更に奥さんのデイジーさんお手製のおにぎりまでいただく。大先輩に大変恐縮であったが、本当に嬉しかった。
その前のセクションで、池で靴を濡らしていたので、この早めのソックス交換の判断は、好判断であった。
エイドを出ると走りやすいダブルトラックになる。ここから43.3mile地点のLast Chanceまでは僕の得意な走れるゆったりとした下り。ムリは禁物だが、ペースを上げる。すでに気温は30℃を超え、暑くなっているので、ここでも心拍数だけをみながら145bpmを超えないよう気持ちよく進む。
Dusty Corners 38mile 81位
(予定6:56/実際 7:44)
Dusty Cornersへは24時間ペースでは26分ほどの貯金、21時間では52分遅れで到着。クルーは予定より早い到着に焦っている様子(笑)
ここでタンクトップを交換。
ザックが肩甲骨の辺りに干渉する気がしたので変えたが、後々を考えると変えない方がよかった。
藤岡さんによると、前を行く高橋さんとは10分差らしい。大分差がつまってるな。と感じた。さらに、
”今年は全体的にタイムが遅めなのと、今良い感じなので、キャニオンでは無理しないように。”
とアドバイスをいただく。
シンヤさんに、
”調子良いです。デビルズサムまではアップのつもりでいきます!”
と伝えて、元気よく出発。
Last Chance 43.3mile 79位
(実際 7:45/予定 8:38)
いよいよキャニオンのほとり、Last Chanceにつく。ここでデポしてたイヤホンを装着。エイドの人に
“Extra earphones!!”
といわれたので
“Cuz the canyon is boring, right?”
と返して、笑われるw
ここのエイドは本当に凄かった。
エイドを出る時に、身体冷却専用チームがあって、ここてF1のピット並みの手際で、身体を冷やしてくれる。頭、ネック、アーム、背中。全部に氷を入れてくれて、氷水を含ませたスポンジ、霧吹きで瞬間冷却してくれる。
“さあ、いってこい!”
とエイドを送りだされ、いよいよ2つ連続するキャニオンに向かう。
Devil’s Thumbへはキャニオンを下り切って、登り返さないといけない。500mダウン、500mアップ的な感じ。
Last Chanceでクーリングしたので暑さはあまり感じない。トレイルの下りは確かに急だが、なんだか高尾のサーフェイスにそっくりだ。トラサルで練習してて良かったなと思ったw
谷底に降りると、見慣れた橋が掛かっている。Unbreakableでキリアンがぶっ飛ばして消えて行き、それを追いかけるトニーとジェフが走って渡っていった橋だ。
ふと下を見ると綺麗な川が流れていて、選手がドボンしている。
“入ると気持ち良いわよ!”
女性選手からの声に引き寄せられるように川へ。本当に気持ち良い!
でも、氷を入れたまま入ってしまい、気づいたら氷がだいぶ溶けてしまっていた。氷がなくなると一気に心配になる。
少し抑え気味にエイドを目指して登り返す。
登っていると少し気持ち悪くなってることに気づく。ゲップが正露丸の匂いだ。
実は、替えたタンクトップがなんだか思ったより保水する感じで、Last Cahnce以降お腹が冷える感じがして、下痢になるのが怖くて正露丸を飲んだのであった。そのせいか、急に胃腸が悪くなり、ジェルとか食べられなくなっているのに気づいた。
すぐにGUのロクテインエナジードリンク(サミットティー)中心の補給に切り替える。
こういう時は、ダメなものはすぐに見切りをつけ、大丈夫な選択肢にすぐにスイッチした方が良い。
“弊社R &D副社長のマグダブーレは、サミットティーだけを飲みながら2015年ウエスタンステーツを制覇しました!”
というフレーズがふと頭に浮かんだ。
よし!おれもこれで走り切るんだw いや、走り切れるはずw
エイドの手前で高橋さんに追いつく。
時差ボケ?眠気?でだいぶキツイ様子。
“少し休むのも手かもしれません!お互い頑張りましょう”
といってパスさせていただく。
Devil’s Thumb 47.8mile 73位
(予定 8:51/実際9:53)
ジェルを摂るのが少しキツイので、デポからはサミットティーの粉末だけをザックに入れる。
いつものレースよりも胃腸が悪くなるのが早い。さて、もうひとキャニオン。気にしてる暇はない。
El Dorado Creekに向かう下りは、暑さを感じた。気温は34℃ほどになったか。谷底から熱風がくるのが分かる。
サーフェイスは相変わらず高尾w
El Dorado Creek 52.9mile 70位
(予定 9:43/実際 10:56)
El Dorado Creekで頭とネックに氷を入れ、サミットティーを補充しすぐに出発。
Michigan Bluffまでの登りはなんだか凄い長く感じた。ジェルが取れないので推進力が弱くなっている。まあ、ただ、次のエイドはポプスィクルというアイスキャンディーがある!と思って進む。
Michigan Bluff 55.7mile 68位
(予定 10:33/実際 11:56)
エイドについて、ポプスィクルあるか?と聞くと無いという。なんと、実は、Devil’s Thumbにあるのだった!とんだ記憶違いをしていた。だいぶショックだ。。
とりあえず、胃腸が良く無いので、ピクルスジュースをいただいて、トボトボとエイドを後にする。
大分21時間ペースからは乖離しているが、24時間ペースでみると50分ほどの貯金がある。次はいよいよペーサーが着くForest hill だ!割と走りやすい道が続いていて、ふと、吐いたらスッキリするだろうか?
と思った。
ちょっと迷ったが、お試しに?w 吐いてみると、確かにスッキリした。
よし。次は成城石井の10倍ジンジャーがあるはず。それ飲んで仕切り直しだ。そう思って、Forest hillを目指した。