思い立ったが山日和、新潟の山へ
ゴールデンウィーク初日の4月29日、前夜になって急に山に行きたくなり、新潟方面へと車を走らせた。天気予報をチェックすると、好天の兆しがあった。
目指したのは、新潟と群馬の県境に位置する巻機山(まきはたやま)。標高は1,967mと決して高くはないが、上越の豪雪地帯に属するため、ゴールデンウィークであっても豊富な残雪が期待できる。
白銀と青空が織りなす、息を呑む展望
巻機山山頂からの景色は、ただただ見事であった。
これを見るために登ったと心から思える絶景が、そこには広がっていた。
雪をまとった山々の稜線が、青空を背景にくっきりと浮かび上がる。
360度の展望が開け、越後三山、谷川連峰、上信越、そして福島の山々まで、遥か遠くの峰々が一望できた。
あまりに見入ってしまい、時の経過を忘れてしまうほどであった。
ウルトラから山へ、再び自然の中へ戻る
この春は、ウルトラマラソンのトレーニングに集中していたこともあり、ロードを走る日々が続いていた。4月19日のチャレンジ富士五湖100kmを終えて、ようやく気持ちも体も一区切り。
ふと振り返ると、山に登るのは実に5か月ぶりだった。
「山度数」なるものがあるとすれば、かなりの低下が疑われるレベルである。
だがこの日、巻機山に立ち、雪の中を歩き、風に吹かれながら山を眺めることで、改めて気づかされた。
自分にとって、山はなくてはならない場所なのだと。
これからはトレイルへ、自然の中に身を置く
これからは、ロードからトレイルへとフィールドを移していきたい。
ウルトラのシーズンがひと段落した今、自然の中に身を置き、心と体を整えていく時間を大切にしたいと感じている。
残雪の巻機山は、そんな転換期にふさわしい静けさと雄大さをたたえた山だった。
また新たな一歩を、山の中で踏み出すことができた。