6年前から公言していた、今年のUTMBで年代別トップ3に入るという目標。
2014年から3年連続でUTMBに出場し、2016年はベストに近いレースだった一方で、その時点で44歳と年齢的にはもう大きな上積みは見込めないという気持ちと、UTMBと時期的に近い他の魅力的なレースを走りたい気持ちがあった。しばらくUTMBから離れて、50歳まで走力を維持して再び戻ってきたときにどれだけ走れるか。そんな考えから立てた目標だった。
2016年以降、この目標を最優先にして自身のトレーニングや出場するレースに対してアプローチしてきた。
目標を実現する上で必要なのは「走力を下げないこと」と「確率を上げること」の2つ。
走力的には2014〜2016年のUTMBと同じ走力を維持できれば年齢別トップ3には十分だろう。とはいえ現実にはやはり走力の維持は難しい。実際、年齢を重ねるごとに少し走力は落ちた。それでも落ち幅は最小限に抑えられたと思う。
一方、確率を上げるという点に関しては懸念が大きかった。ここ2年ほど100マイルのレースでは胃腸トラブルが多く、結果が安定しなかった。UTMBに向け胃腸の問題をいかに起こさないで走るかが課題で、そのためにレース直前にはグルコースモニターを使ってトレーニングやレース中の血糖値を観察し、その上でUTMBに向けた補給プランを練ったりした。
設定した目標に対して必要な準備をしたうえで、実際のレースで持っているパフォーマンスをいかに出せるか。サッカーでも野球でも順位はいかに勝率が高いかで決まる。気持ちや頑張りだけではいかんともしがたい。
そもそも出走する権利も保証されていなかったけれど、昨年のVal d’Aran by UTMBでなんとか出走権を得て今年のUTMBのスタートラインに立つことができた。自分なりにできる準備はした。UTMB Indexで見れば年齢別で上から3番目。走力という点では一応、目標を達成できるレベルにある。あとはレース中のトラブルをいかに防ぐか。
レースの前日、目標を達成できる確率はどれくらいあるだろうと考えてみた。5割も無いかな、10〜20%くらいだろうか。自信の有る無しではなく、UTMB Indexでもトップ3のギリギリ、そして最近の100マイルの安定性のなさからすると、現実的にそんなもんじゃないかと考えていた。