コーチングさせてもらっている複数の方がKOUMI 100に出場していたこともあり、ライブ・トラッキングを追いかけながらレースの状況を眺めていました。
KOUMIは周回レースということもあり、ペース配分を見るのにはもってこいのレースです。最適なペース配分については2020年のKOUMIでも考察しましたが、KOUMIに限らず長い距離のレースではできるだけイーブンに近づけたほうが失敗のリスクを減らすことができると考えられます。
今年のレースで一周目のトップ10が最終的にどのような順位だったかを見てみましょう。一周目のトップ3は最終的にはトップ20に入ることも出来ませんでした。
一方、最終的なトップ10が一周目にどのようなペースで入ってきたかを見てみましょう。20位以下で一周目を終えたランナー3人がトップ10に届いています。また2位、3位の方々は1週目は10位以下でした。
力が余っている前半は当然強度も出やすいですが、強度が高ければランニング・エコノミーは下がります。かつスピードとエネルギーコストの関係は直線的な関係でなく、スピードを上げるほどコストは大きくなります。つまり力が余っている前半に早く走れば、それだけたくさんのエネルギーを使ってしまいます。
気温が高い場合も同様で、スピードを上げればより大きなエネルギーを浪費します。暑い日はとりわけオーバー・ペースで入ることはレースを難しくします。
先頭についていくことは、そのペースが自分に合っている場合は有利に働くため、必ずしも誤りとは言えません。今回の場合、鬼塚さんにとっては一周目のペースも必ずしも無理のないペースだったのではないかと思います。一方、自分のペースに合わないにもかかわらず無理についていくのは、単独で走るよりもデメリットが大きくなるという考察があります。
100マイルの経験が少ない人は、はじめのうちは余裕を感じて意外と速いペースでも行けるのではと感じることがあるかもしれません。(私もそうでした。)それで走りきれてしまうケースもあると思いますが、多くの場合、100マイルを一回走ってみると、思った以上にゆっくり走ることが重要だと感じるのではないかと思います。
適切なペースを掴むのには経験も重要なため、今回ペース配分で失敗したとしても、その後のレースに活かすことができれば必ず先々よい結果に繋がってくるでしょう。