TOY(Tor des Yamanashi)
9月10日から17日まで8日間で、山梨県をグルッと1周してきました。
468km、D±35,000m、行動時間は127時間24分。
1日平均16時間行動、シェルター泊7時間弱睡眠で丸8日。
ずっっとやりたかった山梨グルッと1周、昨晩無事つなぐことができました。
本当にキツかったけど、山梨の山は、最高ですね。
地図は↓のようになりました。
【Tor des Glacierからの山梨1周】
山梨の山々はよく登っているのですが、
それを「繋ごう」と明確に思うようになったのは、
やはり今まさにイタリアで開催されているTor des Glacierに2019年参加したのが大きいです。
https://www.tordesgeants.it/system/files_force/uploads/2021-TORX-portable-roadbook-print.pdf?download=1
Glacielはイタリアの左上にあるアオスタ州をグルッと1周します。
同時開催のTor des Geantsは、どちらかというと内側の里山もつないだ200マイル(330km)レースですが、
Glacielは、標高3,500m以上の氷河地帯を除いて、可能な限り外側の高所をつないだ300マイルのレースです。
エイドステーションもほとんどなく、3か所だけ荷物を運んでもらえるライフベースがあります。
2020年に甲府盆地の周りをつなぐ200マイルを11月にヤマケンさんがされていますが、
山梨をグルッとする以上やはり南アルプスと八ヶ岳、そして富士山は絶対に入れたい。
これが前提となってコースを考えました。
【富士山にいつ登るか?】
この時、記録としてオープンにすることを考えると、
富士山は登山道が開放されている期間に登る必要があります。今年は9月10日が最終日。
7月・8月は暑くて道志など標高の低い所の水切れの心配があるためやるなら9月と思っていましたが、
9月はTor des Glacierの開催月のため出場する間は難しいなと思っていました。
今年はイタリアに行くことは叶いませんでしたが、
せっかくの機会なので実行することにしました。
この時、旅の後半に富士山を持ってくると、
スケジュールが遅れたときに9月10日に間に合わなくなる可能性もあることや、
全体のスケジュールはなるべく涼しい9月後半の方が良いだろうということで、
最初に富士山を持ってくることを考えました。
そして富士山のルートをどこにするかですが、
精進湖登山口は天子山塊とのつなぎで利用するとして、
吉田口か須走口かを考え、山中湖畔のトレイルとの接続や、
やはり地図上でルートが「山梨県っぽい!」と見えるかどうかを考え、
わずかに静岡県側でも須走口だろうということで道の駅すばしりをルートに入れました。
【時計回りか? 反時計回りか?】
次に、富士山スタートとして時計回りにするか反時計回りにするかということで迷いました。
これは最終的には、1日目のビバークまでどれくらい時間がかかるかという観点で選びました。
反時計回りにすると、夜明け前スタートで富士山通過後道の駅すばしり到着まで7時間はかかるだろう、
そこから山中湖畔・道志を経て上野原へ抜けようとすると日付をまたぐ可能性もある。
途中でビバークしようにもテン場は無く、水場も無いため下山する必要あり。
またこの時期の道志はヤマビルがたくさんいてビバークにはあまり適さない。
ということで、精進湖スタートは選択肢から消えました。
次にスタートを南部町や天子山塊麓の上佐野にし、
1日目の夕刻や2日目に富士山を通過することも考えましたが、
行き・帰りともアクセスが大変なことや、万が一遅れた場合に富士山通過が9月11日以降になってしまう可能性も考え、
これも選択肢から消えました。
では時計回りとして、スタートをどこにするか、ということで、
上野原スタートであれば行き・帰りともスムーズなのですが、
やはり道志・山中湖畔からの富士山を越えて本栖湖のキャンプ場適地まで行くとなると、
相当の時間がかかり1日目からカラダのダメージがピークになってしまうことからこれは無し。
最後に残ったのが道の駅すばしりスタートで時計回りにするということでした。
ここなら御殿場や河口湖方面へのバスも遅い時間帯まで多く通っていてアクセスがしやすいです。
【青薙崩・鋸岳・小川山バリエーションルートをどうするか?】
次に、県境がどこかというのをエリアごとに地図を見ながら調べていきました。
昭文社の山と高原地図とYAMAPで確認し、青薙崩・鋸岳・小川山バリエーションルートをどうしたものか、と迷いました。
青薙崩は、インターネットで検索をかけると情報が出てくるのですが、
登山道の崩壊が近年激しく、通過できない、という記録も少なくありません。
また、安倍奧の山伏から先の登山道無きルートで、青薙山の直下にあり、
この時期は笹も繁茂してたどり着くまでに時間がかかることが予想されました。
また、青薙山から布引山までの間も決して歩きやすいわけではないマイナールートです。
リスクやかかる時間を考え、ソロのファストパッキングには向いていないだろうということで候補から外しました。
幸い、安倍東稜は七面山方面に抜けられ、老平までロードを6km繋ぐだけで布引山・笊ヶ岳への登山口に到着するため、
ここは安倍東稜を選択しました。
次に鋸岳、ここが危険なのは有名で、
どちら回りにしたとしても旅の真ん中の疲れが溜まったカラダ(特に足)では通過したくなかったのと、
ヘルメットや捨て縄は今回持たないつもりだったのでシンプルに黒戸尾根に変更。
最後に信州峠から小川山までのバリエーションルート。
ここは特に難しくはないのですが、シャクナゲ漕ぎがあり時間がかかるのと、
今回の旅はいつものとおり素早く歩き走って巡りたかったのがあり、
ロードでの瑞牆山荘へのつなぎに変更。
補足で、今回県境という意味では、道志山塊ではなく、丹沢の東海自然歩道をつなぐのですが、
丹沢は「The 神奈川」というイメージで、TOYとは違うな~、という印象だったのと、
一度道志山塊に上がりまた道志みちへ降りて丹沢へ登り返すという、
何というか道志山塊をスルーしてしまうような無理矢理なつなぎ方の感じがピンと来ず、
キツさも道志山塊の方がキツイだろうということで丹沢は外しました。
結果↓のようになりました。
Day1 道の駅すばしり→富士山→精進湖→天子山塊→佐野峠
Day2 佐野峠→東海自然歩道→田代峠→安倍峠
Day3 安倍峠→七面山→布引山→伝付峠
Day4 伝付峠→白峰南嶺→間ノ岳→仙塩尾根→北沢峠
Day5 北沢峠→黒戸尾根→赤岳→清里
Day6 清里→信州峠→奥秩父縦走路→笹平
Day7 笹平→雲取山→鴨沢→三頭山
Day8 三頭山→上野原→道志山塊→三国山→道の駅すばしり
各エリアの詳細は、1日ごとの記録に書いていこうと思っていますがまずはここまで。