9月終わりから続いた繁忙期がようやく終わり、久しぶりに長時間山行へ。
土曜日は0時半に吉野駅をスタート。
雨もようやく上がり、登山の方もちらほらいる中、
奥千本までを歩いたり走ったりしながら進みます。
序盤でファストパッキングの方2名の方と前後しながらパスしようとしたところ、
まさかの関西の某TJAR戦士の方でした。
社会状況が落ち着いたらぜひご一緒したいです。
山上ヶ岳に近づくにつれ暴風でガスガス、
全然スピードが上がらずゆっくり、雨もパラパラで寒い。
今回、MMAの渋井さんからサンプルで、
POLARTECのPower woolのミッドレイヤーをいただき、これがメチャメチャいいです。
保温性と速乾性の両立、長時間行動に最適なタイトすぎないシルエット、
素材の特性が十二分に引き出されていて、
ストレスフリーで着続けられます。
久しぶりに「これだ!」という一品に仕上がっていました。
山上ヶ岳はまだ暗いので早々にパスして次へ。
しばらく行くと女人結界の終点。
このあたりから明るくなり、気持ちのいい森のアップダウンです。
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女人結界
行者還あたりからはちらほらとハイカーの方も増え、
少しずつガスも晴れて青空も。
暴風は変わらずで、空がうなり続けます。
弥山の登りでは吹き飛ばされそうになって、匍匐の方や木につかまっている方もいました。
弥山小屋では風を避けて沢山の人が休憩。
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道標充実してます
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弥山小屋
続いて八経ヶ岳へ、ハイカーの方が多いです。
風が強く山頂はすぐに通過。
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八経ヶ岳
次の楊子ヶ宿では小屋で休憩しているハイカーの方が。
ここの小屋は立派で、2泊3日のユルファストパッキングならここが1泊目。
(と、言ってもここまで10時間はみておいた方がいいですが…)
八経ヶ岳が近づくにつれ笹が濃くなってきます。
脛ぐらいですがトレイルは見えないのでゆっくりになります。
釈迦ヶ岳あたりまで来るとようやく風が少し収まりました。
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釈迦ヶ岳
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振り返って弥山方面
八経ヶ岳からの下りは笹が濃いです。
深仙小屋にはテントが一張り。
水場はチョロチョロですが、登山道近くなのでここは重宝します。
他の水場は少し登山道から歩きます。
少し行くと南奥駈道の道標。
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笹地帯です。
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南奥駈道
ここからはとにかく激坂のアップダウンが果てしなく続きます。
ただ笹は無くなるので歩きにくくはないです。
地蔵岳、涅槃岳と、尖った山容の激坂が続きます。
持経ノ宿は人が何人かすでに到着していて泊まるよう。
平治ノ宿まで行くと暗くなりました。
行仙宿はかなり賑わっていて宴会中の小屋の外で補給。
2泊3日ならここが2日目かな。
笠捨山から香精山までは激坂アップダウン、
ようやく下り基調で、玉置山への登り返しで一気に眠気がきてペースダウン。
この2か月の寝不足、疲れでカラダは本当に正直です。
眠気が来るのが元気なときより24時間早い感じ。
とはいえ、この感覚、歌ったり大声出したりしてもどうにもならない強烈さはレースに近い。
2020年は1月のSPINE RACE、1レースだけだったので、
限界までは追い込まずとも、久しぶりにこの感覚を味わいます。
こういう時はロストが恐いので、分岐では慎重に地図、コンパスで確かめます。
夜の玉置神社は灯りがともっています。
気持ちよく下り、林道から大森山への登り返しであまりの眠気に5分の仮眠×2回。
さすがに疲れで眠気がごまかせなくなってきたので後はゆっくり。
少しガスも出てきて、星空が見えたり消えたりの2晩目。
この後も激坂のアップダウンが、下山直前の最後の最後まで続きます。
ようやく下山すると熊野本宮大社までは1.6kmの標示。
26時間ぐらいで無事到着。
本当は小辺路も行きたいと思っていたけど、
程よいダメージだったのと天気がイマイチだったので、
朝まで仮眠して7時過ぎの大和八木駅行バスで帰路へ。
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熊野本宮大社
関西の偉大なTJAR先輩はここを24時間で行かれるということで、本当にすごいです、尊敬。
分岐や水場などコースを知っていれば時間短縮はできると思いますが、
それでも24時間はダメージ覚悟でそこそこ追い込んで、
装備も秋のファストパッキングより軽量化して初めてできるかなという感じ。
後はスタートの時間帯をいつにするかによって、
どの区間を暗い時間に通過するのかもかなり変わるところ。
このあたりは面白み、コースの醍醐味ということで書きすぎないようにします。
4年ぶりの修行の道、こんな状況なので関西の諸先輩方にご挨拶できずほぼ人との接触0で帰りましたが、
また落ち着いたら、ぜひ今度はみなさんとご一緒したいです。