6月24日〜25日に開催されたウェスタン・ステイツ・エンデュランス・ランを走ってきました。続き物の第一回です。
昨年12月に5回目の抽選で出走権を得て、2018年の最重要レースの一つと位置づけたウェスタン・ステイツ。上位入賞者に出走権が与えられるゴールデン・チケット・レースの一つがキャンセルになり、その枠がUltra Trail World Tourの上位選手に割り振られたため、例年以上にハイ・レベルなレースになる予想はついた。
テニスの大坂なおみ選手のように、若い人なら何かの機会に秘めた可能性が突然開花することもあるが、既に50以上のウルトラディスタンスを走ってきた46歳のジジイなんかにポテンシャルもへったくれもない。生理学的な衰えに抗い遅らせることはできても、大きな伸びしろを今更期待しようもない。エントリーリストを見る限り、さすがにトップ10に入るには完璧にレースを運んだ上に、更に多少の運も必要になってくるだろう。簡単ではないが、自分がコントロールできる範囲内で実現可能な目標として年初に掲げたのは「トップ20でのフィニッシュ」。
6月のレースから逆算して年間プランを練り、怪我に気をつけながら、暑さ対策に内陸へ赴いたり、レースの一ヶ月前にはトレーニング・ランに参加したりと、一介のランナーにできる範囲での準備をしてきた。
トレーニングをしながらどう走るかを何度も考えた。世界最古でアメリカ最高峰の100マイルレース、国内のみならず海外のトップ・ランナーも参加する。闇雲に突っ込んで若い奴らとスピード勝負を挑んだところで勝ち目がないのは目に見えている。コースを見る限り、上りは前半に集中している。中盤以降は下り基調だが、日中は厳しい暑さになるので無理は禁物だ。日が落ちて涼しくなる後半は比較的フラットで走りやすい。他人と勝負せず、自分のペースで進み、落ちてくるランナーを一人ひとり拾っていく展開がもっとも確率が高い。大体いつも同じ結論に落ち着いた。
これまでの100マイルでは妻のサポートだけを頼りに走ってきた。ペーサーをつけたこともなかった。自分が考える展開やリクエストは、いつもは自分の頭の中か、せいぜい妻に口頭で簡単に伝える程度だった。今回のレースでは昨年私がペーサーした西城さんが、逆に私のペーサーをしてくれる。加えて、カリフォルニアに住むマキコさんもクルーに加わってくれる。考えていること、やってほしいことを、ざっとスプレッド・シートに書き出して共有しておいた。
準備完了。あとは現地に赴き、Execution(実行)あるのみ。
(つづく)
3 コメント
[…] https://mountain-ma.com/pacificnorthwest/2018/06/27/western-states-100-1/ […]
[…] 第一回、第二回に引き続きウェスタン・ステイツ・エンデュランス・ランの連載、第三回です。 […]
[…] 第一回、第二回、第三回と続いたウェスタン・ステイツ・エンデュランス・ランの連載も遂に最終回です。 […]