一週間のうちの最大一時間を使って、気になったことを気の向くままに書く「トレイルランニング一時間一本勝負」の第三回です。
日本では週末にKobe Trailが開催されましたが、21kmの部はGolden Trail Seriesの一戦として欧州やアフリカを中心に強豪選手が集まり、盛り上がったようですね。
男子で優勝したPatrick Kipngenoのハーフマラソンのタイムは1:02:42。短い距離のトレイル・レースでは平地力と相関が高いとされます。
同レースに参加されていた萩谷楓さん。オリンピアンでトラックの長距離選手として活躍されていましたが、最近トレイルでの活躍が目覚ましいですね。それでも日本では、まだロードマラソンやトラック競技と、トレイル・ランニングとの垣根は比較的高く、エリートのマラソン選手がトレイルを走るのはすくなく、あってもトラックやロードのマラソンで活躍した後に、トレイルに転向というケースがある程度でしょうか。
翻ってアメリカ。マラソン・メジャー(Boston、New York、Chicago)のあるアメリカ東海岸や中西部はわかりませんが、アメリカ西海岸の雰囲気としてはトレイルとマラソンの垣根は低く、地続きのように見えます。トレイルで名の売れているJim WalmsleyやSage Canadayもかつてアメリカのオリンピック・トライアルに出たことがあります。
また今年のパリ・オリンピックのマラソンでアメリカ代表の座を獲得した女子ランナー Dakotah Lindwurm。実は以前にトレイルのレースで複数回の優勝経験があります。
日本では歴史的に駅伝やトラックからマラソンに進むという路線が多いのに対して、アメリカではクロスカントリーが盛んだということも、こうしたことの背景としてあるでしょうか。
今年の箱根駅伝のサッポロビールのCMはかつての箱根ランナーで、その後マラソンやトラック競技で活躍されたランナーが出ていたようですね。
一方、先週行われたボストンマラソンで流れたCMに登場したのはウルトラランナーのCamille Herronでした。
There’s terminology, Tall Poppy Syndrome, where somebody who stands out, esp. a woman, people resent that. They want to cut down the Tall Poppy to be at the same level as others. A mental health pro told me to keep being a Tall Poppy.
Watch the Boston Marathon for this to air📺! pic.twitter.com/E07ZkUendT
— Camille Herron 🦸♀️ (@runcamille) April 13, 2024
私が先週走ったLake Sonoma 50からほど近いカリフォルニアの町Healdsburgのランニング・ショップにでかでかと掲げられているポスターはCourtney Dauwalterでした。
先日行われたBarkley Marathonsは、アメリカでは X(ツイッター)でトレンド入りしました。
アメリカではBarkley Marathonsがトレンド入りしています。 pic.twitter.com/mOg65FvFEF
— 藤岡正純 / Masazumi Fujioka (@masazooomi) March 22, 2024
Barkley Marathonsで女性として初めて完走したJasmin Parisはラグビーのキックオフでボールを運ぶ役を任されました。
Ultramarathon runner Jasmin Paris will be delivering the match ball for tomorrow's @Womens6Nations game.
We encourage all fans to be in their seats promptly to give her the welcome her inspirational efforts deserve.#AsOne pic.twitter.com/dP4xfc8Q0K
— Scottish Rugby (@Scotlandteam) March 29, 2024
UTMBの中継メディアとして、これまでのフランスの最大手スポーツ誌のL’Équipeや、同様にアメリカの大手スポーツ誌Outsideなどに加えて、新たにDAZNが加わることが発表されました。縦割りでチームに番記者がつき新しいスポーツへの開拓が進まない日本のスポーツ新聞にはない動きかもしれません。
DAZN、L’Équipe、Outside、iQIYIがUTMBワールドシリーズのオフィシャルメディアパートナーに、各社プラットフォームでライブ配信
日本ではまだトレイル・ランニングはマイナースポーツだととらえる人も多そうですが、その間に違う世界では違う基準やスピードで物事が動いているかもしれません。