土曜日は7時過ぎに畑薙ダムの沼平駐車場に到着。
天気予報が良くないこともあってか誰もいません。
7時半に出発、静岡市内は雨が降ってましたがまだ晴れてます。
リニアの影響か、序盤の林道が少し舗装されてました。
25分で大吊橋到着。

舗装されてました

吊橋
ヤレヤレ峠までのトラバースは少しずつ崩壊していて、ロープが何か所か張られてます。
重い荷物の方は特に慎重に。けっこう気を遣います。
ウソッコ沢までは、一昨年、去年の台風でかなりやられています。
1号橋と3号橋が落ちていて木の橋がかかっていますが、濡れていると滑ります。
今回は凍結していませんでしたが、場合によっては沢をザブザブ渡った方が安全かもしれません。判断は慎重に。
沢沿いに登山道がつけられていますが、夜だと迷いやすいと思います。
ウソッコ沢小屋のすぐ先の橋も落ちていて慎重に。
写真だと大丈夫なようにも見えてしまうのであえてアップしませんが、
今年の夏のレース出場をお考えの方は、必ず事前に様子を見ておくのをオススメします。
疲れきったカラダで通るのは大変だと思います。
横窪峠からの下りも通行止めでトラバースしますが、
ここはメチャクチャ凍結しているのでスパイク必須。アイゼンがオススメです。
横窪沢小屋には2時間半で到着。雪が少ないので水がラクにとれました。

横窪沢小屋
出発のころには雪が降り始め、1800mあたりからは登山道にも雪。
トレランシューズのままチェーンスパイクで。
古いトレースが所々残っていて、ラッセルは小屋の手前だけ。
4時間45分で茶臼小屋到着。雪、風とも強くなってきたので冬季小屋にお世話に。
間もなく吹雪になり今日の午後はステイです。
夜は暴風で小屋が鳴っていました。
茶臼小屋はDocomoの電波が入るのと、すぐに樹林帯に戻るので安心です。

茶臼小屋

吹雪
翌朝も変わらず吹雪でステイ。
12時前までシュラフで休みながら、1時間おきに外を見るの繰り返し。
昼前にようやくガスがとれてきて、風も少しだけ弱くなったので準備をして12時45分に出発。
稜線に上がるとすごい風、歩くのがやっと。上河内岳、聖岳はガスの中。
途中スノーシューラッセルでしたが、上河内岳手前からはアイゼンです。
1時間半ちょっとで上河内岳の肩、ガスガスなのでピークはスルーして先へ。

茶臼小屋から富士山

ガスでピークは見えず
南岳までは30分。夏道ではなく稜線を進みます。
ちょっとしたナイフリッジもあるので要注意。
樹林帯に降りてからがけっこうなラッセル。
昨日今日でけっこう積もったようで聖平小屋まで2時間。
聖平はスノーシュー日和でした。
今日も冬季小屋にお世話に、本当に感謝です。

聖平

聖平小屋
翌朝は6時15分スタート。ようやく晴れも風が強い。まぁまぁのスノーシューラッセル。
2600mあたりで急にほぼ空身の先行パーティが現れ、
どこに泊まっていたんだろう… 直前までトレースも無かったし。途中かな。便ヶ島からか…
アイゼン、ピッケルに換装して聖岳へ。
前聖からの聖が素晴らしい。

前聖から聖岳
先行パーティ4人は2750mあたりでアンザイレン、の間にかなり追いつき、
まぁまぁクラストしつつもそれほど難しくない急斜面を徐々に追いつきます。
2900m付近で先行し、夏道はツルツルなので雪のついた急斜面を直登。
2時間45分で聖岳到着、暴風で立っていられず写真は撮れず。
匍匐前進で奥聖岳との間のコルに進み小休止。
ちょっとした窪みなのですが、ここは本当に風が弱いです。

奥聖岳方面から聖岳

奥聖岳
さぁ、初見の聖岳東尾根へ。ここは冬季限定ルートです。
いきなり核心の急な下り、集中力120%。
ルートチョイスが難しく、アイゼンも刺さりにくく、絶対にミスが許されない。
風も強いので何度も耐風姿勢。手にも力が入り凍傷にならないようこまめにマッサージ。
その後も急下降のナイフリッジが連続、バックステップを多用し、ルートチョイスに最大限の神経を。
東聖岳まで登り返すと少しだけ風が弱くなります。

赤石岳

上河内岳
東聖岳からは少しなだらかになりますが、まだまだクラストした急な下りがあり気が抜けません。
ナイフリッジもずっと続くので本当に集中力の勝負です。
赤石岳側からの風が強く、リッジの左右で雪面の硬さが全く違うので歩くのが大変。
白蓬ノ頭の手前でようやくなだらかになりスノーシューに換装。
振り返ると今来た稜線がスゴい。

聖岳からの稜線

白蓬ノ頭から兎岳方面
ここからはひたすらスノーシューラッセル。思ったより時間がかかります。
序盤ルートファインディングに少し時間がかかりGPSを使いましたが、
地形はシンプルな尾根下りなので地図読みはちょっとで済み、
途中からピンク色のテープや赤のマーキングに従って順調に。
椹島と出会小屋跡の分岐まではスノーシューのまま。ここで12時40分。

スノーシュー日和

マーキングあり
ここからは急な下り、倒木も多くアイゼンに履き替えて慎重に下ります。
標高1800mあたりからは雪が薄くなり、アイゼンだと歩きにくい。
かなり慎重に時間をかけてくだり、1400mあたりでようやくトレランシューズに履き替え。
さらに出会小屋跡の先が台風で大規模に崩落していて、
東尾根から下ったところがちょうど聖沢登山口への下りとぶつかっているところが以前と違います。
ここがまた下りにくく、特に重い荷物だとグリップが利きにくいのでかなり慎重に。
けっこう時間がかかって15時20分に林道に無事到着。
時速6kmぐらい、2時間20分で沼平駐車場に戻り2泊3日の山行は無事終了。

下は雪はありません

聖沢登山口
聖岳東尾根、厳冬期の前後の方が、雪も緩み登下降しやすいと思います。
登りはそれほどでもないと思いますが、トレースの無い下りはかなり神経を使いました。
カチカチの急な下りと、ナイフリッジの連続は、ミスの許されない時間が長く続きます。
登りで使い、そのまま戻るのがオススメです。
これで南ア南部のメジャーなところだと、残すは赤石岳のラクダの背だけになりました。
また来年以降、ルートをよく調べてチャレンジしてみたいと思ってます。