2022年8月19日〜21日の2泊3日の南八ヶ岳縦走の旅日記 後半。
キレット小屋前で小休止後、赤岳を目指した。標高差459mの登り返し。権現岳から赤岳間の縦走路の核心部に気は抜けない。
ガレた長いルンゼを落石を起こさないように慎重に登る。
東側には大天狗と小天狗が突き上げている。
竜頭峰のピークを巻く。クサリ場を経て、赤岳山頂に到着した。
赤岳山頂稜線では西風がさらに強く吹いていた。強風に恐怖も3割増しに感じられる。赤岳頂上を目指して南下してくる多数のハイカーと登山道を譲り合いながら北進した。
横岳はギザギザの岩峰群が連なる稜線を持つ。相変わらずクサリ、ハシゴ、トラバース、ナイフリッジと変化があるが、権現岳から赤岳間に比較して難易度は高くはない。
稜線上の鞍部が風の通り道となっていた。硫黄岳山荘付近では身体が吹き飛ばされそうな暴風だった。低い姿勢で足早に先を目指した。
暴風に耐えながら硫黄岳へ。爆裂火口に雲が掛かり始めた。
硫黄岳山頂付近に長居することなく足早に夏沢峠へ。標高2240mの夏沢峠に到着。
箕冠山山頂は団体ハイカーが休憩中で山頂標識を確認しないまま通過。
昼食に立ち寄った根石岳山荘から外に出たら風だけでなく雨も強くなっていた。とりあえず、予定通り根石岳山頂を踏んだ。二人で相談して、東天狗岳、西天狗岳の登頂を断念。予定を切り上げた。根石岳を北側に下り、分岐から白砂新道を本沢温泉へ下ることにした。
13時過ぎに本沢温泉に到着。受付でテント泊代と野天風呂入浴代の計2000円を支払い、テント場へ。雨風を少しでも防げそうな木立の下にテントを設営。
この旅の最終目的地の日本最高処標高2150mにある野天風呂「雲上の湯」へ。
本沢温泉の宿から10分ほどの渓流沿いに質素な湯船が設置されていた。地中から湧き出す白濁した湯を掛け流している。白濁した湯の温度は適温。何度か温浴と外気浴を繰り返しているうちに多幸感に満たされた。この日、雨雲に隠れて見えなかったが、翌朝の朝風呂の際、硫黄岳の爆裂火口が荒々しい岩壁を見せていた。
2日目、悪天候の中の南八ヶ岳縦走と本沢温泉。緊張と癒やしとコントラストのある体験だった。ココロとカラダが満たされた僕らは最終日の登山予定を変更。朝風呂後、本沢温泉から稲子登山口へ下り、小海線松原湖駅から帰路についた。