2019年1月19〜20日にハワイで行われるHURT 100まで約一ヶ月。日本からも多くのランナーが参加する人気のレースですが、今回は上位を狙うランナーも実力伯仲で非常に面白いレースになること間違いなし。一緒に走ったことがあるランナーもたくさん出場していて、私もレースが本当に楽しみです。ということで、エントリーリストから上位をうかがうランナーを詳細にレビュー!
まずは男子から。
ミスターHURT100は間に合うか?
ゲイリー・ロビンス(Gary Robbins)… 過去UTMFで上位に入り、また近年はバークレー・マラソンズの走りで日本でもおなじみのゲイリー。岩がちで険しいノース・バンクーバーの山でトレーニングしていることもあり、アメリカでも随一のテクニカルなHURT 100もお手の物、4回出場して優勝3回、2位1回と圧倒的な強さを見せる。今年はバークレーのあとの故障が長引いていたが、ここに来てやっと走れる状態まで回復している様子。レースまでに体調を間に合わせることができれば断然の優勝候補だが如何に。(1月6日追記:臀部の怪我により出場を取りやめた模様。)
過去のトップ3経験者も虎視眈々
- ニカデマス・デ・ラ・ロサ(Nickademus De La Rosa)…トル・デ・ジアンやアンドラで2位に入るなど、タフなレースでめっぽう強いニック。HURTは過去4回出場して、2013年と2015年に3位でフィニッシュ。最近、結婚を機に私のご近所ワシントン州ベリンガムに引っ越して来て、先日私が山を走っている時に偶然遭遇。奥さんのジェイドも今回のHURTにエントリー。美人カップルでそろって上位入賞を狙う。
- アレックス・ナン(Alex Nunn)… 地元ホノルルからのエントリー。HURTは過去3回出場して、2014年に3位、2015年には2位に入っている。一昨年は前半に超ハイペースで飛ばし、一周目から後続を突き放しにかかったものの、二周目に入り体調を崩して結局7位でゴール。今年もロコの声援を浴びながら強い走りを見せるか。
- 藤岡正純 … というわけで私。HURTには過去2度出場。2017年は先行、2018年は後方待機と脚質を使い分け、いずれも3位に入っている。必ずしもテクニカルなコースを得意としているわけではないものの、タフなレースは好物な模様。今回の抱負は「あんまりバチバチやらずに、特に前半はボチボチ楽しもうと思います。」だそうな。
100マイルの強者たちも名を連ねる
- ネイト・ジャカ(Nate Jaqua)… 元アメリカプロサッカーリーグMLSのシアトル・サウンダーズのディフェンダー。San Diego 100やPine to Palmで優勝するなど100マイルは得意距離。私も何度も一緒のレースを走っているが、ゆっくりスタートして後半に捲ってくるのがいつもの彼の展開。今回も後方一気が炸裂するか。
- トレボー・フックス(Trevor Fuchs)… グランドスラムの一つWasatch 100で2度優勝。昨年のHURTでは速いペースの先行グループで競い共倒れ、5位に終わったが、今回は雪辱に燃える。
- ブライアン・エイストライク(Brian Oestrike)… 大きな100マイルレースでの優勝経験はないものの、Bighorn 100で3位、Bear 100で4位に入るなど実力は十分。昨年のHURTでは途中コースロストや体調不良で順位を落としつつも、最後は怒涛の追い上げで4位に入っている。
若手も鼻息荒い
- アンソニー・リー(Anthony Lee)… 新しい刺激を求めて最近ワシントン州からコロラド州に最近引っ越した若干24歳のアンソニー。CBD企業からのスポンサーを受けてCannathlete(大麻アスリート)と名乗ったり、短パンジーンズ姿で走ってJortsrunnerと名乗ったり(ちなみにJortsはJeans とShortsを合わせた言葉)、いろいろキャラクターをつけて走っている彼はとてもフレンドリー。私も何度も彼と走っているが、High Lonesome 100で優勝するなどハマれば滅法速い一方、飛ばしすぎて失速という展開も多い。今回はムラっ気がどちらにでるか?
ベテラン勢は如何に?
- マイケル・ワーディアン(Michael Wardian)… 国内、国外、ロード、トレイル問わず休みなくひっきりなしにレースに出ている印象のマイケル・ワーディアン。一緒に走ったときの印象だと、HURTのようなテクニカルなコースより走れるレースのほうが得意そうだが、そこは百戦錬磨、侮ってはいけない。
- ポール・テラノバ(Paul Terranova)… 既に100戦近くのトレイルレースをこなし、実績十分のベテラン。カリフォルニアやテキサスがホームグラウンドで、暑さへの耐性も十分。安定感のあるレース運びをハワイでも見せるか?
上位を狙う日本からの参戦組
- 田中”JR”裕康 … UTMFで11位、信越で2位と2018年も着実に日本で結果を残しており、日本からの参戦組の中では現在もっとも熱い。ハワイの地でも淡々と定刻運行を貫ぬいて上位に食い込むか。
- 井原知一 … 言わずと知れた100マイル職人。今年で6度目のHURT。高尾に引っ越してますます充実の様子。今回もいつもの後方待機から強烈な捲りで魅せる。
続いて女子。
優勝候補はこの人
- サブリナ・スタンレー(Sabrina Stanley)… トレイルを初めてまだ3年ほどだがHardrock 100で優勝、Western States 100で3位の経験を持つ彼女。前回のHURTでは3位。優勝候補の最右翼。
表彰台争い
- キャンディス・バート(Candice Burt)… HURTでは過去に2位2回、3位1回と常連組のキャンディス。最近は200マイルレースのレースディレクターなどで忙しい日々を送るが、上位に絡む実力は十分。
- デニス・ボーラサ(Denise Bourassa)… 49歳になっても大きなレースで上位に入る彼女。HURTでは過去に優勝と2位の経験あり。
- カトリーヌ・クシック(Kathleen Cusick)… こちらもベテラン。温かいフロリダからの参戦とあって、温かいHURTはどんと来い。
- ジェイド・デ・ラ・ロサ(Jade De La Rosa)… ニックの奥さん。短い距離では着実に結果を残している。初の100マイルタイトルなるか?
日本から上位を狙う
- 野田麻利江 … 今年の信越で6位、おんたけで2位と日本での100マイルの実績は十分。旦那さんのサポートを受けてアメリカでも強い走りを見せるか。
1 コメント
[…] スタートからニックとトレボーのペースが速いので、ついていかずに自分のペースで進んでいたつもりだったが、一周目のラップが3時間40分を切っていた。普段からあまり時計を見 […]