老婆心ながら…
以前読んだリカバリーに関する本によれば、24時間のウルトラマラソンから回復するには、早くても96日、遅いと144日かかるというデータがあります。(出典:The Athlete’s Guide to Recoveryのこちら。)
フルマラソンを122回とコムラッズ・マラソン(距離89キロの世界最古のウルトラマラソン)を34回完走した、ある南アフリカの長距離ランナーの追跡調査をしたところ、平均と比較して40代後半以降のパフォーマンスの低下が著しかったという記録が残っています。練習やレースによる脚の酷使により、筋肉や関節が負荷に耐えられなくなった結果だと言われています。野球のピッチャーの肘と同じように、過度に走ることで脚も消耗してしまいます。(出典:Lore of Running)
2013年にハードロック100を優勝したセバスチャン・セニョーはその一ヶ月半後に走ったUTMBでリタイアしただけでなく、その後のリカバリーにも苦労したようですし、今年のハードロック優勝者ジェイソン・シュラブもやはり今年のUTMBでリタイアしました。今年ウェスタン・ステイツとその三週間後のハードロックでともに上位入賞したジェフ・ブロウニングのような例もありますが、厳しいレースを短い間隔でこなし、かつ結果を残すことは、大変なだけでなく、あとあとの体への負担も大きいです。
この週末、UTMFを迎える方の中には、中一ヶ月、中数週間、あるいは強者になると信越五岳から中一週間でレースという方もいらっしゃると思いますが、より長くランニングライフを楽しむために、くれぐれも無理なさらぬよう、怪我に気をつけて。