一週間のうちの最大一時間を使って、気になったことを気の向くままに書く「トレイルランニング一時間一本勝負」。
先週はアリゾナ州で250マイルのレース Cocodona 250 が開催されていました。100マイル地点から先頭に立った御年53歳のJeff Browningがゴールの数マイル手前までリードを守っていましたが、呼吸器系のトラブルで口での呼吸が困難になり大きくペースダウン、最後に抜かれて2位でのフィニッシュ。50歳を超えてもHardrockやWestern Statesでも上位でフィニッシュする能力を維持しているJeff、今回、優勝はならなかったものの素晴らしい走りを見せてくれました。
このCocodona 250では73歳のランナーが二人完走したこと、17歳のランナーがフィニッシュしたことも話題になっています。
話は変わってヨーロッパから。スイスのローカルTV局でトレイル・ランニングの話題が扱われていました。おおまかな内容としては、前半がトレイルランニングのアカデミーで若いランナーが現在活躍しているランナーに触発を受けて将来の活躍を夢見てトレーニングしているという話と、アカデミーで教えている人がUTMBに参加するという話、後半は著名な研究者がウルトラ・トレイルを走るうえでの重要な要素を語るという内容です。
アメリカもヨーロッパも、地域にもよってくるとは思いますが、若いランナーがトレイル・ランニングやウルトラ・ディスタンスを目指すことは珍しくない様子。
そういえばUTMBも若者を対象にしたYCCをやっていますね。トレイルのレースの裾野を広く取れている印象です。この週末に開催された比叡山インターナショナルも22歳以下に対してエントリー費用の割引があったようですね。
日本の人口ピラミッドを見ると、50歳あたりの人口が多く、それより若い世代の人口は急速にしりすぼみという状況。やもするとトレイルランニングやマラソンは中高年のスポーツと捉えられがちな傾向もあるでしょうか。
アメリカやヨーロッパでも出生率が下がる傾向があるとはいえ、人口に占める若い世代の割合は日本ほど急速に減っている状況ではありません。
レース主催者も必然的に訴求が中年以降中心になっているかもしれませんが、将来にわたってレースを維持することや世界との競争力を考えたときに、どこにターゲットを向けていくかは悩ましいところですね。